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第 5 章  アンケート調査結果(2)−元留学生―

5.3  元留学生の職務内容

(1) 職種と対象地域 

  今回のアンケートに回答が得られた元留学生の場合、事務職と技術・研究職の割合がほ ぼ同数であった。大学時の専門分野の項目において、理工学系と人文社会科学系がほぼ同 数であったことから、同様の結果が得られたと考えられる。

図表 5‑7  元留学生の職種  

50.8%

46.0%

3.2% 0.0%

事務(総合)職 技術(総合)職 研究職 その他

N=64

   

また、業務上対象となっているエリアについては、76.6%が国内関連業務と海外関連業 務を兼務しており、そのうち 46.9%の元留学生は国内業務のほうが比重が高いことが明ら かとなった。 

図表 5‑8  元留学生の対象エリア  

12.5%

10.9%

46.9%

29.7%

国内向けの業務のみ 海外向けの業務のみ

国内と海外の業務で国内 の業務がメイン 国内と海外の業務で海外 の業務がメイン

N=64

(2) 業務内容 

業務としては、「開発・設計」が最も多く、次いで、「企画関連」となっている。具体的 な業務内容では、「通訳・翻訳」が多くなっており、特に元留学生の語学力(日本語力とそ れ以外の言語)に対する企業側の期待が大きいことと関連している。

 

図表 5‑9  元留学生の主な業務      図表 5‑10  具体的な業務内容

3 4 4 4 5 5 6 6 7 7 7 7 8 8 8 9 9

11 14

19 22

0 5 10 15 20 25

販売・購入の 計画立案 取引商品の

開拓・選定 工場業務 製造・

施工管理 販売・

仕入れ 決算・精算 庶務管理 工程管理 取引相手 の選定

契約 プ レゼン テーショ ン 照査・テスト 各種申請・

認可取得 事業計画・

予算管理 販促・

営業活動 商品企画 シミュレーショ ン

・解析 その他 検討書・

報告書の作成 技術改良 通訳・翻訳

2 3 3

4 5

7 8 8 8

9 11

13

17

0 5 10 15 20

法務事務 総務・庶務 広報・宣伝 購買・

原価管理 情報 システム 経理・会計

・財務 人事管理 研究・調査 製造・生産・

品質管理 販売・営業

その他 企画関連 開発・設計

(3) 就職時の問題点 

  日本企業に就職した際の問題点としては、「日本語」に関する項目が最も多かった。この 点は、外国人特有で課題であると同時に企業側が挙げている課題とも重複し、企業側、元 留学生側双方にとって「日本語能力」が日本企業で勤務する上での大きな課題として位置 づけられている。この点はヒアリング調査と同様の傾向といえる。

図表 5‑11  就職時の課題

0 5 5 5 6

7 7 8 8

10 12

13 17

18 22

25

0 5 10 15 20 25 30

その他 給与・賞与 転勤・転職 の相談 家族・子供

人事 評価制度 顧客対応 寮・社宅 日本語以外 の語学 時間外の 付き合い方 仕事の進め方 職場の 人間関係 電話応対 企業文化

・習慣 文化の違い

専門知識 日本語

N=168

(4) 元留学生活用に向けた課題 

  留学生が日本企業でより活躍できる環境を構築するために必要な項目として、「日本人社 員の異文化理解力」と「留学生を人材として活かす方法の共有・蓄積」が挙げられている。

外国人人材を受け入れるに際し、日本企業が組織的、制度的に受入可能な環境を早急に整 えるだけではなく、組織のマジョリティである日本人社員の意識変容、改革が急務といえ る。

図表 5‑12  留学生が日本企業で活躍するために必要な項目

2 7

11 11 12

14 18 18 18 18 19

21 25

31 34

0 5 10 15 20 25 30 35

その他 時間外の過ごし方に対する 理解 キャリアパス(社内ロ ーテーショ ン )の明示 研修メニューの充実 母国の宗教・風土・習慣への理解 仕事、プ ラ イ ベートに関し相談できる カ ウン セラ ーの配

職務内容の明確化 日常業務における 上司の丁寧なサポート 就職に関する 情報と機会の大幅な拡大 入社直後の仕事のやり方を OJT的に伝授 年功よ りも能力重視の評価・処遇体系 評価・処遇の透明性の確保 ビ ジネスに必要な日本語教育の充実 留学生を 人材として活かす方法の共有・蓄積(現場・人

事)

日本人社員の異文化理解力

N=259

(5) 在学中に必要な研修内容 

  在学中に必要な研修としては、企業担当者の回答と同様に、「ビジネス日本語」に関する 要望が圧倒的に多くなっている。

図表 5‑13  在学中に受講することが望ましい研修

1

11 20 20

24 25

26 27

41

0 10 20 30 40 50

その他 日本語以外 の語学 日本の企業文化

・商習慣 イ ン ターン シップ など の

就業の擬似体験 専門知識・技術 日本企業を 含む

業界知識 ビ ジネスマナー 日本の文化・社会に関する

一般教養的知識 ビ ジネス

日本語

N=195

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