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高アルミニウム含有マグネシウム合金ロールキャスト材の熱間圧延39

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2. 横型双ロール法による高強度マグネシウム合金板材の製造

2.6. 実験結果および考察

2.6.5. 高アルミニウム含有マグネシウム合金ロールキャスト材の熱間圧延39

本実験では,ロールキャスティングによって製造したキャスト材に熱間圧延を施して 所定の板厚さになるまで薄くし,塑性加工用の展伸材料として使用するために,熱間圧 延性の調査を行なったものである.通常はアルミニウムの含有量が9%以上の場合はス ラブから熱間圧延により薄板を製造することは困難であり,高アルミニウム含有マグネ シウム合金ロールキャスト材の熱間圧延性の調査は,板材の塑性加工性の観点からも重 要である.本実験においては,得られたマグネシウム合金ロールキャスト材の表面付近 を面削せずに,熱間圧延実験を行っている.本実験ではロールを加熱しないで試験片の みを過熱するコールドロール法を用いているが,圧延中のロール表面温度は最高で約

70℃まで上昇していた.実験では,得られたAZ91DとAZ121のロールキャスト材を総

圧化量が75%(1mm)になるまで,繰返し圧延している.Fig. 2.22とFig. 2.23 に得ら

れた熱間圧延板を示している.圧延材の両端部に小さな耳割れが確認されてはいるもの の,圧延そのものは可能であることを明らかにした.DC鋳造では,スラブからの圧延 が困難とされている高アルミニウム含有マグネシウム合金板材の場合でも,双ロールキ ャスターによって得られた鋳造板であれば,熱間圧延によって板厚1mmまで薄くする ことが可能であった.圧延中に発生する耳割れの状態は,板材の圧延方向が鋳造方法と 平行な場合と垂直な場合で差異は観察されなかった.

Fig. 2.22 As-rolled AZ91D strip (Thickness : 1.0mm).

Fig. 2.23 As-rolled AZ121 strip (Thickness : 1.0mm).

50mm50mm

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Fig. 2.24にAZ91Dの場合の圧下率が中央近傍の組織に及ぼす影響を示している.圧

下率 30%では板厚中央近部では圧延組織が得られておらず,圧下率 50%以上で双晶の

導入が確認されている.圧下率75%の場合は,一部に(白色の部分)に動的再結晶が観 察されている.Fig. 2.25に総圧下率75%の場合のAZ121の中央近傍の組織を示す.AZ121 の場合も同様に,コールドロール法による熱間圧延によって動的再結晶が観察される.

Fig. 2.24 Cross sections of as rolled AZ91D strips.

Fig. 2.25 Cross section of as rolled 75% reduced strip of AZ121.

200μm

Reduction: 30% Reduction: 50%

Reduction: 75%

← Rolling direction

200μm Reduction: 75%

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2.6.6. 高アルミニウム含有マグネシウム合金圧延材の機械的性質の調査

引張試験により高アルミニウム含有マグネシウム合金ロールキャスト圧延材の機械 的性質の調査を行った.引張試験(サンプル数3)では,AZ91DおよびAZ121マグネ シウム合金のロールキャスト材を総圧下率 75%で熱間した圧延板から引張試験を切り 出している.引張試験の結果をそれぞれFig. 2.26,Fig. 2.27に示す.また,各板材にお ける引張試験の結果をTable 2.11およびTable 2.12に示す.Table 2.13に示すAZ91Dの

DATA3の引張強さは308MPa,破断伸びは6.96%であった.DATA1とDATA2の伸びは

3%未満であるがDATA1,DATA2は表面欠陥等によって試験途中で破断が起こったこと

を実際のサンプルで確認している.これは表面を研削せずに熱間圧延を行ったことが原 因である可能性があり,面削をすることによってDATA3に近い値が得られると考えて

いる.DATA3の値をマグネシウム技術便覧に記載されているAZ91Dのダイカスト材に

おける引張強さと比較した3.その結果,ダイカスト材では引張強さ 230MPa,破断伸

びが3%であり,本実験で得られたロールキャスト材の伸びは同等で,引張強度が34%

向上していた.0.2%耐力に関しては,ダイカスト材の160MPaに対してDATA3のロー ルキャスト材は173MPaであり,約10%向上している結果が得られた.これは,単純に ロールキャスト材のそのものの結晶粒の微細化および熱間圧延における動的再結晶に よる微細化が主たる原因であると考えられる.

Fig. 2.27のAZ121の引張試験の結果におけるDATA3では,引張強さ424MPa,破断

伸び2.10%が得られている.AZ121の引張強さは400MPa以上の高い値を得ることがで

きた.本実験においても熱間圧延の前にロールキャスト材の面削は行っていない.引張 試験の結果からは,AZ121圧延材の0.2%耐力は,AZ91ダイカスト材と比較し,2.4倍 の値が得られている.Table 2.13に引張試験によって得られた結果および比較した参考 値を示している.一般のプレス成形用の塑性加工板材として使用されているAZ31と本

研究のAZ121を比較すると,AZ121圧延材の耐力はAZ31 の2倍以上であり,本法に

よって市場に低コストで高強度なAZ121塑性加工用板材を供給できる可能性が高い.

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Fig. 2.26 Tensile test results of rolled AZ91D.

Fig. 2.27 Tensile test results of rolled AZ121.

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Table 2.11 Tensile strength and elongation of rolled AZ91D.

Data 1 Data 2 Data 3

Tensile strength [MPa] 208 186 308

0.2% proof stress [MPa] 185 - 173

Elongation [%] 2.34 2.01 6.96

(-) Incapable measurement Table 2.12 Tensile strength and elongation of rolled AZ121.

Data 1 Data 2 Data 3

Tensile strength [MPa] 423 416 424

0.2% proof stress [MPa] 380 - 370

Elongation [%] 1.89 1.89 2.10

(-) Incapable measurement

Table 2.13 Tensile strength, proof stress and elongation.

AZ31 3) Rolling &

Heat treatment

AZ91D-F 3) Die cast

AZ91D Hot rolling reduction 75 %

AZ121 Hot rolling reduction 75 % Tensile strength

[MPa] 260 230 308 423

0.2% proof

stress [MPa] 161 160 173 380

Elongation [%] 21.2 3 6.96 1.89

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