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付 録

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 113-118)

付録 図1. 1回熱サイクルを与えたTi-51.00 at%Ni(線材)における母相のTEM観察 (a), (d): 転位のTEM-BF低倍像. (c), (f): (a), (d)の高倍像.

Ti-51 at%Ni(線材)を用いて, 熱サイクルによって導入される転位組織をTEM観察した. 沸騰水とメタ ノールと液体窒素を用い, Ms点直下まで冷却し, 部分的にマルテンサイト変態を生じさせた. 一回熱サイ クルを与えた後, Ms点以上で電解研磨を施した試料の, TEM観察結果を付録6図1.に示す. 2つの 領域を観察したが, TEM-BF像より分かるように, マルテンサイト変態により導入される転位は, ランダムに 形成するのではなく, 線方向が平行な帯状の分布を取ることが分かった.

次に, 熱サイクルを与えていない状態で, Ms点直下において電解研磨を行うことで, 熱サイクルを1回 与えた逆変態レリーフを作製し, TEM観察を行った. 観察結果を付録6図2.に示す. 逆変態レリーフに より, 観察領域には1つのHPVが形成していたことが分かる. 逆変態レリーフのトレースと, 転位を比較 してみると, 未変態の母相マルテンサイト変態の界面である晶癖面に沿うようにして形成している. また, 転位の線方向は, HPV内の格子不変変形である<011>Type II双晶界面に平行となっていることが分 かる.

また, 最後にMf点以下において電解研磨を行った試料をTEM観察し, 結果を付録6図3.に示す.

2HPVCと3HPVCの逆変態レリーフが形成していた領域を示したいる. どちらも, 付録6図2.と同様に,

晶癖面近傍に多くの転位が形成していることが分かる. どちらの自己調整構造においても, 共通して界 面I が存在するが, 晶癖面や他の界面に比較して, 転位の形成が少ない. また, 3HPVC においては, 界面Iに加え, 界面IIIおよびIVが存在するが, これらの界面には, 多くの転位が形成している. 自己 調整構造内のHPV同士の界面において, 無ひずみ状態(KC条件)あるいは双晶(双晶条件)となるた めには, HPVが回転する必要がある. HPVが回転するということは, 母相とマルテンサイト相の無ひずみ な界面であった晶癖面において, もはやKC条件を満たさないことになる. つまり, ある界面においてKC

付録 図2. 1回熱サイクルを与えたTi-51.00 at%Ni(線材)に おける逆変態レリーフのTEM観察

(a): TEM-BF像, (b): SAED像.

条件を満たそうとすると, 他の界面はKC条件を満たさない, ひずんだ界面となる. 晶癖面, 界面I, III, IVの4種類の界面を観察した結果, この中で界面Iの形成(KC条件の満足)が最も優先されることが 明らかとなった. その結果, 晶癖面などの他の界面はひずんだ界面となってしまうため, 転位が導入した と考察できる.

付録 図3. 1回熱サイクルを与えたTi-51.00 at%Ni(線材)における逆変態レリーフTEM観察

参考文献

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