第 5 章 CTA 大口径望遠鏡光電子増倍管の較正 64
5.9 今後
PACTAの取り付け間違ってしまった問題の解決、残るPMTの較正を終了させる事、
0p.e.付近の準弾性散乱成分解析の改善、測定精度・誤差の正しい評価が最重要の課題と なる。さらに今後7本のPMTモジュールを一組としたクラスター単位での較正を行う必 要があり、その体制作りを行う。
5.9.1 動作電圧の分布
今後のまだ済んでいないPACTAの取り付け(間違えたものの付け直しを含む)にも上 述の結果を考慮する必要がある。当初の計画ではHPKの動作電圧920 V までのPMTは ファクター3.5のPACTAを取り付ける予定だったが、その通りにすると動作電圧が1100 V を超えるPMTが多数出てくると思われる。融通の利く範囲で見直しを行う。
第 6 章 まとめ
近年ガンマ線による宇宙観測の技術が大きく進展し、非熱的宇宙の探求は宇宙物理学、
天文学におけるフロンティアとなっている。その中でも数十GeVから数百GeVのガンマ 線による観測は衛星観測では統計数の不足、地上チェレンコフ望遠鏡による観測ではチェ レンコフ光の密度が小さいことから比較的難しかった。次世代ガンマ線チェレンコフ望遠 鏡CTAは大口径の望遠鏡アレイ、高感度の光検出器を用いてこの領域でこれまでに無い 感度を実現しようとしている。一方フェルミ宇宙線望遠鏡については解析を改良しデータ を解析し直すことで統計を向上させようとしている。
フェルミ衛星のカロリーメータ単独解析の開発は観測されたデータの中でこれまで使わ れていなかったトラッカーの情報を持たないイベントからバックグラウンドを除去し新た なイベントクラスとして付け加えるものである。モンテカルロデータを用いてバックグラ ウンド排除のための多変量解析をトラッカーの情報が無いイベント向けに最適化した。結 果は地球周縁、ブレーザーMrk421付近の実データを用いて検証し、統計数を20-50%向 上させられる事、通常のイベントに比べ角度分解能は劣るがエネルギー分解能は優れてい る事を示した。
一方、CTAの焦点面検出器開発のため、光電子増倍管のゲインを最適化して時間特性の 改善を施したほか、全数較正を行うシステムを構築し、実際に較正を進めている。システ ムは多数の光電子増倍管を効率良く測定するため可能な限り自動化した。また、解析法に ついてもこれまでの方法で不十分だった準弾性散乱成分の考慮を行い、短時間の測定デー タでも正確な値が出せるようにしている。較正の結果得られたゲイン4万を与える動作電 圧は浜松ホトニクスの測定値より低く分布しており、我々が必要とするパルス光でのゲイ ンとDC光でのゲインで差がある可能性がある。較正作業はまだ完了していないが今後も 取り組み、感度の高い焦点面検出器の実現につなげる。
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