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Sic Coating

C/C Composite

国3.313 パルスCVDによるSjCコーティング C/C複合材料試料の断面

反応温度1 473 K

a.電子顕微鏡写真

b. EPMA SトKαイメージ

3. 3. 2 耐酸化性の評価結果

耐酸化性の評価試料は、基質として20×30×2.OmmのC/C複合材科平板を用 い、反応温度1473K、 MTS濃度5.Omol%およびパルスサイクルごとの反応保持 時間.%2.OSとして、パルスCVDによって調製した.ここでは、総パルスサイ

クル数8000で厚さ約100/∠mのCVD‑SiC膜を得た。コーティングした試料には、

はく離等の重大な欠陥はなかったが,表面には幅数〃mのマイクロクラックが 多数存在した。これはsiCとc/c複合材料との熱膨張の違いから(1.l.2項b.節 参照) CVD処理温度から常温に戻るまでの間に発生したものと考えられる。

このようなマイクロクラックは多数報告【3‑6]されており、基質とコーティン グが十分に密着しているならば、熱膨張率の差という物性上の理由で避けられ

ない現象である。そこで高温暴露実験に先立ち、文献【3‑6】に従いこのような マイクロクラックのシール(マイクロクラックの隙間に入って日詰めする)用

として、表面にガラス(ガラスシール)を付加した。マイクロクラックは、温 度が上がるにつれて閉じていく(cvD処理温度で全閉)から、ガラスシール

はこの変形に追従できるように低軟化点である必要がある。そこで,ガラスシ ールの形成には市販のNa20‑SiO2系のゾル液を用い,塗布後に脱水硬化させて ガラス層とした.形成したガラスシールの軟化点は、おおむね900Kであった。

なお、このガラス層の成分は、米国スペースシャトルのC/C複合材科のガラス

シールである‑'type A sealant■■の基材として採用されたものである【6】。 高温

大気暴露は,下記の手順で実施した。

(1)大気中で常温(298K)から1973Kまで5K/min.で昇温 (2)そのまま1973Kで1h保持

(3)雰囲気をArにかえ炉冷

冷却後取り出した試料表面には、コーティングのはく離等はなく、正味の酸化 減量率はわずかに1・4wt%であった。ここで、試料の正味の酸化減量率(△w。。l‥

wt.%)は、次の式(3.3‑2)で求めた。

△Wnel

Wo+S・MsiC・t‑W

×100 ・(3.3‑2)

ここで, Wo,W,Sおよびtは、それぞれ試料の初期重量、試験後重量,試料の 表面積および加熱時間(3600sとした)で、 MsiCは1973KにおけるCVD‑SiCの

酸化(siO2生成)に伴う重量増加で、 3・2×10‑7kg・m‑2・s‑1を用いた【7】。なお、

高温暴露は比較用にクラックシールガラス無しのものも追加して実施したが, こちらの重量減少は約26wt%もあり、内部のC/C複合材料が消耗したことによ ってコーティングが一部脱落した。

以上の結果から、本実験で用いたパルスCVD‑SiCコーティングは、基質に直 接実施したものであっても良好な密着性を有し,クラックシールを付加するこ

とによってさらに十分な高温耐酸化性を示すことが確認された。

3. 3. 3 高温大気中強度の評価結果

図3.3‑4に高温大気中の引張強さ特性の評価に用いた試験片型試料の形状を 示す。試料はコーティング前に予めこの形状に加工し、その後反応温度1473K, MTS濃度5.Omol%,およびパルスサイクルごとの反応保持時間を2.OSとしてパ ルスCVDを行い調製した。ここでも稔パルスサイクル数8000で厚さ約100〃m のCVD‑SiC膜を得た。前節3.3.2で述べたのと同様に、コーティングした試料 には,はく離等の重大な欠陥はなかったが、表面のマイクロクラックが多数存 在したので、ここでもガラスによるクラックシールを適用した。引張試験は

MTS型万能試験機(MTS社製)を用い、常温(300K)大気中で3体, 1873K大気 中で5体実施した。さらにコーティングの基質強度への影響を把握するため,

コーティングなしのC/C複合材料試料も常温(300K)大気中で1体試験した。な

お、 1873Kの加熱は、試料つかみ部を試験機つかみ具の水冷によって低く保っ たまま、図3.3‑4中に示す試料中央部の局所加熱で行った。また、そのときの 引張負荷は試料が1873Kになってから大気中で1h放置したのち実施した.この 温度は供試体に接触させたpt‑pt/Rh熱電対で測定し,試料の伸びは接触式の伸 び計で測定した。

1873Kの応力ー歪み曲線を図3.3‑5に示す。また、すべての引張試験で得られ た引張強さおよび引張弾性率のデータを、それぞれ図3.3‑6および図3.3‑7に示 す。これらのデータから,まず、300Kにおいてコーティング付でもコーティ

ングなしのそれと同等の610MPaの引張強さが得られ、かつその強度を1873K の大気中にIh放置した後も保持することがわかった。また、引張弾性率につい

ては温度の上昇とともにわずかな上昇を示し, 1873Kで230GPaが得られた。

1873Kの大気中に1h放置しても引張強さと引張醸性率が低下しなかったのは,

この間に試料の酸化劣化が無かったことを示し,パルスCVDコーティングの優 れた耐酸化性を裏付けるものと考えられる。さらに引張強さについては,基材 表面を拡散転化法でSiC化して密着性を確保し、その後にCVD‑SiCコ‑ティン

グを実施した場合の報告例【8‑9】と比較すると,これら報告では300Kのコーテ ィングなしの引張強さ527‑637MPaが,コーティング付では420‑477MPaに低下

【8‑9]し、また300Kのコーティング付引張強さ420MPaが, 1873K, 1h放置後に は300MPaに低下【9】したのに比べ、本研究のパルスCVDによるSiCの直接コー

ティングが際だった性能を示すことがわかる。

以上の結果から,パルスCVDによるSiCの直接コーティングは、基材である c/c複合材料の引張強さを損なうことなく、必要な耐酸化性を付与可能である

ことが明らかになった。このことは,パルスCVDによるSiCの直接コーティン グは、基質に悪影響を及ぼさないということを示すものであるから,他の面内 強さ特性(圧縮強さや曲げ強さ)においても同様な結果が得られるものと考え

られる。

UNIT:mm

図3.3‑4 引一張試験片形状

o o.00o5 0・001 0・001 5 0・002 0・0025 Str&In (mm/mm)

図3.3‑5 パルスCVDコーティング付試料の 1873Kでの引張試験における応力ー歪み線図

400

o 500 1 000 1 500 2000

Temperature (K)

図3.3‑6 パルスCVDコーティング付試料の引張強さ特性

EL

(コ

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