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今後の検討課題

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第1章 課題の現状と援助動向 1. 課題の概観

P) と呼ばれている。これらの対策を途上国で普及するためには、対策の内容と効果に関する情報 の普及、具体的な工場等に対する技術相談の実施、必要となる資金の融資等の支援が必要となる。

3. 今後の検討課題

CPの実施の方法には施策、技術の面で多様なものがあるので、方法論の分析がさらに必要であ る。

(主要参照文献)

連携促進委員会(クリーナープロダクション)報告書、国際協力事業団、2001年5月

付録 7.クリーナープロダクション

添付資料1:JICAの協力実績

1.CPにかかる開発調査、プロジェクト方式技術協力

(1)コロンビア・ボゴタ市クリーナープロダクション技術の推進による産業公害低減調査(開発調 査)

相手国実施機関 ボゴタ市環境局(DAMA)

調査期間 1998年10月~1999年8月

要請の背景 ボゴタ市における廃棄物の問題(産業廃棄物が一般廃棄物と同様に処理され、

有害物質の侵出・蒸発により、大気、水、土壌等に悪影響を及ぼしている)の 解決が急務となっている。

調査の目的 綿織物、油脂精製、石鹸製造、メッキの4業種に対し、CP技術及びEOP技術の導 入を検討、指導し、あわせてボゴタ市環境局へ産業公害低減政策について提言 すること。

調査内容・項目 ・対象4業種工場訪問調査(各サブセクター10工場)と簡易改善提言

・モデル工場に対しCP技術、EOP技術導入のための提言

・セミナー開催による技術の紹介、移転

・産業公害低減のための政策・施策の提言、サブセクター別の産業公害提言計 画作成

調査結果(一部) CP技術推進ポテンシャル 1)生産管理面の改善余地がある

2)繊維サブセクターでは、廃熱回収の設備投資による省エネルギー効果、浴比 管理による排水推量の低減効果が期待できる。

3)油脂精製・石鹸サブセクターでは工程が単純であるため、CPの内容は、液漏 れ対策が重要である。

4)メッキサブセクターでは、水洗水の中和再利用による水使用量の大幅削減が 期待できる。

5)メッキ工業団地計画を推進すべきである。

排水課徴金制度・罰則

公共用水域に放流する排水には課徴金が徴収されることになっているが、排水 基準値までを対象にしており、それ以上については課徴金は徴収されない。課 徴金の算定にあたっては、汚染負荷をベースにしているが、支払額は中小企業 で600ペソ/月程度で上水道料金の1%にすぎない。

罰金の徴収は実際には行われていないため、基準値を守らない方が得になる。

提言内容

1)国レベル、自治体レベルでの環境基準、排水基準の見直し、法執行の適正 化

2)産業公害提言のための財政支援・優遇措置、公害防止管理者資格制度、表彰 制度など

3)クリーナープロダクションセンター活動の推進

付録 7.クリーナープロダクション 4)環境改善のための官民のワーキンググループ設置

5)環境負荷提言技術情報の収集及び配布 6)中小企業に対する公共処理システムの提供

7)実際の工場をモデルとした、クリーナープロダクション技術及びエンド・オ ブ・パイプ処理改善の実証と必要な要素技術の提言など

(2)ヴィエトナム・産業公害対策マスタープラン調査(産業廃水)(開発調査)

相手国実施機関 工業省 (Ministry of Industry) 調査期間 1999 年 10 月~2000 年 9 月

要請の背景 ヴィエトナムでは南北統一以降、社会主義計画経済のもとに重工業を中心とした 工業化が行なわれる中で、産業公害の進行が指摘されている。

1994 年環境法を施行、対策に取り組んでいるが、これまでの各国や国際機関の協 力が科学技術環境省と環境庁に集中していることもあり、環境管理体制に比べ、

企業の産業公害対策を支援・促進するべき工業省の環境問題への取り組みは遅れ ている。

調査の目的 ヴィエトナムにおける産業公害対策を促進するための枠組み・戦略づくりを目的 とし、次の 2 点を本件調査の主なアウトプットとする。

・産業公害対策に係る戦略の提言

・対策方法、技術ニーズ、資金需要等に関して、訪問調査先企業に提言

付録 7.クリーナープロダクション 調査内容・項目 ・政府・大学・業界団体等関係機関への訪問調査

・当面の改善点の提案と、CP および EOP 技術導入計画提言を目的とした、汚染企 業 5 業種(繊維・縫製、化学、紙・パルプ、食品加工、金属加工)計約 100 社の 工場訪問調査(ケーススタディー)

・産業公害対策に係わる戦略策定 調査結果(一部) 企業における生産管理・環境管理の欠如

企業においては、利益に関係する生産状況についてさえも、原料、副資材および 原燃料等の投入、製品転化率等の基本的なデータも取られていない場合が多い。

当然、排水中の汚染物質の量も把握されていないのがほとんどである。

企業における公害防止対策の遅延

企業における公害防止対策は非常に遅れており、調査対象企業の中で排水基準を 満たしている企業は 10%にも達していなかった。

この直接的な要因としては;

a) 排水処理装置を保有していない 。

b) 排水処理装置はあるが、運転ノウハウの不足で稼働していない。

c) CP 技術の採用が遅れている 。 d) 設備の保守点検がなされていない。

この直接的な要因の原因として共通しているものは;

a) 企業の収益力が弱くコスト負担に耐えられない。

b) 技術力がなく対策の実行方法が不明で、技術指導をする専門家や情報がない 。 c) 規制の罰則が弱い 。

d) 企業の収益力の弱さを補う、公害防止投資に対する金融、税制等の支援施策が 存在しない 。

(3)チリ・リーチング工場環境配慮型操業改善計画調査(開発調査)

相手国実施機関 鉱業公社

調査期間 1999 年 10 月~2002 年 10 月

要請の背景 銅生産に伴う工場廃液などの環境問題が社会問題となりつつある。このため、チ リ政府は、選鉱場等の効率改善、環境対策を積極的に進める意向である。現状で は、酸化鉱についてはリーチング工程による処理を行っているが、リーチング廃 液を循環再利用せず、廃さいダムあるいは自然界に廃棄しているため、環境への 負荷が増大している。

調査の目的 鉱業プロセスに環境調和型操業技術を導入することを目的として、

リーチング工場における廃液処理に微生物処理技術を用いた設備を 導入するための F/S 調査を実施し、その結果を基にチリ国の類似工 場、工程への本技術の普及計画を作成する。

付録 7.クリーナープロダクション 調査内容・項目 (1) 微生物処理技術を用いた廃液処理モデルプラントの設置

(2) 対象工場の操業診断、環境診断 (3) フルスケールプラントの F/S 調査 (4) 本技術普及のための M/P 策定 (5) 結論と提言

(4)マレイシア・クリーナープロダクション振興計画(開発調査)

相手国実施機関 マレイシア標準工業研究所(SIRIM Berhad)

調査期間 2000 年 10 月~2002 年 9 月

要請の背景 マレイシア国政府は、環境負荷の小さい生産技術の普及促進を目指しており、第7 次マレイシア計画でもクリーナーテクノロジーの推進を挙げている。

SIRIM では、クリーナーテクノロジーに係る企業へのサービスを提供しているが、

能力の向上を必要としている。

調査の目的 CP に関わる機関・人材の育成、CP 普及のための施策及びアクションプランの提案 により、マレイシア国において CP の普及をはかり、さらには産業公害の提言に資 することを目的とする。

調査内容・項目 ・公害防止(リサイクルを含む)、生産性向上に係る現状調査

・4業種(金属加工、食品加工、紙パルプ、繊維)計 20 工場に対する訪問調査

・CP の普及活動の試験的実施

―モデル工場における CP 技術のデモンストレーション

―セミナー

―パンフレット

―CP 技術のデータベース作成

・ 企業や民間団体による CP の普及方法の検討

・CP 普及のための提言・アクションプランの作成 調査結果(一部) CP 普及のための課題

マレイシアにおける CP 普及の進捗は限られ、特に中小企業では さまざまな要因で限定的である。企業で CP が実行されるまでには、

CP の導入意思、CP 対策の遂行能力、CP の便益に対する確信、お よび資金手当という 4 段階の障害が克服されなければならない。

環境規制に関わる問題点

1)Environmental Quality Act,1974 には CP 促進に関連した条項はあるが、現在 実質的に施行されていない。

2)規制基準を守るため工場に対する投資が必要である。しかし改造に必要な設計 と資金調達には時間がかかるため、基準が守られていないケースがある。

3)環境局(DOE)による規制施行の強化は必要であるが、施行の実施と関連施設訪 問には費用がかかる。予算上の解決が必要である。

付録 7.クリーナープロダクション 4)省電力規制の原案は策定できたが施行されていない。

5)マレイシアでは経済的手法が有効であるが、広く用いるには、おのおの個別に 制度の構築が必要となり、現状では限界がある。今後政府主導で、制度の整備が必 要である。

提言内容

CP の普及に関し、以下の項目からなる一連の施策を提案。

1)CP に関する国家戦略/政策の策定

2)意識高揚キャンペーン、ネットワーク形成および情報普及 3)CP 技術/サービスへのアクセス改善

4)優遇措置 5)規制体系の強化

6)キャパシティビルディング

(5)フィリピン・産業環境マネジメント調査(開発調査)

相手国実施機関 貿易産業省投資委員会(BOI)

調査期間 2002 年 2 月~2003 年 7 月

要請の背景 大気汚染、水質汚染、固形産業廃棄物等の環境管理が十分に行われていない現状 がある。

環境天然資源省環境局は規制官庁に特化しており、民間セクターに対する環境マ ネジメントの協力は、BOI のような投資促進機関が、企業との適切なコミュニケー ションをもつことができる。

調査の目的 企業、投資家に産業環境管理を促進するための、1)アクションプランの策定、

2)BOI 他産業環境管理関係機関の能力強化を行う。

調査内容・項目 1.調査地域

対象地域:ルソン、ビサヤ地域の agri-business sector を含む製造業の中心地 2.調査項目

(1)産業環境管理の現状分析

1)中央政府、業界団体、工業団地等、官民の当該分野関係機関の権限・役割・能 力等を把握する。

2)上記関係機関が現在行っている施策・取り組みを把握する。

3)民間セクターにおける産業環境管理の実態を把握する。

4)関連分野のプロジェクトの実績、成果、教訓を把握する。

(2)優先分野の特定

コストベネフィットを考慮して、優先して取り組むべき分野を明らかにする。

(3)関係機関における産業環境管理振興施策の特定 1)関係機関に各種の産業環境管理施策を広める。

2)環境管理施策の効果、優先順位を評価する。

3)パイロットプロジェクトをデザイン・実施する。

(4)政策提言・アクションプランの策定

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