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ノ¥ー

TUR  7 例 HIFU  4 例

なし 16

例,期間4‑48ヵ月)以外にTUR‑Pが7例, HIFU4例(重複 例を含む)で,前治療なしが16例であった

40例の術中,術直後の成績および合併症をTable2と3 に示す.治療回数は4例に2回施行し計44回(平均1.1回) 行った 全例腰椎麻酔で行い,術直前の前立腺体積は 9‑46ml.中央値20mlで、あった.手術時間は80‑249分(中 央値174分),照射時間は52‑220分(中央値118分)であっ た.入院日数は3‑6日(中央値4.2日),術後入院日数は1‑4 日(中央値2日)で,術後カテーテル留置期間は5‑28日 (中央値15日)であった術中出血や他の術中合併症は全 くなく,術翌日の血中白血球数とCRPは軽度上昇が数例に みられたが,大半は正常域であった.術後合併症は重篤 なものはなく,軽度なものも含め排尿困難が12例 (27.3%) にみられ,内

4

例は尿閉となった前立腺部尿道の括約筋 近くの狭窄が8例,跨脱頚部狭窄が2例に認められた.これ らに対し尿道ブジーおよびパルンカテーテル留置延長し 2例では6ヵ月目の生検時に腸脱頚部にTURを行った.そ の他3例にカテーテル抜去後に切迫性尿失禁 (gradel)が みられたが, 3ヵ月後までには消失し, 1例で治療後早期 に会陰部不快,前立腺炎様の症状が, 1例で精巣上体炎が

Table 2 術中,術直後成績

HIFU治療回数:40症例.44回(平均治療回数1.1回) 麻 酔 腰 椎 麻 酔44

前立腺体積:9.0~46.0ml (中央値20ml)

手 術 時 間 :80~249分(中央値 174分) 照 射 時 間 :52~220分(中央値 118分) 入 院 日 数 :3~6 日(中央値4.2日) 術 後 入 院 日 数 :1~4 日(中央値2.0 日)

バルンカテーテル留置期間・ 5~28 日(中央値 15 日)

Table 3 術中,術後合併症および処置

合併症

術中,術直後:なし

術 後1週 排尿困難 尿 道 狭 窄 尿閉 勝脱頚部狭窄 偽尿道形成

み ら れ た ま た 糖 尿 病 症 例I例にHIFU2週後カテーテル抜 去直後に尿閉となり,パルンカテーテル留置時偽尿道を形 成 し腸脱療 を 造設し た .

6

ヵ月以降でみると,軽度の排 尿困難が5例に, 3‑4週毎に尿道ブジーを行っている尿道 狭窄症例が

l

例で,大半の症例では排尿困難は改善した.

HIFU前後の排尿状態をmaximumflow rate  (MFR)でみ ると (Fig.1),多くの症例で3ヵ月の時点では低下し 6ヵ 月後では改善がみられた前立腺体積は全例縮小を認め,

HIFU直前の体積中央値20mlが6ヵ月後で、はlOmlで、あった 治療成績をTable4に示す.術後6ヵ月以上経過観察可 能40例のfollow‑up期間は6‑29ヵ月(中央値16ヵ月)で.

PSA値の変動をみると (Fig.2),その最下点 (nadir)は 中央値1.5ヵ月にみられ,

O . l

ng/ml以下になった症例は25 例 (62.5%),1.0以下は38例 (95%)と十分なPSAの低下を 認め,その後大半の症例でPSAは多少上下しながら微増 がみられた.最終的にはPSA値は全例正常域であり, 1以 下は24例 (60%). 1‑4未満が16例であった.生検を施行し

50 

40 

5; 30 

'

"  

20

10 

Before  P03M 

Fig.1  治療によるMFRの変動 (38例)

HIFU後 ~3 ヶ月

12 (27.3%) 8例(16.7%) 4例 (9.1%)  2例 (4.5%)  l例 (2.3%) 

6ヶ月以降 現在まで

5例(11.4%) l例 (2.3%) 

P06M 

処置→尿道ブジー 11

6 2 1 切 迫 性 尿 失 禁 (gradel)

精巣上体炎

会陰部不快,前立腺炎様症状

バルンカテーテル留置延長 (3週以上) 勝 脱 頚 部 のTUR

勝 脱 痩 造 設

3例 (6.8%)  I例 (2.3%)  1例 (2.3%) 

限局性前立腺癌に対する経直腸的高密度焦点式超音波 (HIFU)療法

Table 4 治療成績

6カ月以上経過観察可能症例 40例 (6~29 カ月,中央値 16 カ月)

PSA値の変動:PSA値のnadir:中央値1.5カ月 O.l未満 25 (62.5%) (ng/mJ)  1.0未満 38 (95%)

最 終PSA 1 .0未満 24 (60%)

1~4 16 (40%) 4以上 O

6カ月日の前立腺生検:38例中1fJU癌残存.37例陰性 (nagativebiopsy rate 97.4%)  MRI所見回 38例全例異常所見なし

治療効果 (Gelet'scriteria)  : CR34 (CRrate 85%にPSAfailu 5例,生検陽性l

Risk groupjjljCR rate : low 6/6  (100%にintermediate16/19  (84%にhigh12115  (80%)  HIFUl前内分泌療法の有無・有り 13/16(81.3%).無し21124(87.5%) 

CR : complete reponse 

14  " 

12 ! I 

E  . 

Beforel  2  3 5問 倒 問 輔 12M 15M P018M 21M NM 27M

Fig.2  治療によるPSA値の推移 (40例)

た38例では.1例に癌細胞残存がみられたが,他の37例は いずれも陰性であり (negativebiopsy rate 97.4%). MRI  にでも異常は認めなかった治療効果は,生検陽性1例と PSA failure5例を除く34例をCRと判定しCRrate 85%で あり.risk  group別で、はlowriskで、は100%. intermediate  riskで、は84%. high riskで、は80%で、あった HIFU前の内分 泌療法の有無による治療成績には差は認めなかった治療 効果をriskgroup別にKaplan‑Meier法によるsurvivalcurve  でみると (Fig.3).  riskの低いgroupほど良好で、あった.

6ヵ月後の前立腺生検所見は,治療により腺組織は種々 の程度に変性から壊死による消失までの変化がみられ,残 存する腺組織の多くは重層化し,腺腔の形態は固有のもの に比べて円形化していた間質組織も同様な平滑筋組織の 変性像がみられ,数例では部分的に変性,壊死の結果,同 部の癒痕硝子化がみられ また僅かであるがへモジデリン 頼粒を貧食したマクロファージの出現を伴う炎症病巣も認 められた7) 唯一癌の残存が認められた症例では.

6

ヶ所生 検の2本の一部にやや変性した癌細胞がみられた.

100  引)

~

80  ... 

70 

さ5 50 

帽 圃 園 田low幽 山 田 山Intermediate園 開 園 田hlgh 30 

20  10 

。 。

20  40  80  100  120  period(wk)

Fig. 3 Disease‑free survival rate based on risk group 

考 察

わが国における前立腺癌の頻度は急激に増加しており,

ここ20年間の前立腺癌死亡率の上昇は83%であり.部位別 癌の死亡数の増加比でも2015年には1995年の2.5倍になる と予測されている眠また血清前立腺特異抗原 (PSA)の 導入により,病期分布が変化し早期前立腺癌の割合が高く なり,それに伴って治療法の考え方にも変化がみられてい る.早期前立腺癌の治療法には内分泌療法もあるが,癌を 根治するためには放射線療法(体外照射,組織内照射)と 各種アプローチによる根治的前立腺摘除術がある しか

し放射線や手術による合併症,長期入院,高額な医療コ ストなどにより,より低侵襲治療が望まれてきた.限局性 前立腺癌に対してこれらの目的を満たす治療として,身 体に傷をつけずに治療できる高密度焦点式超音波治療が開 発され,ヨーロッパではAblathermHIFU device  (EDAP  Technomed. Lyon. France)によるHIFU療法が多施設で 行われ,良好な成績が報告されている5.11)当院では低侵

襲治療を目的として,限局性前立腺癌症例に対して希望者 にはソナブレート500を用いてHIFU療法を試みてきた.

治療は,腰椎麻酔で比較的安全に施行でき.HIFUの手 術時間は中央値174分であったが,これは内視鏡による観 察やカテーテル留置などの時間を含んで、おり,実際の照射 時間は52‑220分,中央値118分であった.HIFU照射時間 は照射する前立腺の体積に比例するので,大きい前立腺で は 長 時 間 を 要 し 内 分 泌 療 法 後 やTUR‑P後の症例では短 時間で施行可能であった.術後当日および翌日に問題とな る合併症は全くなく,このHIFU治療は侵襲の少ない安全 な治療と言える.術後10日一2週日の来院時にカテーテル抜 去 し そ の 時 に 排 尿 困 難 を 強 く 認 め る 症 例 で は さ ら に1週 間位留置しているので,カテーテル留置期間は中央値15日 であった.治療後のパルンカテーテル留置を行えば,後は 全く通常の生活が可能であり,当院では, これまで術前日 に入院,術後l日日より通常の生活にもどり,術後2日目に 退院と.3泊4日の入院にしているが,術中,術直後に問題 となる合併症は経験していないので,術当日入院,午後よ り腰麻にてHIFUを行い,翌日退院と1泊2日での治療も十 分可能と考えている.

術後の合併症は,カテーテル抜去直後の排尿障害が主な もので,文献に報告されているような尿道直腸痩1.11.12)は1 例も認めておらず,重篤な合併症はなく安全な治療と言え る.カテーテル抜去後の排尿困難は軽度のものを含め約

4

分の1の症例に認められた.これは前立腺全体を熱凝固壊 死させるため,初めは前立腺全体の浮腫,その後壊死物に よる閉塞, さらにその修復過程における跨脱頚部と括約筋 近くの前立腺部尿道の狭窄によるものと考えられる.その ような症例ではカテーテル抜去直後の尿閉時には注意して 尿道拡張やブジーを行わないと,偽尿道や尿道直腸療を形 成し易く,我々は必ず尿道鏡観察下に跨脱内に到達し,ガ イドワイヤーを用いて先穴バルーンカテーテルの留置を 行っている.癌の治療を最優先することが一番であること から,超音波照射範囲を狭めることはできないので,現在 は尿道への照射が過剰にならないように種々の工夫を行っ ている.多くの症例では,パルンカテーテル留置延長か尿 道鏡ブジーで術後3ヵ月までに改善し,以後比較的安定し た排尿状態が得られている.

6

ヵ月後には治療前の排尿状 態、に復したものや,むしろより改善した症例もみられた.

6ヵ月日の前立腺生検時に測定した前立腺体積は全例で縮

小しており,この時期の排尿状態は前立腺部尿道の狭窄が 残存すれば悪化し尿道の圧迫が軽くなれば改善するもの

と思われる.

治療効果については,まだ治療開始後2年半余りしか経 ておらず,癌の治療効果判定を論ずるにはfollow‑up期間 が不十分である.HIFU治療初期の経過として.6ヵ月以 上経過観察できた40症例のPSA値の変動をみると,グラ フには示していないが治療後1日 日 に 一 過 性 に 上 昇 し 術 前に内分泌療法を受けていた症例はその変化は僅かであっ た.その後低下してnadirは1‑5ヵ月(中央値1.5ヵ月)に 認められ.nadir値は大半で1ng/ml以下で、あったが,術前 の内分泌療法の影響もあると思われる.その後多少の増 減を示すも少しずつ上昇しており,最終PSA値は,全例 正常域であり1ng/ml未 満 が24例 (60%). 1‑4ng/ml未 満 が16例 と 良 好 な 成 績 で あ っ た ヨ ー ロ ッ パ で の 多 施 設 の 402例 (EDAP社製のAblathermmachine)の成績では,

平均1.4回の治療で、87.2%のnegativebiopsy rateが得られ,

low risk patients  (stageTl‑2a.  PSA壬6. Gleason score  壬7)では92.l%であったと報告印している.Blana131らの 146例 (PSA15ng/m,l Gleason score7)の成績では,

93.4%のnegativebiopsy rateで.87%がPSA1ng/ml以下で、

あった.我々の38例中37例が生検陰性で、97.4%のnegative biopsy rateは彼らの成績に勝るとも劣らず,良好な結果 で あ っ た Geletら9lJ)は,前立腺癌に対する放射線療法後 の効果判定基準であるAmericanSociety for  Therapeutic  and Oncology Consensus Panel  (ASTRO) 141を参考にし て, より厳しい効果判定基準を作製 (failureはPSA値にか かわらず術後の前立腺生検陽性あるいは前立腺生検陰性で も3団連続してPSA値が増加,その際.PSA velocity 0.75  ng/ml/年.Complete response はFailure以外とする)し,

限局性前立腺癌において62‑66%のCRを報告している.わ れわれと同じソナブレート500による内田の初期成績61で は.6ヵ月以上経過し前立腺生検が施行された56例では,

80%のCRが得られ.PSA

l O

ng/ml以下では96%. 20ng/ml  以下まで含めても93%のCRが得られたと報告している.

今回の我々の成績は40例中CRは34例 (85%)であり.risk  group別で、その成績をみると,やはりlowrisk  groupが良 好な成績であり.intermediateとhighrisk groupで、は差が 認められなかったが80%以上のCRrateを得ている.high  risk group  (PSA10. Gleason score7.T2bの内2項

日以上)では,現在前立腺周囲と精嚢の一部まで照射野を 拡大して治療成績向上に努めている.HIFU治療は前立腺 全体を強力超音波で熱凝固壊死する治療であるが,前立腺 は残っており.6ヵ月後の生検所見をみても熱に強い正常 前立腺組織は治療後少しずつ回復することから.ある程度 PSAは上昇すると考えられ.HIFU治療を考慮した治療効 果判定基準を作る必要があると考えている.HIFU前の内 分泌療法の有無による治療効果では,長期follow‑upでは 有意差がないと報告615)されており,今回の成績でも同様 であった.Risk groupの割合を見ると,今回の症例では,

low risk群は僅かに6例で、あり.intermediateとhighrisk群 が大半であり.low risk群が多ければCRrate はさらに上 昇すると思われる.4例に2度日のHIFUを施行しているが,

そのための特別な副作用は経験していない.そのうち2例 は当院でのHIFU治療の第1.2例日で,照射が不十分のた め追加治療を行い,他の2例ではPSAfailureと判定され初 回HIFU後8ヵ月後と15ヵ月後に再治療を行った.後者2例 はいずれもhighrisk groupで1例は6ヵ月日の生検陽性で もあった. この4例とも,再HIFU後10‑25ヵ月follow‑up、で PSA failureは認められず,生検も陰性であった.このよ

うにHIFU療法は再治療が比較的安全に施行でき,むしろ 前立腺体積の縮小により前立腺周囲まで照射できかっ照射 時間は短縮できている.尿道の過剰照射を避けることと,

high risk群の治療で、は前立腺近くの精嚢腺を含めて照射 野を少し拡大すれば,副作用の減少と治療成績の向上が得 られると考えている.また,放射線治療後の局所再発例に も応用され.salvage therapyとしても良好な成績が報告附 されており,今後他治療後の再発にも本療法は期待できる と思われる.

限局性前立腺癌に対するHIFU治療の特徴は (Table5).  身体を傷っけないため,出血や感染がほとんどなく,術 中,術直後の合併症も少なく安全な治療であり,入院期間

Table 5 限局性前立腺癌に対するHIFU療法の特徴 l 身体を傷つけない

2.出血,感染症などの合併症が少ない 3 腰椎麻酔で可能

4.手技の習得が他治療に比べ容易で,泌尿器科だけで施行できる 5.入院期聞が短い

6.  PSA上昇,再生検陽性の場合再治療可能ー精嚢へも照射可能 7.他治療の再発例にも施行でき,他治療への移行も可能

一全摘後の吻合部再発や放射線療法後の再発にも治療可能

限局性前立腺癌に対する経直腸的高密度焦点式超音波 (HIFU)療法

が短く,治療当日以外は通常の日常生活ができる.手技の 習得が他治療に比べ容易で,腰椎麻酔で可能であり泌尿器 科医一人でもできる.PSA failureがみられでも,他の治 療では難しい再治療が可能であり,また他治療の再発例に も可能で,さらに本療法後他治療への移行も可能で、ある.

以上よりHIFUは限局性前立腺癌に対する治療の選択肢の 一つであり,有効かっ低侵襲な治療になりうると思われ る.

文 献

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