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Ⅱ.制度検討委員会(日本子ども虐待防止学会)の提言に基づく   課題点の整理

課題 理由、背景 改善の方向生

発生予防

・防止法に発生予防として 学校等における人権教育の 強化を規定すべき

・児童虐待の予防・登録制 度を新設し、情報の一元管 理をする

・体罰禁止の法規定創設

・ステップファミリーへの 啓発、支援

・ 乳 幼 児 未 健 診 者 の フ ォ ロー

・特定妊婦への支援

・行方不明世帯の調査

・調査研究に基づく政策立 案と立法化

虐待予防としての人権教育、

性的虐待予防教育が不十分

機関連携に対応する登録制 度はない

根強い異論あり

重大虐待の発生率が高い、

4組に一組が再婚 未健診者に課題が多い

すでに法規定、取り組み進 行

平成24年に通知、要対協活 用

部分的法改正が主流

教育との連携

省庁を越えたシステム整備

行政課題としての位置づけ

省庁を越えたシステム整備

早期発見

・通告先から福祉事務所を 削除すべき

・通告先に警察を加えるか どうかの検討

・家裁調査官も通告義務者 に含める

・誤った通告に対する免責 規定の設定

実質あまり機能していない

実質なされているが反対意 見もある

実際の通告はないが福祉機 関との連携は可能

  

警察との連携

家裁との連携

通告制度の改善

早期対応から保護支援

・防止法に地域間格差、機 関格差の是正と水準の向上 に努めることを明記すべき

・内閣府に常設の児童虐待 中央専門家会議を設置し、

調査研究、ガイドラインや 施策の策定等を行うように すべき

地域間格差が大きな問題

省庁間の垣根を越えた枠組 みが必要

地域間格差の是正 

中央の機構改革

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早期対応から保護支援

新設すべき

・18歳、19歳の支援対策の 整備

・児童福祉司の増員

・児童福祉司の定着

・児童福祉司以外の職員の 充実を図るべき

・児童相談所の夜間・休日 体制を強化すべき

・一時保護所、シェルター の整備、増設をすべき

・一時保護委託費を大幅に 増額すべき

・職権一時保護に関わって の司法審査

などにある

年長児の支援制度が不十分

欧米の五分の一 勤務平均3~4年

児童福祉司以外の職員体制 の充実も急務

対応体制が不十分

地域によって満床、年長児 シェルターの不足、混合処 遇の問題、教育権保障 地域間格差がある

どう考えるか

 

年長児対策

児童相談所の機能強化

警察等との連携

一時保護体制の拡充

・児童相談所のスーパーバ イザー制度の強化

・児童相談所機能の見直し、

保護と支援の役割矛盾、市 町村との役割分担など

・親指導機能の強化

・児相機能のスリム化

・児童福祉施設の職員配置 の改善

・施設における処遇困難児 加算を増やすべき

・児童福祉施設の夜間配置 を別枠で確保

・施設の小規模化やグルー プホームの拡充

役割を果たせているか疑問、

人材不足

保護と支援が矛盾、市町村 との関係が必ずしもスムー ズでない

親指導の枠組み、レールが ない、男親への改善指導プ ログラムがない

権利擁護に特化すべきとの 議論、障害児対応は一部市 町村に移行、療育手帳診断 の負担(児童心理司)

最低基準の改正がごく僅か

被虐対児加算は一年のみ、

発達障害児加算はない 夜間態勢が手薄

一層拡充すべき、国目標は 施設、里親、グループホー ム三分の一づつ

児童相談所の機能強化

役割調整

指導枠組みの構築

児相機能の再編

児童福祉施設等の機能強化

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・緊急避難場所の確保

・施設の専門的外部支援体 制の拡充

・里親制度の拡充

・里子委託時の育児休暇保 障

・里子、施設児の進学に対 する支援拡充

・情緒障害児短期治療施設 の拡充

・児童養護施設の治療的機 能の強化

・児童福祉施設職員に対す る支援の拡充

緊急避難に一時保護所が使 えない

処遇困難児の増加

里親支援専門員が施設に配 置されるようになった 委託時に仕事を辞めるよう 指導される

里子の進学は里親の個人負 担、施設児の大学進学はご く少数

数が少ない

処遇困難児の増加

バーンアウト、中途退職

・施設等と親権者の対立調 整の仕組み

・性的虐待ケースの心理診 断 マ ニ ュ ア ル、 事 情 聴 取、

告訴等への連携、サポート 体制の拡充

・親権の一部停止制度の新 設

・親権を個別具体に制限す る裁判所命令

・児童福祉法第28条から「著 しく」を削除する

・保護者指導に対する裁判 所命令

・虐待親に対する家屋から の退去命令

・刑事捜査、裁判手続きと 福祉援助の選択を可能とす る制度

ガイドラインの制定等一定 の改善があったが、仕組み そのものは未定

事実確認面接は深化

親権の一時停止制度は実現

行政からの指導だけでは効 果が挙がらない

被害児が施設に行かなけれ ばならない

刑事手続きと福祉援助が矛 盾する場合がある

警察、司法、児相との連携

親権制度

司法と福祉の連携

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費用負担を免除する制度

・検証委員会の情報収集に 関わって他省との調整

・省庁を越えた検証の仕組 み作り

・検証提言の実効性の確保

・児相から警察へ通報する ケースの基準作り

クの負担になる

省庁を越えた情報が得にく い

他省への影響が持ちにくい

提言の実現が難しい

警察との連携

 日本子ども虐待防止学会の制度検討委員会は、東京を中心とする東のグループと、大阪を中心とす る西のグループに分かれて活動が展開されてきた。これまでの活動では主に西のグループが年度ごと にテーマを定めて各種のアンケート調査を実施。その調査結果から明らかになった課題を整理し報告 冊子にまとめて公表するとともに、改善のための提言を行うなどの活動を展開してきている。

 この学会の制度検討委員会からなされる課題点の指摘や提言の内容は、厚生労働省の制度改善に取 り込まれてすでに実現している部分も多いが、上記一覧は、主として未解決の課題を一覧に示したも のである。

 下記に示す、課題点と提言は、これまで年度ごとに実施されてきたアンケート調査に基づく内容の ポイントを紹介するものである。(資料の分散により完全ではない可能性があることを断っておきた い)