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第 5 章 CTA 大口径望遠鏡光電子増倍管の較正 64

5.6 結果

5.6.3 ゲイン vs. 印加電圧曲線・動作電圧

Charge [mV ns]

20 40 60 80 100 120 140 160

10-5

10-4

10-3

10-2

図5.31: PMT ZQ7532のSingle p.e.測定でゲインが低く出ているケースの出力電荷分布。

図 5.32: 較正で得られたゲイン vs. 印加電圧曲線を4本の PMTについて示した。

Power law index

4 4.2 4.4 4.6 4.8 5 5.2

Serial No.

3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000

PMT generation vs. Gain curve power law index

図5.33: 横軸はフィッティング関数(5.7)のべき指数。縦軸はPMT R11920-100のシリア ル番号で、上に行くほど最近製造されたものである。

Operation voltage at HPK [V]

840 860 880 900 920 940 960 980 1000 1020

Operation voltage at ICRR [V]

940 960 980 1000 1020 1040 1060 1080 1100 1120 1140

Attenuation factor 1.0

2.0 3.5

Operation voltage (Gain=40000)

図5.34: 横軸と縦軸にそれぞれHPKと今回の較正で測定したゲイン4万を与える動作電

圧を示した。また、赤、青、緑色はそれぞれPACTAの信号分割係数が1.0, 2.0, 3.5 であ ることを示す。

この変更はべき指数には製造時期によって顕著な違いがある事が判明したことによる。PMT 先に製造されたものから順にシリアル番号が振られているが、およそシリアル番号5500 を境に、べきの平均値が約4.8 から 約4.4にシフトしていた。これは CTA側からの要求 によりゲイン引き下げのための製造工程変更があった事に伴うものと考えられる。この変 化をそのまま(5.1)にあてはめると信号分割適用後の動作電圧に5 - 10 Vほどの違いが生 じることになる。しかし、関数を(5.7)に変更しパラメータを増やしてフィッティングし 直すと他の2つのパラメータに吸収され動作電圧への影響は小さい事が分かった。図5.33 に示したのは(5.7)でフィッティングして得られたべき指数である。シリアル番号5500あ たりを境にべき指数が小さい方へシフトしている。

このフィッティング曲線から求めた動作電圧をHPK 提供のデータシートの値に対して 示したのが図5.34である。HPKによる動作電圧が同じPMT であっても、較正の結果得 られた値はかなり散らばっている事がわかる。

図5.35にはシリアル番号が小さいものと大きいものの違いを示した。オレンジとシア ンの直線はHPKによる動作電圧値に基づき、信号分割を施した PMTモジュールの動作 電圧を推定したものである。関数型は(5.7)である。パラメータは較正を行ったPMTの シリアルの小さいものと大きいものについてゲイン vs. 印加電圧曲線のフィッティング結 果の中央値をそれぞれ代入した。マゼンタの直線は信号を減衰させていない場合を表す。

Operation voltage at HPK [V]

840 860 880 900 920 940 960 980 1000 1020

Operation voltage at ICRR [V]

940 960 980 1000 1020 1040 1060 1080 1100 1120 1140

PMT serial No.

<= 5500

> 5500 Expected

<= 5500

> 5500

Operation voltage (Gain=40000)

図 5.35: 赤い点はシリアル番号が5500以下のPMT、青い点は5500より大きいPMTで ある。また直線はデータシートの値から信号分割を施した後の動作電圧を推定したもので ある。

HPKの測定と一致していれば点はこれらの直線の周辺に分布するはずである。しかし実 際に得られた PMT の動作電圧は直線よりも高い値を中心に分布していた。一方、シリ アル番号による分布の違いは、製造時期が後になると動作電圧が高くなる傾向にある事に よる。較正による値とデータシートの値との関係という点では分布のばらつきと比べ測定 点、予測ラインともにシリアル番号による大きな違いは見られない。そのため以降は区別 せず扱うものとする。

次に、HGとLGを用いた測定とHGのみによる測定の違いを図5.36に示した。HGと LGを用いたPMTを表す赤い点が、HGのみを較正に用いたPMTの青い点よりも高い値 に分布する傾向が見て取れる。またマゼンタの直線は(5.7)のパラメータに較正を行った PMT全体のフィッティング結果の中央値を代入したものである。わかりやすくするため、

次の図5.37と5.38に各PMTの較正結果による動作電圧と推定直線にHPKによる動作電 圧を代入して得られた値との差の割合をヒストグラムにして示した。両者の間にオフセッ トがある事が分かる。また、それぞれにおいて標準偏差は 1.2%程度である。