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5. 経験とその評価にもとづく有権者の投票外参加

5.4. 参加経験モデルの検証

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ポワソンモデルの推定結果(従属変数:2000年総選挙における選挙活動への参加6項目)

標準誤差 オッズ比 過去の政治参加に対する評価のオッズ比 2.05 ** 0.76 7.80 政治活動への参加経験 0.24 ** 0.08 1.27

参加経験×評価 -0.41 * 0.20 0.66

総選挙時での被動員(参加依頼を受けたか) 0.43 ** 0.09 1.53 参加受容度(参加したいと思うか) 0.08 * 0.04 1.08

選挙制度への信頼 -0.06 0.04 0.95

他者に対する一般的信頼 0.19 0.11 1.21

外的政治有効性感覚 0.01 0.09 1.01

政治的会話頻度 0.21 0.12 1.23

生協・消費者団体、ボランティア団体、住民運

動・市民運動への積極的な参加 -0.20 0.15 0.82 職場仲間、趣味、習い事などのグループへの

積極的な参加 0.03 0.10 1.03

自治会・町内会、PTA、同業者組合、農協へ

の積極的な参加 0.01 0.08 1.01

年齢 0.01 0.01 1.01

通勤時間 0.12 0.11 1.13

教育年数 -0.10 0.03 0.90

定数 -1.51 0.80

バイナリモデルの推定結果(従属変数:常に不参加)

b 標準誤差 オッズ比

総選挙時での被動員(参加依頼を受けたか) -2.12 ** 0.63 0.12

定数 0.64 0.49

非同質性の検定(Vuong Test) 1.93(p=0.027)

N 473

従属変数の値が0以外のケース数 96 従属変数の値が0のケース数 377

McFadden's R2: 0.314 Maximum Likelihood R2: 0.365 AIC: 1.069 BIC: -2332.723

**p<0.01 *p<0.05

b

表 5-3 参加経験モデルの結果

次に過去の政治的活動への参加経験とその評価に注目する。これら2つの変数は交互作用 項を回帰式に投入しているので以下のように解釈できる。すなわち、市民の過去の政治的活動 に対する評価が 0(肯定的な評価も否定的な評価もしていない)の時、過去の政治活動への参 加経験が1項目多い市民は、2000年の衆議院選挙において選挙関連活動に1項目多く参加

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する可能性が、27%増加するのである。また、交互作用項の値が負(-)であることから、参加経 験数が増加するにつれて、経験に対する評価がその後の参加に与える効果は減少し、同様に、

高い評価をすればするほど過去の参加経験数がその後の参加に与える効果は減少していくと いうことがわかる。そこで次に、参加経験とその評価の相互作用がどのようにその後の政治的活 動への参加に影響をもたらしているのかを視覚的に表すことで、両変数の効果を検討する。

図5-1は推定によって求められた係数(β)を元に、参加経験とその評価が、2000年の総選 挙における選挙活動への参加に対してどのような影響を与えるのかを予測したグラフである。グ ラフの横軸は過去の経験に対する評価で、線の種類は過去の参加経験項目数である。このグ ラフから、参加経験の項目数にかかわらず、その経験に対する評価が高ければ高いほど、2000 年衆議院選挙における選挙活動に参加する項目数が多いことがわかる。そしてグラフの傾きか ら、過去の参加項目数が少ない市民ほど、経験に対する評価がその後の参加に及ぼす効果が 強いということが言える。

また、過去に6項目の活動に対して参加経験を有する市民は、回帰式にもとづく推定では評 価との高低と参加項目数との関係は見いだされなかったが、参加した項目全てに対して「効果 があった」と評価すると、過去の参加経験数にかかわらず、2000年衆議院選挙での活動参加

項目数が1.2-1.7の間に収斂していることがグラフから読み取れる。したがって、全ての参加経

験を肯定的に評価する市民は、過去の参加経験数に関係なく、その評価のみに基づいてその 後の参加項目数を決めているということがいえるだろう。次節では、政治参加のメカニズムにお ける市民間の非同質性について推定結果から検討を加える。

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図 5-1 過去の参加経験と評価が次回の参加に与える影響