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分類の応用〜多次元の場合〜

ドキュメント内 コンピュータと情報活用術 (ページ 100-107)

71Excelの操作手順

11.1 分類の活用〜基本〜

11.2.2 分類の応用〜多次元の場合〜

例題11.3

観測対象Oを2つ以上の測定特性(x1,・・・,xp)によって,2つ以上のグループ G1,・・・,GMに分類(又は判別)することを考える。表11.5は,カード使用者の自己 破産群(×)と正常群(○)を分類したものである。家族構成数が4人,年齢45歳 の人は自己破産すると分類できるか正常と分類できるか?

101

(1)散布図による表現

家 族 構 成 数 と 年 齢 に よ る カ ー ド 破 産 分 類 2 0

3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 8 0

0 1 2 3 4 5 6 7

家 族 構 成 数

年齢 自 己 破 産 群

正 常 群

カードによる自己破産群と正常群を散布図に表現すると下図のようになる。

図中に記入した直線によって,カード破産群と正常群が分類できそうである。

102

(2)線形判別関数

●正常群と自己破産群を分類する関数は,係数ベクトルを a = (a 1 ,a 2 ) ʼ,定数項を a0 として,次で与えられる。

L = a 0 + a 1 × X 1 + a 2 × X 2

○ただし,係数ベクトルと定数項は,以下で与えられる。

) ( ( 1 ) ( 2 )

1 2

1 V x x

a

a a ⎥ = −

⎢ ⎤

= ⎡

( )

2

) 2 ( )

1 ( 0

x a x

a = − ′ +

ベクトル

(自己破産群)の平均 群

ベクトル 群1(正常群)の平均

全体の共分散行列

2 :

: :

2 1

x

x

V

103

(3)基本統計量の算出

○偏差積和平方和行列 S (1) ,S (2) を各群に対して計算する。

○プールした共分散行列 V を計算する。

○共分散行列の逆行列 V -1 を計算する。

S1 1(1) 15.6 S1 2(1) 25.2 正常群

S2 1(1) 25.2 S2 2(1) 1 5 4 6 .9

S1 1(2) 8.9 S1 2(2) -10.3 自己破産群

S2 1(2) -10.3 S2 2(2) 172.1

V1 1 1 .3 6 1 V1 2 0 .8 2 8 V=

V2 1 0 .8 2 8 V2 2 9 5 .5 0 0

V1 1 0.73859 V1 2 - 0 .00 6 4 V-1=

V2 1 - 0 .00 6 4 V2 2 0.01053 偏差積和平方和行列

標本共分散行列

Vの逆行列

No. 家族構成数 年齢 分類 No. 家族構成数 年齢 分類

1 3 30 11 3 41 ×

2 4 55 12 3 37 ×

3 5 50 13 2 40 ×

4 4 54 14 2 30 ×

5 6 60 15 3 42 ×

6 5 39 16 4 37 ×

7 3 42 17 4 33 ×

8 6 64 18 2 34 ×

9 2 70 19 3 39 ×

10 4 35 20 5 30 ×

総和 42 499 31 363

平均 4.2 49.9 3.1 36.3

平方和 15.6 1546.9 8.9 172.1

積和 25.2 -10.3

表 カードによる自己破産群(×)と正常群(○)

2 2

1

2 1

− +

= +

n n

S

V S

104

(4)判別関数の算出

●係数aを次の式で求める。

●定数 a

0

を次の式で求める。

●したがって,求める分類関数は L=-8.514+0.725x

1

+0.136x

2

) ( ( 1 ) ( 2 )

1 x x

V

a =

( )

2

) 2 ( )

1 ( 0

x a x

a = − ′ +

[ ] 8 . 514

1 . 43

65 . 136 3

. 0 725

. 0

136 .

0

725 .

0 3

. 36 9

. 49

1 . 3 2

. 4 1053

. 0 0064

. 0

0064 .

0 7386

. 0

0

⎥ = −

⎢ ⎤

− ⎡

=

⎥ ⎦

⎢ ⎤

= ⎡

⎥ ⎦

⎢ ⎤

⎥ −

⎢ ⎤

= −

a a

105

(5)分類の結果

○各個人に対する関数値を計算すると下表にようになり,正常群 と考えられていた No.1 , No.7,No.10 は自己破産群に所属して いると分類されることになる。

○現実には,これらの個人が自己破産していない訳であるから,

分類方式による誤分類ということになる。

家族構成数 年齢 距離 判別 No. 家族構成数 年齢 分類

1 3 30 -2.259 × 11 3 41 -0.763

2 4 55 1.866 12 3 37 -1.307

3 5 50 1.911 13 2 40 -1.624

4 4 54 1.73 14 2 30 -2.984

5 6 60 3.996 15 3 42 -0.627

6 5 39 0.415 16 4 37 -0.582

7 3 42 -0.627 × 17 4 33 -1.126

8 6 64 4.54 18 2 34 -2.44

9 2 70 2.456 19 3 39 -1.035

10 4 35 -0.854 × 20 5 30 -0.809

表 カードによる自己破産群(×) と正常群(○)の分類結果

○家族構成数 4 人,年齢 45 歳の人の L = 0.506 より,正常群である

と分類される。

106

12章 ポートフォリオの活用

企業における「選択と集中」の考え方にもとづく経営事業戦略の方向 付けをするための手法としてポートフォリオ分析がある.この方法を マーケティングに反映した手法として

CS

ポートフォリオ分析が開発さ れた.

1 0.1

10

相対マーケットシェア

市場成長率

14

7

0 (%)

金のなる木

Cash Cow)

負け犬

Dog)

スター

Star)

問題児

(?)

金のなる木

金のなる木:成長の遅くなった(成熟した)市場で1位のシェ アをもっている場合,ライフサイクルの末期にあるので,投 資効果は小さく,放っておいても利益を生む.刈り取り市場 で得た金で将来に投資する.

スター

スター:成長の速い市場で1位のシェアをもっている場合,

利益を度外視してでも積極的に投資して競争力をつければ 次の金のなる木にできる可能性がある.

負け犬:成長率の低い市場で1位のシェアが2位以下の場負け犬 合,コスト的に1位企業に負けているので利益がでないし,

成熟した市場ではシェアを奪うことは難しい.

問題児:成長率の高い市場で2位以下の場合,判断は難し問題児 い.それは,積極的に投資してシェア1位を獲得できる可能 性がある(スター事業になる可能性がある)が,シェア1位に なることに失敗すれば市場の成長は止まったとき,負け犬 事業になるリスクがある.

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