第 7 章 おわりに 44
7.2 今後の課題,展望
であると考えられるので,UI面を改良して使いやすくする必要がある.また,本人が問 題に気付くことができても,最終的にはそれを解決できなければならないため,そのた めの支援も盛り込むことができればより良いシステムとして発展できるだろう.
また,本システムはディアボロ以外にも活用できると考えられ,他の道具についても 効果が期待できる.さらにジャグリングの枠に収まらず,道具を使う競技,身体を動か すスポーツ等さまざまな拡張性を秘めている.軌道という目に見えないものを視覚化す ることで得られる効果について,さまざまな知見から考察が期待できると考える.
謝辞
まずは,本研究を進めるにあたり実験器材や資料の購入に加えて,実験の方針・内容 に関して非常に多くのご指導を賜りました伊藤毅志先生には心よりの感謝を申し上げま す.そして,伊藤毅志研究室のみなさまにも多くのご助力をいただいたこと深く御礼を 申し上げます.
また,忙しい中快く実験に協力してくださった電気通信大学ジャグリングサークル Pas-sageの被験者みなさまにも御礼を申し上げます.
参考文献
[1] JJF2014 チャンピオンシップ開催要項,
http://www.juggling.jp/championship/2014/requirements.html (2014-07-15) [2] 杉原 隆:『運動指導の心理学』,大修館書店(2003)
[3] OpenCV , http://opencv.org/(2014-07-15)
[4] Adams, J. A.(1971), Aclosed-loop theory of motor learning,Journal of Motor Be-havior, 3: 111-149.
[5] Schmidt, R. A.(1975), A schema theory of discrete motorskill learning, Pscycholgical Review, 82:225-260.
[6] 星野 公夫:『スポーツ指導における動作法』,成瀬悟策編『教育臨床動作法』至文堂,
p.p. 70 -79(1992)
[7] 北村 勝朗:『ICTを活用して体の動きを学ぶ』,東北大学大学院教育情報学研究部編
『高度情報化時代の「学び」と教育』東北大学出版会,p.p.269 - 287(2011)
[8] 諏訪 正樹:『身体知獲得のツールとしてのメタ認知的言語化』,人工知能学会誌,20 巻5号,p.p.525 - 532(2005)
[9] 田中 彰吾,小河原 慶太:『身体知の形成―ボールジャグリング学習過程の分析―』,
人体科学会,20巻1号,p.p.69 - 82(2010-05-30)
[10] 大平 道介,水戸 和幸,板倉 直明:『動作解析によるボールジャグリング習得過程の 分析』,平成25年電気学会電子・情報・システム部門大会講演論文集,13巻10号,
p.p.1082 - 1085(2013-09-04)
[11] 磯部 拓海,新谷 誠:『動画からサイトスワップを算出する方法の研究』,エンター テイメントと認知科学シンポジウム発表論文集,p.p. 25 - 28,(2014)
[12] 長岡 俊男,伊藤 毅志:『Kinectを用いたジャグリングの技判定システムの構築とそ の改良』,エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集,2013 巻,p.p.182 - 187,(2013-09-27)
[13] 佐藤 克美,渡部 真一:『モーションキャプチャを活用した教育』,東北大学大学院 教育情報学研究部編『高度情報化時代の「学び」と教育』東北大学出版会,p.p.289 -309(2011)
[14] 佐川 貢一,阿保 萩子,塚本 利昭,近藤 和泉:『装着型センサによる投球フォーム前 腕の軌道推定』,日本機械学會論文集. C編,74巻738号,p.p.400 - 408 (2008-02-25) [15] 熊田 健作,臼井 温,近藤 克哉:『Kinectセンサとパーティクルフィルタによるゴル フスイング時のグリップ追跡』,電子情報通信学会技術研究報告. SIS,スマートイン フォメディアシステム,112巻78号, p.p.65 - 70(2012-06-07)
[16] 中村 薫,田中 和希,宮城 英人:『KINECT for Windows SDKプログラミングC#編』
株式会社ゲッシュ(2012)
[17] Kinect SDK付属のドキュメント,
- http://msdn.microsoft.com/en-us/library/hh855347.aspx
[18] ソアリン ハードタイプ - ジャグリングショップRADFACTOR,
- http://radfactor.shop-pro.jp/?pid=35311954 (2014-01-29)
付録
付録 A 実験後アンケート
付録 B アンケート回答
表B-1: 被験者A〜Dのアンケート回答
A B C D
性別 女性 男性 男性 男性
年齢 22歳 21歳 21歳 19歳
ジャグリング歴 3年2か月 2年9か月 1年8か月 10か月 使用道具 ディアボロ,ぐるディア クラブ,ボール[,ディアボ
ロ]
ディアボロ ディアボロ
練習頻度 10日に1回くらい 週3回 ほぼ毎日 週3,4回
普段のフィードバック 法
人に見てもらう 人に見てもらう カメラによる動画,鏡 鏡,人に見てもらう
普段の練習で目指して いる演技
綺麗に見えるように.道具 も体も
[ゴリゴリしつつも面白い,
間にすごい技が入る]
[技術面の上達がモチベーシ ョン]
できないことをできるよう にして成功率を高める 普段の練習中に知りた
い情報
自分の体や,ディア,スティ ックの動きがどうなっている
か
道具の軌道,手の軌道,体の ブレ
ピルエット中に道具を見失 う
手の動き,人から見た見栄 え
システムの評価(5段 階評価)
5 5 5 5
道具の軌道描画につい て
とても面白い.[良くも悪く も]自分で思っていたのと違 った
ディアボロという道具の特 性上きれいな円になってい るか見えたのがとても良かっ た
自分のイメージと照らし合 わせながらなので,さらに 効率が良いと感じた
特に意識しなくてもきれい な軌道になっているのがわ かってよかった
関節の軌道描画につい て
[手とかに意識できた] ひじや肩が動いてるかどう
かがトス系の練習に使えそ う
今回使用はしなかったが,あ ると便利だと思った
手の動き方が明確になって 新しい発見があった
奥行きの表示について 精度が良ければとても役に
立つと思う
同上 あまり見ていなかったが,や
る技によっては重要だと思 う
速さの色分けについて [面白かった,スピードルー プが理論通りになっている ことが確かめられた]
ディアボロよりポイとかで 役に立ちそう
緩急がひと目でわかるので 良いと思った
道具を早く動かしているタ イミングがわかった面白かっ た
その他の機能について 色々な部分の軌道が同時に
見れて良かった こういったシステムが
あったら使いたいか
[面倒でなければ使いたい] 使いたい 使いたい 使いたい
システムに欲しい機能 [スティックも取りたい] 体の軸がぶれているかわか る機能,スティックの軌道や 動きの確認
スティックも軌道がわかると 嬉しい
もう少し細かく軌道が表示 できれば良いなと思った
システムの使用前後で 変わったこと
ディアのきせきが汚い技を,
きれいにできるように心が けようと思った
技の軌道を気にするように なった
[2ディアのサンの巻き込み で腕の動きも合わせてみれ ばよかったのかも]
安定感がなかった技のダメ だった点がわかり,改善する ことができた
口頭質問による補足は中括弧([ ])にて表記した.