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プライマリ・チームで収集した情報を統合し、話し合いを通じて、緩和が必要な苦痛や苦悩 を全人的な視点から包括的にアセスメントする。

包括的アセスメントを行う際の重要なポイントは、プライマリ・チームとして解決できる問 題を見落とさないことである。

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身体的苦痛のアセスメント 身体的苦痛のアセスメントの際の注意点

  身体症状のアセスメントは、患者自身によるアセスメントが大前提であり、p.80で紹介し た「生活のしやすさに関する質問票」を使用する。

  患者自身によるアセスメントが困難な場合には、英国のHigginsonらによって開発されたホ スピス・緩和ケアにおけるアセスメントツールであるSTAS(SupportTeamAssessment Schedule)を用いた医療従事者による他者評価を活用することもできる2)

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身体症状:疼痛は軽減しているか、倦怠感はないか?

症状マネジメントは適切か?

精神症状:せん妄、認知症はないか?

うつ病の治療は必要か?

社会的問題:経済的負担は大丈夫か、介護負担はないか?

家族との関係は?

医療者とのコミュニケーションは?

スピリチュアルな苦悩:病気との取り組みは?

実存的な苦悩は?

死との向き合い方は?

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がん患者の包括的アセスメント

小川朝生,内富庸介編(2010).これだけは知っておきたいがん医療における心のケア:精神腫瘍学ポケットガイド.東京,

創造出版,39-41. を参照して作成

緩和ケアチームへのつなぎ方

  身体症状のマネジメントを行っているにもかかわらず、原因が特定できず症状が改善され ない、使用薬剤の副作用が続くなど、患者の身体的苦痛が増強する場合には、緩和ケアチー ムへのコンサルテーションを提案・依頼する。

  担当医師が使用した経験のない薬剤の選択や処方を行う際には、緩和ケアチームへのコン サルテーションを提案・依頼する。

  コンサルテーションに際しては、担当医師が患者もしくは家族にコンサルテーションの目 的を説明し同意を得られるように、説明の場の調整を行う。

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精神的苦痛のアセスメント

精神的苦痛のアセスメントの際の注意点1)

  がん患者の精神的苦痛は、p.45で述べたように、①がんや治療に対する反応である心理社 会的苦痛、②がんや治療の症状として出現する精神症状や苦痛への適応の努力が破綻した ために出てくる精神症状など薬物療法を含めて専門的な対応が必要な精神症、の2つに大 別される。

  2つの精神症状は対応が異なるので注意が必要である。特に、後者の専門的対応が必要な 精神症状は見落とされていることが多く、適切な治療を受けていない点が問題となってい る。

  患者が気持ちや感情について話しやすい雰囲気を感じられるように、普段から、身体症状 と合わせて「眠れなくてお困りではありませんか?」「精神的にしんどかったりしません か?」などの声かけを積極的に行う。

緩和ケアチームや精神腫瘍医へのつなぎ方

  気持ちのつらさを緩和するための薬物療法やケアが行われているにもかかわらず、つらさ が緩和されず、しかも日常生活での支障が増強する場合には、緩和ケアチームなどへのコ ンサルテーションを提案する。

  不眠やせん妄など症状緩和を行っているにもかかわらず原因が特定できず、改善する兆し がないなど、症状緩和が困難な状態が続いている場合には、専門的対応が必要である。

  早急に緩和が必要な身体症状は出現していないにもかかわらず、抑うつ状態が続き、患者 が「早く死にたい」などと訴え続けており、対応が困難な場合には、早急に専門的対応が 必要な状態である。

  専門的対応が必要であると判断した場合には、担当医師に、「生活のしやすさに関する質問

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苦痛緩和

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包括的アセスメントの進め方

票」(p.80)などのアセスメントツールに基づいて患者の心身の状態とその変化、日常生活 の支障の程度などを報告する。また、家族との関係や就労状況、患者の変化に伴う家族の 気持や反応なども伝え、患者の状態が「いつもと違う」ことに気づいてもらえるようにす る。

  緩和ケアチームや精神腫瘍医とのカンファレンスの開催を提案し、問題点についてオープ ンに話し合う機会をつくる。

  コンサルテーションに際しては、担当医師が患者もしくは家族にコンサルテーションの目 的を説明し同意を得られるように、説明の場の調整を行う。

  同意が得られない場合には、専門家の助言を受けながらプライマリ・チームがケアを行い、

コンサルテーションのタイミングを見計らうことが大切である。

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社会的苦痛のアセスメント

社会的苦痛のアセスメントにおける注意点

  社会的苦痛は内容が複雑で多岐に渡っている。まず患者の訴えや苦痛を共感的に聴き、気 持ちをほぐすような働きかけを行い、何が問題かを明らかにする。

  経済的負担や家族の介護負担を軽減するための具体的な手段がとられているかを確認する。

がん相談支援センターやMSW(Medical Social Worker)へのつなぎ方

  問題解決のための情報提供や助言が必要なとき、実際的な援助を行う必要があるときには がん相談支援センターやMSWにコンサルテーションを依頼する。

  患者や家族にがん相談支援センターやMSWの役割を患者や家族に具体的に紹介し、コンサ ルテーションについての同意を得る。

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スピリチュアルな苦悩のアセスメント

スピリチュアルな苦悩のアセスメントにおける注意点

  患者が「どうして私が…」などのスピリチュアルな苦悩を語る際には、積極的に共感的に 傾聴する。具体的には、図 2に示したスピリチュアルペインアセスメントシート(Spiritual PainAssessmentSheet:SpiPas)などを用いて、現在のスピリチュアルな状態をアセスメン トし、苦悩の内容を明らかにする3)

  臨床において、スピリチュアルケアを実践する際に医療従事者として配慮すべきポイント は表 1のとおりであり、あくまでも苦痛を和らげることができるのは患者自身である。こ

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のことを念頭に置いた関わりが大切である。

  スピリチュアルな苦悩であると判断する前に、包括的アセスメントの進め方にそって、解 決できる問題や苦痛を見逃していないかを再確認する。

緩和ケアチームや宗教家へのつなぎ方

  スピリチュアルな苦悩はその内容が多岐に渡っているため、多職種チームアプローチがで きる体制が整備されていることが望ましい。

  患者が特定の宗教や信仰を持っている場合には、宗教家の訪問についての希望の有無など を確認し、家族など患者の意向をよく理解している人と共に調整する。

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スクリーニング1 A.気持ちの穏やかさ B.大切な/支えになっていること

Ⅰ. スピリチュアルの状態 のアセスメント

Ⅱ. 特定の次元における

スピリチュアルペインのアセスメント

スクリーニング2 C.気になる/心配なこと

D.現状の捉え方

スピリチュアルペインなし

※但しアセスメントは 継続的に行う

【関係性の苦悩】

①家族・大切な人の心配

②孤独感

③負担感/申し訳なさ

④人間を超えたもの・信仰に 関する苦悩

【自律性の苦悩】

⑤自分のことができないつらさ

⑥将来に対するコントロールの 喪失

⑦役割・楽しみの喪失

⑧自分らしさの喪失

⑨ボディイメージの変化

各次元のスピリチュアルペインあり

【時間性の苦悩】

⑩心残り

⑪希望のなさ

⑫死の不安

⑬身辺整理に関する気がかり

⑭人生の不条理 Yes

No

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スピリチュアルペインアセスメントシート(SpiritualPainAssessmentSheet:SpiPas)

スピリチュアルケアを実践する際の医療従事者の姿勢 1

・患者の尊厳を大切にした関わりを基盤として、積極的に症状を緩和する

・患者が語る言葉や訴えに対して価値判断を加えずに積極的に傾聴する

・患者の語りの背後にある気持ちに気づき、患者に関心をよせて共にいる

・ケアの目標は苦痛の軽減にあるのではなく、関わりのプロセスにあることを意識する

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苦痛緩和

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包括的アセスメントの進め方 引用・参考文献 

1) 小川朝生,内富庸介編(2010).精神腫瘍学ポケットガイド これだけは知っておきたいがん医療における心の ケア.東京,創造出版,37-38.

2) STAS-J(STAS日本語版) http://plaza.umin.ac.jp/stas/ (アクセス:2013年9月)

3) 田村恵子,森田達也,河正子編(2012).看護に活かすスピリチュアルケアの手引き.東京,青海社,27-35.

田村恵子

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