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先行研究と国の修正行動

第 4 章 防災―雪害 事例研究 新潟県、秋田県

5.4 先行研究と国の修正行動

78 a. 全体

現在進めている取組をまずは早期に完了する努力が求められる(注2)。公助と共助及び自 助を有機的に機能させるためにも、先ず土砂災害に対する危険性の認知度を高める。その 上で、住民主体の「地区防災計画」を「地域防災計画」と整合させ、より大きな防災力を 生み出すことにより避難の実効性を高める。

b. 個別

平成30年7月豪雨(広島)による土砂災害の特徴を踏まえて 以下の対策を実施することに より、土砂災害による人的被災を無くすことが可能となる。

(a) 情報発信

市町村長が避難勧告を適時・適切に発令できるように土砂災害警戒情報の精度向上や 土砂災害警戒情報を補う情報の改善などの技術開発・支援体制の強化を進め、危険度を 時系列的に表示し市町村や住民が危険度の推移等を把握できる様にする。

(b)住民情報認識

土砂災害警戒区域等の指定を早期に完了させ、土砂災害の被害実態を蓄積し区域指定 の精度向上を図る。土砂災害警戒区域等の認知度を向上させる取組みを進め、明示する 看板等を現地に設置するなど住民が常日頃からリスクを意識できる取組みを行う。

(c) 防災力向上支援

地域防災力の向上のため、市町村の防災担当者や自主防災組織等の防災リーダーが土 砂災害に関する知識等の取得を支援する体制を強化する。

(d) 地区防災計画

土砂災害に備えた避難計画を準備していた地区においては円滑な避難がなされていた ことから、要配慮者への対応も含め、地区の住民自らが地区や個人の実情を踏まえた上 で、ハザードマップや地区防災計画の作成・見直しを通じて警戒避難体制の強化を図り、

実効性のある避難を確保する。

(e) 砂防施設の整備

地区や個人の実情を踏まえた地区防災計画の策定を推奨し、それを活かして効果的に 被害の防止・軽減や避難路、避難場所の安全度を向上させるための砂防施設等の整備を 積極的に進める。

(f) その他

土石流や土砂・洪水氾濫等によるインフラ・ライフラインの被害や市街地の被害を踏 まえ、これらを予防するための施設整備を強化する。

5.4 先行研究と国の修正行動

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技術的、対症療法的な対応にとどまり、防災制度の構造、運営に焦点が当てられているも のは少ない。

① 情報提供

土砂災害発生危険雨量の設定は危険性を警告する一指標となりうる(牛山ら、2001)。

1999年豪雨を上回る規模の豪雨は過去 6 回以上発生しており、1999 年豪雨が特に規模

が大きいということはなかった(牛山、2001)

② 防災情報のためのデータ収集

リアルタイム雨量・推移情報は特定個人の能力・関心ではなく、割り振られた担当者が 日常的に情報収集するのが良い(牛山、2004)。

③ 被災実態

豪雨災害の人的被災は、高齢者が逃げ遅れたから発生するなど単純なものではなく、自 ら危険に近づく能動的犠牲者が1/3を占めるように、単に情報を伝達すれば被害軽減できる わけではない(牛山ら、2010)。

➃ 被災発生原因

豪雨災害の犠牲は、建物が倒壊状態になると高い割合で発生することが定量的に確認さ れている(牛山ら、2015)。

➄ 防災・減災のためのソフト対応

防災教育を多様な場で実施する必要がある(太田ら、2009)。

(2) 国のガイドライン変更

平成30年7月豪雨に伴う土砂災害が最多を記録したことを受け、中央防災会議は「防災 担当 避難勧告等に関するガイドラインの改定 ~警戒レベルの運用等について~内閣府」

を発表している。

表 5.1 警戒レベル相当情報

出所: 内閣府「防災担当 避難勧告等に関するガイドラインの改定~警戒レベルの運用等について」2019 3

警戒レベル 住民が取るべき行動 住民に行動を促す情報

5 既に災害が発生している状況であり、

命を守るための最善の行動をとる 災害発生情報(可能な範囲で発令) 4

指定緊急避難場所等への立ち退き避難 を基本とする避難行動をとる

災害が発生するおそれが極めて高い状況等 となっており、緊急に避難する

避難勧告、緊急避難指示(緊急的または 重ねて避難を促す場合に発令)

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高齢者は立ち退き避難する

その他の者は立ち退き避難の準備をし、自 発的に避難する

避難準備・高齢者等避難開始 2 避難に備え、自らの避難行動を確認する 洪水注意報、大雨注意報

1 災害への心構えを高める 警報級の可能性

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このような、国の防災に対してとるべき勧告などは、市町村が確実に実施して初めて効 果を表す。このため、市町村の豪雨災害に対する対応について検証する必要がある。

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