6. 横型タンデム双ロールキャスターによるクラッド材のインライン圧延
6.3. 実験結果と考察
6.3.4. 剥離試験による接合強度の評価
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Fig. 6.10に示す荷重―ストローク線図は,Fig. 6.5 (a)に示す網目のように微細なクラ
ックが観察されている箇所とFig. 6.5 (b)にインライン圧延によって幅方向に一様に圧延 荷重が負荷されている箇所が長手方向に混在しているクラッド材に対して剥離試験を 行なった結果得られたものである.Fig. 6.10より,まずストローク1mm 程度のところ で, Fig. 6.5 (b)に示す箇所が比較的広く存在する箇所が剥離し,最高荷重(剥離荷重)
に達する.次に,長手方向にFig. 6.5 (a)の相当する部分とFig. 6.5 (a)のみが混在する箇 所が剥離し(ストローク2mm~9mm),最後にFig. 6.5 (a)に示す箇所が広く存在する箇所 が剥離(ストローク9mm~16mm)を起こす. その結果,Fig. 6.10に示す荷重―ストロー ク線図が得られたものと考えられる.本実験で得られたAl/Mg/Al三層クラッド材はFig.
6.5 (a)に相当する箇所とFig. 6.4 (b)に相当する箇所が長手方向に混在しており,Fig. 6.10
に示す結果からも,インライン圧延によって幅方向に一様に圧延荷重を負荷させること が可能なプロセスを構築することが重要であることが確認できる.以上のように,Fig.
6.10に示すように得られた複数の荷重―ストローク線図の結果から,剥離試験における 最高荷重(剥離荷重)は,クラッド材の単位幅あたりの荷重で3.0N/mm~12.0N/mm程度 であることが明らかになった.この値は 単位幅のA1050の0.2%耐力に相当する単位幅 あたりの荷重を30N/mmとして計算すると,その値の約10分の1から3分の1程度の 大きさである.単位幅のAZ91Dの0.2%耐力に相当する単位幅あたりの荷重を150N/mm として計算すると,上記の3.0N/mm~12.0N/mmの接合強度はかなり小さいが,Fig. 6.11 に示すように曲げ半径 R(25mm)のパンチで三点曲げ試験を行った結果から,クラッ ド材の板厚4.7mmの約8.3倍程度の比較的大きな曲げ半径(R=39.0mm)の曲げでは剥 離は生じていないことが判明した(この時のパンチの押し込み量は鉛直方向に5mmで あった).曲げ半径がR=25.0mmより小さい半径のパンチで,三点曲げ試験を行った場 合は,三層クラッド材の曲げの外側のアルミニウム合金とマグネシウム合金の界面で剥 離が生じており,このとき界面における金属間化合物はマグネシウム合金側に付着した まま,アルミニウム合金との間で剥離していることも確認されている.
クラッド材の接合界面にはFig. 6.12に示すように,金属間化合物の層が比較的厚い場 合(Fig. 6.12 (a))および金属間化合物の層が比較的薄い場合(Fig. 6.12 (b))の両方の箇 所がある.接合界面の剥離強度を向上させるためには, 一定の厚さの金属間化合物の層 を形成する加工プロセスの構築をすることが重要であることを本実験により確認でき た.金属間化合物の発生の状況の詳細や金属間化合物の厚さを制御することは今後の課 題であると考えている.
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Fig. 6.11 Bending of clad strip (Bent Radius: R=39.0mm).
(a) Clad with thick intermetallic
(b) Clad with thin intermetallic.
Fig. 6.12 Cross sections of clad strips.
5mm
R=39.0mm R (mm)
1mm A1050
AZ91 Intermetallic
(a)
1mm A1050
AZ91 Intermetallic
(b)
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