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【全体に関する意見】

・ 改正案にあるような保証人保護の方策は、実務上どのように行うかについての対 応も難しく、販売コスト増大や契約の迅速性が阻害されることが容易に想像される から、これらの方策には反対する。(車販協)

・ 保証が現実に必要な場合もあり、保証人保護に関する規定が契約準拠法にかかわ らず適用される強行規定と解され、海外債務者の海外保証人まで認めないというこ とになると困難が生じるため、規律の内容だけではなく規律の適用される範囲につ いても慎重な検討が必要である。(国際取引)

・ 連帯保証については、現在の連帯保証人の義務は過重なものになっている。その ため、連帯保証の額に上限を設ける、連帯保証は相続の対象から除外するなどの方 法により、何らかの制限を設けるべきである。(個人)

・ 保証と異なる法形式を採っていても実質的には保証と同様の効果を持つ行為につ いては、保証と同様の規制を及ぼすべきである。(個人)

・ 弱者保護の考え方を民法に入れるべきではない。(個人)

・ 保証人保護の拡充に反対する。(個人)

・ もし民法でこのようなことを決めるのであれば、一般法(民法)と特別法(貸金 業法)の関係から、貸金業者は民法の保証の条項の適用除外とすべきである。そう しなければ、2つの法律で無関係に規制されると、場合によっては二つの法が矛盾 するし、そうでなくても複雑化するからである。

(1) 個人保証の制限

次に掲げる保証契約は、保証人が主たる債務者の[いわゆる経営者]であ るものを除き、無効とするかどうかについて、引き続き検討する。

ア 主たる債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによっ て負担する債務(貸金等債務)が含まれる根保証契約であって、保証人が 個人であるもの

イ 債務者が事業者である貸金等債務を主たる債務とする保証契約であっ て、保証人が個人であるもの

保証契約を制限することについて

【賛成】

兵庫弁、東弁倒産法、TMI、ファンの会、労働弁、濱口他、愛知中企同、インデック ス、東京中企同、保証被害会議、東税制度部、静岡書士、埼玉弁、全相協、自由法曹団、

NACS、43条対策、田中他、埼玉青年書士、埼玉青年書士、二弁、東弁全期会、消 費者機構日本、保証人紹介業被害者会、親和会、広大、利限法会議、個人101名

・ 契約時に予測していなかった過大な保証債務を負担したことなど、保証債務を理 由とする倒産、自殺等が相当数生じているのは社会的事実であり、個人保証を制限

する方向の改正については立法事実が存することは明らかである。

・ 中小企業の事業承継の大きな障害にもなっており、中小企業の更なる発展を妨げ ている。

・ 事業に失敗した経営者や第三者保証人は保証責任を問われて全ての資産を失い、

生活すらままならない状況に陥ることも多く、再チャレンジの阻害要因になってい る。

・ 自然人保証が慣行となっている社会では、自然にその慣行が廃れることは困難で あり、そうすると、私たちは互いに他者に保証人になってくれるよう頼み、自分も 他者から保証人になるよう求められるという永遠に続く慣行の社会の中で生活して いくことを覚悟しなければならない。一方で、家庭教育でも社会教育でも、保証人 には絶対なるな、と教えているはずである。“慣行”の継続は、このこととの整合性 はいつまでもとれない社会を営まなければならないことを意味する。われわれ市民 は、果たしてそういうシステムの継続を望んでいるのだろうか。自然人保証を原則 無効としなければならない理由は、ここにある。“慣行”は、考える力を停止・減退 させる。契約当事者にとって、法的に保証人が必要なのかどうかを検討するために は、制度として、一旦は原則無効を規定する必要がある。

・ 事業者向け融資は巨額となるのが通常であり、事業者向け貸付について第三者保 証人を付けて責任を負わせても、保証人には悲劇が待ち受けているし、金融機関に とっても保証人を破綻させるだけでわずかな債権しか回収することができず、無意 味である。

・ 債権者(金銭消費貸借契約のみならず、賃貸借契約、身元引き受け契約、入院契 約等一切を含め保証人をとる側)は自己が利益をあげるために第三者にリスクを転 嫁させるべきではない。報償責任の原則が適用されるべきである。

・ 事業者向けの巨額の借金を個人が支払うことはもともと困難であり、個人保証に 依存するのではなく事業そのものを評価して融資すべきである。

・ 他人の借金の連帯保証人になるという制度は、日本以外の国では例を見ないもの である。

補足意見

・ 債務者が消費者である場合や貸金等債務以外の債務を主たる債務とする場合にも 深刻な保証被害は発生しているから、ア及びイに限定せず個人保証は原則として効 力を否定すべきである。

・ 個人の保証人が生活の破綻に追い込まれるという事例が後を絶たないという被害 実態は[いわゆる経営者]が保証人である場合も何ら変わるところはないのだから、

経営者保証も禁止すべきである。

・ 個人保証及び借主と同種の事業を営む中小企業による保証を禁止すべきである。

・ 医療機関が患者から連帯保証人を徴求することは、患者自身の命を人質にして医 療機関が患者以外の人にお金を工面させる行為だから、医療機関の連帯保証人徴求 を廃止すべきである。

・ 賃貸借における貸主の個人の連帯保証人徴求を廃止すべきである。

・ 改正法施行前の連帯保証契約は、締結日から5年経過したときは、単なる保証契 約に移行するとすべきである。また、改正法施行前の連帯保証契約は、連帯保証契 約締結日から 10 年経過したときは、第三者の連帯保証契約を自動的に解除されると すべきである。

・ 金融機関が貸し出すお金が回収できないときのリスクヘッジとして、保険に入れ ば良いだけである。その保険金は、借主が負担すれば良い。

・ 例外的に個人保証を認めるようとする場合があるとしても、その必要性について は十分に検討すべきである。

・ 個人保証を一定の範囲で無効とする方向性については賛成できるものの、無効と する範囲を区切る基準として[いわゆる経営者]保証か否かが真に適切なものかど うか、中小企業に対する金融機関による信用供与を萎縮させることがないようにす るという観点から、慎重な検証が必要である。

・ 中小企業の資金繰りへの影響に配慮頂き、第三者保証の廃止に伴う整合性ある総 合的かつ実効性ある金融対策を講じられた後に施行して頂きたい。

・ 例えば不動産賃貸借についての個人保証については、その負担が必ずしも大きく ない面もあり、一律にも禁止すべきとまではいえないと思われるため、これを除外 すること自体には反対しない。

・ 経営者の範囲を明確にすべきである。

・ ア、イの文言はどのような保証契約が対償となるのかわかりにくいので、わかり やすくしてほしい。

・ 経営から退いた場合においては保証からはずすべきである。

・ ある程度条件付きで経営者の連帯保証ははずすべきである。

・ すでに連帯保証人になっている者の免責等も併せて検討すべきである。

・ 貸与する以上は貸与する側が返済が計画通り進むように金銭以外の援助や助言が ある事を要求すべきである。(個人)

【反対】

慶大、東地税調査研究部、貿易会、全信組協、サービサー協、阪大、農中、橋口他、信 販協、早大、長島大野常松、JCFA、貸金業協、日証協、改めて見直す会、個人9名 規制の必要性がないことを理由とするもの

・ 個人保証が付された信用供与取引のうち、個人である保証人が代位弁済をした割 合、その結果、保証人が生活破綻に至った割合などは実証的に示されていないので あり、個人保証を原則的に禁止すべきほどの弊害の存在は示されていない。

・ 保証人は少なくとも、根保証においては極度額を、個別保証においては保証した 貸金の貸付額を承知しているはずであるから、「想定外の多額」ということはあり得 ない。

・ 貸金業者の場合、貸金業法により、保証人等が、慎重な判断ができ、予期せぬ保 証債務の負担が生じないようにしているのであって、個人保証を原則として禁止し なければならないような予期しない負担が生じることは考えられない。

金融への悪影響を理由とするもの