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可測関数と可測集合、可測集合での積分

ドキュメント内 leb224w.dvi (ページ 33-36)

ここで可積分関数と直接関連のある可測関数と可測集合に触れておく。

殆どいたるところで階段関数の極限となる関数を可測関数

(measurable function)

という。

可積分関数は可測関数である。

可積分関数f(x)には、それが極限となる階段関数の列{φn(x)}n=1が存在して、任意のǫ >0 にたいして、N ∈N が存在して、n > N ならば、

| Z

f(x)dx− Z

φn(x)dx| ≤ Z

|f(x)−φn(x)|dx < ǫ (2.26) が成り立つ。

[証明] 可積分関数の定義 (節 2.1) により、f(x) は、二つの階段関数の非減少列 {φ1n}n=1

と{φ2n}n=1 の極限 f1(x) と f2(x) により、f(x) = f1(x)−f2(x) と表される。φn(x) を φn(x) =φ1n(x)−φ2n(x)で定義する。このとき、(2.26)の第二辺をI とするとき

I = Z

[f1(x)−φ1n(x)]−[f2(x)−φ2n(x)]

dx

≤ Z

[f1(x)−φ1n(x)]dx+ Z

[f2(x)−φ2n(x)]dx

が成り立つ。N を右辺がn > N のときǫより小さくなるように選べばよい。 2 例 2. 3.1 x∈Rの関数 f(x) =|1x| は可測関数であるが、可積分関数ではない。

関数

f (x)

と関数

g(x)

がすべての

x

で関係

f (x) ≤ g(x)

を満たすとき、

f (x)

g(x)

で押さ えられているという。

定理 2. 3 可測関数

f(x)

の絶対値が 可積分関数

g(x)

で押さえられているとき、すなわち、関係

| f (x) | ≤ g(x) (2.27)

が満されているとする。このとき、可測関数

f (x)

は可積分である。

2.3. 可測関数と可測集合、可測集合での積分

27

[証明]可測関数f(x)は階段関数の列の極限であり、階段関数は可積分であるから、Lebesgue の定理の拡張(節2.2)により明らかである。 2 定理 2. 4 可測関数

f (x)

の絶対値

| f (x) |

、二つの可測関数

f (x)

g(x)

の和

f(x) + g(x)

、差

f (x) − g(x)

、積

f (x)g(x)

、さらに、

sup { f (x), g(x) } , inf { f (x), g(x) }

も可測関数である。殆どい たるところで

0

ではない可測関数

f (x)

の逆数に殆どいたるところで一致する関数「

g(x) = 1/f (x), a.e.

」も可測関数である。さらに、可測関数の列

{ f

n

(x) }

が殆どいたるところで収束する とき、その極限関数

f(x)

も可測関数である。

[|f(x)|,..., inf{f(x), g(x)} の場合の証明]|f(x)|とinf{f(x), g(x)} の場合の証明を記す。f(x) とg(x)はa.e. で階段関数の列{φn(x)}と{ψn(x)}の極限であるとする。このとき、{|φn(x)|}, {min{φn(x), ψn(x)}}は階段関数の列で、それぞれa.e. で|f(x)|, inf{f(x), g(x)}に収束する。

2

[a.e. でg(x) = 1/f(x)の場合の証明]f(x)はa.e. で階段関数の列{φn(x)}の極限であるとす る。φn(x) = 0のときψn(x) = 0とし、φn(x)6= 0のときψn(x) = 1/φn(x)とする。f(x) = 0 の点を含む開集合E0 を除くa.e. で階段関数の列{ψn(x)}は 1/f(x)に収束する。 2 [可測関数の列 {fn(x)} が a.e. で f(x)収束する場合の証明] 正値の可積分関数をh(x)とす る。たとえば、有限区間ならば、h(x) = 1とし、無限区間(−∞,∞)ならば、h(x) = 1+x12 と する。このとき、

gn(x) = h(x)fn(x)

h(x) +|fn(x)|, g(x) = h(x)f(x) h(x) +|f(x)| とすると、gn(x)は可測関数である。さらに、

|gn(x)|< h(x)

であるから、gn(x)は可積分関数である。n→ ∞でgn(x)→g(x),|g(x)|< h(x)であるから、

Lebesgueの定理によりg(x)は可積分である。したがって、

f(x) = h(x)g(x) h(x)− |g(x)|

は可測関数である。 2

定理

2.3

、定理

2.4

により、可積分関数

f(x)

g(x)

の積は、その絶対値が可積分関数で押さ えられているときには可積分である。

例 2. 3.2 下記の関数f(x)は Rで可測関数であるが、Rで可積分ではない。しかし、L1(R) に属する関数 g(x)との積f(x)g(x)は、|f(x)g(x)| ≤ |g(x)| を満たすので、可積分である。

(a)f(x) = 1, (b)f(x) = sinx, (c)f(x) = sinx x

特性関数が可測関数である集合を可測集合

(measurable set)

という。

可測集合

e

にたいして、測度

(measure) m(e)

を定義する。集合

e

の特性関数

χ

e

(x)

が可積 分なら

m(e) =

Z

χ

e

(x) dx (2.28)

とし、そうでなければ

m(e) = ∞

とする。

例 2. 3.3 R上の有限区間(a, b)は可測集合であり、その測度はb−aに等しい(節 1.3の例 1.3.5参照)。

例 2. 3.4 零集合は、測度が0 の可測集合である。

[証明]節1.3の例1.3.6により、零集合の特性関数をχ(x)とすると、それは「χ(x) = 0, a.e.」

である。これは可積分であるから、この集合は可測集合である。その測度は節 2.1の例2.1.1 によりR

χ(x)dx= 0である。 2

例 2. 3.5 f(x) が可測関数であるとき、f(x)> c を満たすxの集合 ec は可測集合である。

[証明]関数fc(x)を fc(x) = min{f(x), c} とする。このとき、

χc(x) = lim

h→0 h>0

fc+h(x)−fc(x) h

で定義される関数は、定理2.4により可測関数である。これは集合ec の特性関数であるから、

その集合ec は可測集合である。 2

集合

e

はRn上の可測集合であり、その特性関数が

χ

e

(x)

であるとする。Rn 上の点

x

の関数

f (x)

は、積

f(x)χ

e

(x)

が可積分であるときに、

e

で可積分であるといい、

e

での積分 Re

f (x) dx

Z

e

f(x) dx =

Z

f (x)χ

e

(x) dx (2.29)

で定義される。

e

が一次元の区間

(a, b)

のときには、Re

f (x) dx

Rab

f (x) dx

と書かれる。

Rn上の任意の有限直方体

(

区間、矩形

)

で可積分である関数は、局所可積分

(locally integrable)

であるという。

例 2. 3.6 例 2.2.1に示したようにRn 上の閉直方体eで連続な関数はeで可積分である。し たがって、Rn 上で連続な関数は局所可積分である。例2.3.2の関数f(x)はR上で局所可積 分である。例 2.3.2の関数g(x)は、有限区間 (a, b)にたいし、χ(a,b)(x)である。

関数

f (x)

は、Rn で可積分ならば、Rn 上の可測集合で可積分である。

可測集合

e

で可積分な関数の集合は

L

1

(e)

で表される。また、区間

(a, b)

で可積分な関数の 集合は

L

1

(a, b)

と書かれる。

定理 2. 5

f (x)

f(x) ≥ 0

を満たす可積分関数であるとする。このとき、殆どいたるところで

f (x) = 0

であることが、R

f(x) dx = 0

が成り立つために必要十分である。

[十分の証明]「f(x) = 0, a.e. 」 ならば、節2.1の例2.1.1によりR

f(x)dx= 0となる。2 [必要の証明: 1 ] Leviの定理の系(節2.2)を用いる証明。

Leviの定理の系において hk(x) =f(x)とする。もし、R

f(x)dx= 0が成り立つならば、

P

k=1|hk(x)|= 0となり、この級数は収束する。したがって、P

k=1hk(x)は a.e. で収束し なければならない。これは「f(x) = 0, a.e. 」のときにのみ可能である。 2

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