3 年
ある地域に住む 3 人は地域に対する関心が低かった.地域の福祉が遅れ
2003
年
4月から社会福祉の制度が支援費制度に変わった.メールな どでも情報が飛び交う現在では,地域福祉の格差は簡単に知ることがで きるようになった.どのような支援がどのように必要なのかを知ること から,援助は始まる.そのためにはまず,福祉の現場に知的障害者がど のような人であるのかを理解できる心理の専門職の配置が必要である と考える.心理職,医師,教師,自立生活支援センターの職員や現場の 社会福祉士に加えて,
Schwartz(
1992)が「地域の中で援助を作り出 していく」といった地域住民あるいは市民つまり,地域の援助ができる 人々との連携を構築していくことこそが障害を持つ人の生活の質を保 証し,高めていくことにつながる解決の道であると考える.わが国にお ける今後の動きが注視される問題を多く含んでいるといわざるを得な い.
(7)質問項目 9
[
質問項目
9]については,全員が「居住の場」「サポートの内容」「コ ミュニティ」を念頭において語っていたことがわかった.国際障害者年 の
1981年以来,障害者へ視線が注がれるようになり,近年では「施設 から住み慣れたグループホームへ」のスローガンのもと,知的障害者の 生活に対する改善の動きが多くみられることに関連があると思われる.
そのことはわが国において知的障害者の生活の質にようやく関心が向
けられるようになってきたことのあらわれともいえるだろう.とくにグ
ループホームへの関心は高く,
11人が期待をしていた.やはり親亡き
後を視座にいれたこれからの生活を親として真剣に考えざるを得ない
状況にあると考えられる.
(8)質問項目 10
[
質問項目
10]については,それぞれの考えが披瀝された.「知的障害 を持つ子どもにとって自立の意味をどうとらえるか」ということから,
さまざまな考えがあったと思われる.自立は難しいという人は自立を社 会的な文脈であてはめとらえているようであった.また,子どもは現在 自立できていると答えた人も
3人いた.この
3人は自立の意味を誰かの 力=援助を借りて生きていくことであるといい,その人に合わせた個人 の文脈でとらえていた.
このように障害を持つ子どもをある時点から,援助の必要な大人とい う客観的な視点で見ることが親にとっても重要ではないだろうかと考 える.親が子どもと別離を迎えるときが必ず来るとしたら,どこかで子 どもを客観視できるだけの力が親には要るのではないだろうか.
(9)質問項目 11
[
質問項目
11]については,自分に対して肯定的な見方をしている人が
87%いた.障害を持つ子どもの誕生から
15年以上たち,困難な子育て を経験してきている親が事実を超えた世界観を提示していると考える ことができる.このことは,多くの親が心理的な安定を得て,子育てに 意味を見出しているということであろう.
Erikson(
1964)や
Mayeroff(
1971)が指摘した通り,ケアすることによって生きることの意味を見
出していることと符合している.子どもが発達していく時間軸は親のほ
毎日の経験を積み上げてきたところに自尊感情も好転し,親自身が自己 実現していく例も見ることができ,親の今後の心理的援助に多くの示唆 を与えていると考えられる.
第9項
[質問項目
12][
質問項目
12]については,心理面,地域面,援助面について分類が できた.現状では親子同居型が
11人いるが,将来はグループホームや 本人の希望する生活の選択を考えていると全員が答えた.収容型の大規 模定員施設を希望する人は一人もいなかった.また,このことから全員 が地域生活を念頭においていることもわかった.しかし,親亡き後はグ ループホームで自立生活をさせたいと答えた半数以上の親は,精神的な 支援では,障害を持つ人の兄弟姉妹に依存したいといっており,法人が 運営し親代わりの世話人がいるグループホームが,現状では親の安心を 保証するものではないことがわかった.
心理面では
77歳のBさんが自分の死後,子どもが心理的危機に陥る
ドキュメント内
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