Development of an open-source package - FinGreen3D for offshore floating renewable energy systems
第4節 代表的研究プロジェクトの実施状況
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晶(図2参照)を育成したところ、従来の太陽電池の平均的な変換効率である17%を2%上回る19%変換 効率の太陽電池を作成することに成功した。これは、九州大学とNIMSの共同研究の成果である。今後、
さらに結晶育成法を改良することにより、変換効率27%以上の太陽電池の実現を目指す。
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第2項 次世代型アクティブセンサ搭載衛星の複合解析による雲微物理特性・鉛直流解析
研究分野:大気物理学 (分野)理工系(数物系科学) [研究の背景・目的]
雲の物理特性は、地球放射収支や水循環と密接な関係があるが、大循環モデル(GCM)を用いた雲微物理 特性の再現性はモデル間で10倍以上の開きがある。また気候変動予測の不確定性の70%程度は雲が要因 であるとされる。2006年に雲レーダ搭載CloudSat衛星とライダ搭載のCALIPSO衛星による雲とエアロ ゾル観測が開始された。2018 年には高スペクトル分解機能を持つドップラーライダを搭載する
ADM-Aeolus衛星が観測を開始し、2021年度にはドップラー雲レーダと高分解ライダを搭載するEarthCARE衛
星の打ち上げが予定されている。EarthCARE衛星からは雲内部の鉛直流、雲微物理特性、雲・降水粒子の 質量フラックスの抽出が、ADM-Aeolus衛星からは水平風速の鉛直分布の抽出が期待されているが、それ らの抽出手法は確立していない。本課題では雲微物理・質量フラックス・鉛直流の全球分布と、水平風鉛 直シア相互作用の解明を目指す。そのため、衛星観測を包含する次世代型地上観測システムの構築を行 う。基盤研究(S)課題「次世代型アクティブセンサ搭載衛星の複合解析による雲微物理特性・鉛直流解析」
(JP17H06139)は、研究代表者 岡本、研究分担者 杉本(国立環境研究所)、石井(情報通信研究機構)、
佐藤(九州大学応力研)の体制で、2017年度から研究を開始した。
[研究の方法]
本研究では、従来の地上ライダの限界を大きく超え雲レーダとの同時検出可能な雲領域を拡大し、偏光機能 を世界で初めて実現した多視野角・多重散乱偏光ライダをベースに、新たにドップラー観測機能を持つ多重散 乱・ドップラーライダと、多重散乱型の多波長高スペクトル分解ライダを開発する。前者では波長355nmのド ップラーライダを多重散乱化することで、雲レーダとの2波長での雲同時ドップラー観測が実現する事になる
。後者の波長355nm, 532nm, 1064nmの多波長高スペクトル分解ライダの多重散乱化からは、光学的に厚い雲 域の詳細な雲粒子タイプ識別が可能となる。これら多視野角・多重散乱ライダ、多重散乱・ドップラーライダ
、多重散乱・多波長高スペクトル分解ライダとドップラー雲レーダの同時観測を実施する。高分解能で詳細な 雲粒子タイプの抽出、雲とエアロゾルの微物理特性と雲内鉛直流を解析する。この次世代型地上観測によって
EarthCARE 衛星と ADM-Aeolus衛星の観測条件を模擬し、衛星解析アルゴリズムの検証と開発を行う。
さらにEarthCARE 衛星解析から、水平10km以下のスケールで雲微物理特性、雲・降水粒子の質量フラ
ックス、そして雲内鉛直流の全球解析を実施する。ADM-Aeolus衛星解析から、水平風鉛直シア、雲とエ アロゾルの微物理特性の全球分布を解析する。
[期待される成果と意義]
地上と衛星ライダに存在するスケールギャップを埋め、
衛星解析技術の向上を狙う研究はこれまで例のない独自の ものである。雲レーダと多重散乱・ドップラーライダとい う異なる2波長で光学的に厚い雲のドップラー速度を観測 可能なシステムを構築し、雲微物理特性、粒子の落下速度 と大気の鉛直流の同時解析を可能とする。地上と衛星解析 から得られる物理量から雲パラメタリゼーションの検証と 高度化を狙う。
[研究期間]
2017年度 - 2021年度 研究組織
地球環境力学部門大気物理分野: 岡本 創、佐藤可織 所外共同研究者 5 名
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第3項 多波長ライダーと化学輸送モデルを統合したエアロゾル5次元同化に関する先導 的研究
アジア域は世界で一番大気汚染物質の排出の多い地域である。人間の生産活動による人為起源の排出 の他にも、森林火災などの自然現象に起因する大気微粒子の発生も無視できない。SO2排出に起因する硫 酸塩粒子は温暖化を制御する方向に、黒色炭素粒子(Black Carbon; BC)は温暖化を加速する方向へ作用 するが、正確な寄与の評価には高度分布の情報を含めて不確実さが多い。アジア域はこれ以外にも、鉱物 粒子(黄砂)や海塩粒子の寄与も大きい。エアロゾルの大気中の寿命は長くても1-2週間程度で時間・
空間的にも大きな変動を示す。アジアから地中海の上部対流圏から下部成層圏にかけては、散乱比で10%
を超える巨大な人為起源エアロゾル層の存在も報告されている。エアロゾルの温暖化への寄与の大きさ は 組成・粒径・分布高度にも深く関係することから、これらの情報を含む計測・モデル化が最重要であ るが、現状は不十分である。
科学研究費基盤研究S「多波長ライダーと化学輸送モデルを統合したエアロゾル5次元同化に関する 先導的研究」(2013年度から2017年度)では、アジア域の主要な大気汚染物質の発生源からの流れを把 握するために緯度帯 ・気候帯を代表する3地点(沖縄・福岡・富山)に多波長のラマン・ミー散乱ライ ダーを設置し、エアロゾル組成・空間分布の連続測定を行った。これらの観測データをもとに、黒色炭素
(BC)成分を含むエアロゾルの組成を高精度でリトリーバルするアルゴリズムを開発し、これらの観測 値を拘束条件として、多成分同時同化化学輸送インバースモデルを構築し、高精度のBCや人為起源エア ロゾルの時間・地点・組成分布の再解析データベースの構築を進めた(図1参照)。
ライダー観測と化学輸送モデルを結びつける観測オペレータを開発した。観測オペレータでは、化学輸 送モデルのシミュレーション結果から、多波長ラマンライダーと同じ、エアロゾル消散係数(2波長)、
後方散乱係数(3波長)、2偏光解消度の計7チャンネルの情報を再現できた。従来のミー理論に基づく 光学モデルを拡張させ、多波長ラマンライダーと地上のエアロゾル組成の同時観測によるエアロゾル種 の分類に基づいて、光学モデルを改良し、現実的な観測オペレータの構築が可能となった。さらに、デー タ同化技術を導入したエアロゾル同化・予測システムを開発した。構築したシステムを大規模黄砂イベン トに適用した。黄砂発生域と下流域の様々な観測データを用いた検証を行い、同化結果の妥当性を確認し た。モデル結果と観測結果の精度を確認しながら、構築した同化システムを多成分同時同化システムに拡 張し、MODIS衛星、地上ライダーとの比較も含めて、排出量インバースの高精度研究を発展させた。
図1:同化インバース解析の概念図.3地点のライダー計測から観測と整合的なエアロゾル分布・
排出量を逆推計する。
研究組織
地球環境力学部門大気環境モデリング分野: 鵜野 伊津志, 弓本 桂也、原 由香里 九州大学大気環境統合研究センター(現 中国大気研): PAN Xiaole
所外共同研究者 9名
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第4項 プラズマ乱流物理学推進の大型プロジェクト
【概要】
科研費特別推進研究「統合観測システムで解き明かす乱流プラズマの構造形成原理と機能発現機構」
(H29-33年度 代表者 藤澤彰英)のもと乱流プラズマの構造形成や機能発現の原理を解明することを目的 としたプロジェクトが進められている。このプロジェクトでは、核融合力学分野現有の直線プラズマ乱流統合
観測装置 PANTAに加えて、トーラス型プラズマ乱流統合観測装置 PLATOを製作中である。本ブループ
の伝統を踏襲して、このプロジェクトでは、上記の乱流観測に特化した実験装置を中心に、実験、理論、
シミュレーションの統合研究が進められている。また、本プロジェクトは、マスタープラン2018の重要 課題として採択されている「非平衡極限プラズマ全国共同連携ネットワーク研究計画」のプロトタイプと しても位置付けられる。そのほか、フランスCNRS・プロヴァンス大学(現在アクス・マルセイユ大学)・
大阪大学・核融合科学研究所と共同で設立予定の日仏連携研究所(LIA336の後継プロジェクト)の一旦 を担う計画でもある。
【研究の背景・目的】
プラズマは自然界の至る所に存在する物質の状態であり、その構造やダイナミクスを決定しているのが乱流で ある。実験室では、核融合を目指したプラズマの磁場閉じ込めの研究では乱流は特性を決めるものとして国際 的に半世紀以上にわたって研究されてきた。その結果、プラズマ乱流の新しい見方―乱流偏在とクロススケー ル結合の概念が提案され革新的な時代を迎えている。本研究の目的は、このパラダイムに基づいて、乱流プラ ズマの本質に迫り、その構造形成や機能発現の原理を解明することを目指している。まず、クロススケール結 合だが、乱流中の微視的な揺らぎがより大きな構造を創生し、微視的揺らぎを結びつけていることが知ら れている。その結果、プラズマ乱流は相関時間や距離より遠くでは独立である(局所仮説)とする見方か ら「プラズマ乱流はスケール間結合によって非局所的で大域相関を持つ」とする見方へと変化し、乱流プ ラズマの特性の理解は局所的知見からでは不十分であり大域相関こそが乱流プラズマの機能(閉じ込め 特性など)を決める重要な要素である。次に乱流偏在とは、磁場プラズマでは磁気面と呼ばれる曲面内に プラズマが閉じ込められ磁気面上で物理量は一定(磁気面仮説)と見做してきたのに対して、乱流ではこ の磁気面対称性は破れ、上下内外の非対称性(乱流偏在)が大域プラズマ流を誘起し局所乱流を再規定す る。この2つの概念が、今、乱流プラズマの構造や機能発現に多大な影響を与えることが知られており、
この概念のもと研究を進めるための実験が必要となっている。
【研究の方法】
本プロジェクトでは、プラズマ乱流研究に特化した新装置「プラズマ乱流統合観測システム」を製作するこ とで上記の要請に応える(図1参照)。この装置は、ミクロな揺らぎの時空間スケールでプラズマ乱流場全 域を局所精密に観測(大域局所精密観測)できる世界初のものとなる。これによって、スケール間結合の実 態や乱流偏在(あるいは対称性の破れ)を計測することで、実験的に乱流プラズマの構造形成や機能発現原 理を、理論・シミュレーションと協働し、探求する。その主役となる計測は、プラズマの発光を利用し無摂動 な多波長超多点乱流トモグラフィーである。この方法は、この課題の前身となる科研費(基盤研究A 23246162)
のプロジェクトにより、直線プラズマを対象としたプロトタイプを製作し原理実証されている(図2参照)。
さらに、この新しい計測システムに加え、局所的な精密計測に優れ、電場、磁場、密度を同時に観測できる卓 越した能力を有しており重イオンビームプローブ、そのほかマイクロ波計測などの無摂動計測装置を相補的 に用いることで総合的な乱流観測を実現する。
研究組織
核融合力学部門: 藤澤 彰英, 稲垣 滋, 永島 芳彦, 糟谷 直宏, 小菅 佑輔, 佐々木 真 所外共同研究者 3名他