通勤・通学・通院などの日常生活に密接に関わるバス路線網は、交通弱者の移動手段や、今回の震災でも鉄道網が寸断された代替交通ルートとして重要な役割を担った
阿武隈急行は3月19日からは全社員による復 旧作業を開始した。結果的に、全線復旧まで 約2カ月を要した。写真は、二井田駅~新田 駅間の復旧作業の様子。施設などの被害は、
軌道・土木構造物、電気設備や駅舎等366カ 所で、被害総額は約4億3,000万円に達した
たした。
福島交通は、4月8日より新学期を迎える中 で、運休中の阿武隈急行の代替手段として、阿 武隈急行沿線の5路線(月の輪経由梁川、月の 輪経由保原、伊達、伊達経由保原、上ケ戸経由 掛田)の運賃上限を500円にするサービスを開 始した。
その後、鉄道は、4月21日に東北本線が、4 月29日には東北新幹線が再開し、市内を走る阿 武隈急行は5月16日に全線で運行が再開された。
支援物資 届く・届ける
震災発生直後から、伊達市には各地から支援 物資や支援の申し出が相次いだ。平成23年3月 12日には山形県米沢市から飲料水(2㍑ペット ボトル600本)の支援申し出があった。13日の 災害対策本部会議では、各機関から支援物資が 届き始めていることから、保原本庁舎シルク ホールを物資の集配拠点場所として利用するこ ととした。また、着の身着のまま避難してきた 相双地域からの避難者受け入れのため、消防団 広報車で市民へ毛布の提供を呼びかけ、各支所 に多くの市民から毛布が届けられた。19日の会 議では相馬市、新地町等への支援について協議 した。
20日、島根県出雲市・斐川町から12㌧トラッ ク2台分の支援物資(マスク、割りばし、乾麺等)
が到着。この日の災害対策本部会議で、伊達市 に対する支援物資の取り扱いについて、避難所 分と相馬地区へ支援物資として送る分の配分・
作業計画を協議した。翌21日には相馬市と新地 町へ4㌧車2台分のコメを届けた。23日には、
出雲市から10㌧トラック1台分の支援物資(石
鹸、カイロ、紙皿等)、JA島根中央会からコメ 7㌧等が届き、相馬市へコメ3㌧を発送した。
4月2日には北海道松前町からも飲料水、トイ レットペーパー、乾麺等の支援物資が届けられ た。
支援物資の効率的な入庫・出庫・配送を行う ための今後の対策として、1~2カ所の物資集 配拠点をあらかじめ指定しておくとともに、集 配拠点に集められた支援物資は、民間事業者へ の委託等で、そのノウハウを活用した効率的な 物資配送システムを構築することも検討してい く必要がある。
支援物資を積んで相馬市と新地町に向 けて保原本庁舎を出発するトラック
到着した支援物資を保原本庁舎へ 搬入する市職員とボランティア
巨 大 地 震 災 害 へ の 対 応
東日本大震災による被災に対して、全国の各 自治体や企業、団体をはじめ、個人の方々から も、多くの支援物資をいただきました。
水や食料品はもちろん、衣料品から医薬品、
そして家電製品など約400品目以上の物資の提 供があり、これらは市内各地に開設された避難 所へ配送し、被災者の皆様の避難生活に大いに 役立ちました。
皆様からの多大なる ご支援ありがとう
ございました
だて青年会議所(平成23年3月17日)
北海道松前町(4月2日)
岡山県総社市(3月20日) 出雲市・JA島根中央会(3月23日)
島根県出雲市・斐川町(3月20日)
仕分け、炊き出し
災害ボランティア活躍
市災害対策本部と被害情報の把握・共有を図 りながら、震災発生1週間後の平成23年3月17 日、伊達市社会福祉協議会本所に「伊達市災害 ボランティアセンター」を設置して、市社協5 支所一丸となりボランティアの募集と派遣業務 にあたった。
3月中は、中学、高校、大学の学生や、仕事 が自宅待機となった20~30代の会社員、さらに は、理容師や整体師、看護師の資格を持つ人が 次々とボランティアセンターへの登録を行っ た。結果、4月30日の受付終了までに1,211人 が登録を行い、「登録者1回以上の活動」をモッ トーに、延べ1,580人が各種活動にあたった。
災害発生直後からライフライン復旧までの間 は、民生委員とともに要援護者の安否確認を行 いながら事業所の早期再開に努め、ライフライ ン復旧後は、相双地域からの避難者のニーズと、
高齢者・障がい者世帯を中心とした地元市民か
らのニーズ(がれきの片付け等)への対応に重 点を置いた。
災害ボランティアのニーズは、避難所の縮小 に伴って落ち着き、5月以降は新規の受付を見 合わせ、地元の登録者を中心に、復興ボランティ アセンターとして、市内にある飯舘村仮設住宅 の入居者、相双地域からの借上げ住宅入居者を 対象に、夏祭りなどの各種行事や定期的なサロ ンの開催などを通して、社会的孤立の防止等の 支援にあたった。
梁川体育館
春休み中の中学生による避難所のこども達と の「遊び相手ボランティア」
中高生をはじめとした市民による支援物資仕 分けボランティア(保原本庁舎シルクホール)
巨 大 地 震 災 害 へ の 対 応
梁川体育館 伊達ケアセンター和らぎ
伊達体育館
大小なかよし会(梁川町山舟生地区)
相双地域からの避難者へ汁物をふるまう
「炊き出しボランティア」
介護員が不足しているなか高齢者を 見守る「傾聴ボランティア」
理美容組合による「床屋ボランティア」
地元の絆を大切にする人、「自分のできること」をもっ てボランティアセンターへ手を挙げてくれる人が増え てきた結果、身近な所に集う『地域サロン』が、震災 後約40ヵ所も立ち上がった
一人暮らし高齢者の食料品の買い出しや、倒壊した家 屋、破損した家財の整理も行った(写真は保原町内の 一人暮らし高齢者宅)
避難所の対象者とニーズに合わせ、全国から の支援物資が避難所へ届けられた。写真は、
子どもたちへ届けられたノートや学用品
震災発生後数日間、災害情報を入手・発信す るテレビ、インターネット、メール等の電源が 一部地区の停電により確保できず、市役所内部 間、防災関係機関等間の通信手段が途絶・不全 となった。
災害時に有効活用されるべき防災行政無線 も、合併前の旧5町それぞれの周波数で運用さ れていたため、各総合支所から対策本部が設置 された保原本庁舎への情報が伝達できずほとん ど機能しなかった。
そのため、伝令は、職員が公用車で先方へ直 接出向いて行うなどしていたが、燃料不足等の 悪条件も重なり、結果的に迅速・確実な情報伝 達が実施できなかった。
このような中で、震災、原発事故に対する市 の対応を市民に周知するため、市は臨時広報紙
「だて市政だより 災害対策号」を発行した。
平成23年3月21日に第1号を発行し、その後、
町内会長等の多大な協力を得ながら週1回の ペースで市民に情報を提供し続けた。
寸断された情報網
「だて市政だより災害対策号」第1号 放射能対策の課題や取り組み状況などを市長 メッセージの形で発信した
震災直後の3月12日から4月6日まで、伊達地域 でCATVを使い、震災関連情報をまとめた15分番 組を毎日4回、文字情報を随時更新して放送した
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災害の混乱のなかでは、誤った情報が広まることもあります。万が一、避難などの特別な行動 を必要とする場合には、あらゆる伝達手段を使って、市の災害対策本部が市民の皆さんに指示 や必要な情報をお知らせしますので、現在お住まいの場所で指示を待って、あせらず、冷静な 行動を心がけてください。
■市内の放射線量測定値について 放射線は自然界にもあり、空気中に年1,300 マイクロシーベルト程度あるといわれています。
また、レントゲンなどで医療にも活用されていま す。
伊達市内の放射線量は、右表のとおり、最大 でも8マイクロシーベルト/時間(※)以下となっ ています。
例えば、胸部CTスキャンを1回受けた場合の放射線量は約6,900マイクロシーベルト(6.9ミリ シーベルト)となります。
仮に8マイクロシーベルト/時間が続いた場合、約860時間外に居続ければCTスキャン1回 分と同程度となります。
また、合計の放射線量が100,000マイクロシーベルト(100ミリシーベルト)以下の場合、発が ん率への影響はないとされています。このため、現在の伊達市における放射線量は「健康に影 響がない」状況であると言えます。
※マイクロシーベルトは、1ミリシーベルトの1000分の1の単位です。
【例】 7マイクロシーベルト/時間=0.007ミリシーベルト/時間
■安定ヨウ素剤の準備について
安定ヨウ素剤とは、放射性ヨウ素の吸入による甲状腺被ばくを低減するための防護剤のことで す。これを服用することによって、あとから放射性ヨウ素が体内に入っても蓄積されにくく、短時間 で体外に排出されます。
市では、万が一の際に備えて、市民向けの安定ヨウ素剤を準備していますが、配布や服用に ついては、市の災害対策本部が指示を行います。
■避難施設について
家屋が倒壊する危険があり自宅で生活することができない方等のために避難場所を設けてい ます。避難を希望する方は、市災害対策本部へご連絡ください。
避難場所:保原ふれあいセンター
伊達市における放射線量 場所:本庁舎敷地内、単位:マイクロシーベルト/時間
測定日時 測定値
3/17 22時20分現在 7.35
3/18 12時30分現在 7.55
3/19 11時11分現在 6.56
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だて市政だより 災害対策号
平成23年3月21日発行
■市長メッセージ「原発事敀に対する伊達市の対応について」
3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」は、同時に発生した大津波によって太 平洋沿岸の市町村に甚大な被害をもたらしました。中でも相双地域の原子力発電所は 機能丌全に陥り、放射能漏れを起こして20キロメートル圏内は「避難指示」、20キロメ ートルから30キロメートル圏内は「屋内退避」となりました。
このため、相双地域からは大勢の人々が各地に避難してきており、当市においても一 時1700人に達しましたが、その後、新潟県や埼玉県などが受け入れるとのことで再避 難している状況にあります。
こうしたことから、市民の皆さんの間にも「県外等に避難したい」、「まだしなくて良いの か」というご意見もあるようですので、伊達市としての対応についてご説明するため、臨時 広報紙を発行することといたしました。
伊達市の被害も小学校校舎の損壊など少なくありませんが、関係団体とともに鋭意取 り組んでおり電気、水、道路などインフラ復旧についてもめどが立ち、平常の生活に戻り つつあるところです。しかし原発問題は依然として収束せず丌確定な部分もありますが、
伊達市としては国県の取り組みを見守りつつ、市民の皆さんとともに冷静に対応してまい りたいと考えておりますのでご理解を賜りたいと思います。
伊達市長 仁志田昇司
■原子力発電所事敀における影響について 被災した東京電力福島第一原子力発電所(大熊町、
双葉町)で発生した原子力事故により、3月20日現在 で同発電所から半径20キロメートル圏内に「避難指 示」、半径20から 30キロメートル圏内に「屋内退避指 示」が出されています。
伊達市は事故発生地から最短でも約50キロメートル 以上離れた距離にあり、現在、避難や屋内退避の対 象地区とはなっていません。また、放射線量は「距離の 2乗に反比例」するという法則があり、距離が2倍にな れば、放射線量は4分の1になるとされています。
今回の原子力事故のケースでは、地震直後に運転
を自動停止しているため、最悪の場合でも圧力容器の損傷によって内部の放射能物質が外部 に出ることはあっても、大爆発には至らず、放射能物質の大半は敷地内に留まり、事故発生地 から20キロメートル以上離れた地域の住民が放射線による健康被害を受けることはないといわ れています。
屋内退避指示区域
避難指示区域 伊達市役所
20 30 60
震災時、役所への張り紙は、市民への貴重な情報伝 達手段の一つだった