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3. RUI を用いた情報世界へのインタラクションシステム

3.7. 視覚提示装置としての RUI システム

3.7.3. 二足歩行アプリケーション

3.7.3.2. RUIモデル

情報世界に存在させるRUIモデルは,頭,右腕,左腕,右足,左足,胴体の6つのパー ツから構成されており,各自由度の方向は現実世界のRUIと同じものとなっている.

腕はY 軸中心の回転方向とZ軸中心の回転方向に各1自由度の計2自由度,足には X 軸中心の回転方向に1 自由度,頭には X 軸中心の回転方向と Y 軸中心の回転方向に各1 自由度の計2自由度を与える.

なお,以下説明のため図に用いるRUIモデルは簡略化したものを使用する.

図 3.31 RUIモデルの自由度

3.7.3.3. RUIモデルの直立指示

Springhead を用いて物理モデルを適用した情報世界では,現実世界と同様に鉛直下方向

に重力が設定されている.このため,情報世界内にRUIモデルを存在させた場合に,地面 との設置面積が小さいために直立せずにバランスを失って倒れてしまう.

今回はこの問題を解消する方法として,RUIモデルがバランスを失って倒れようとする 時に,その倒れる方向と逆向きの力をかけることで直立状態を維持させる.具体的には,

RUIの胴体部の重心の傾きの角度とX軸,Y軸,Z軸周りの角速度を検出する.RUIが直 立状態から傾いたときに,その傾きの角度と角速度に応じて逆方向にバネ・ダンパモデル を用いてトルクを発生させる.こうすることでRUIモデルの直立状態を維持することが可 能である.

Y

XZ

XY

Z

図 3.32 直立支援トルク

3.7.3.4. RUIモデルの歩行指示

RUIモデルの胴体部に直立支援トルクを発生させつつ足を前後に回転させると,足先端 部が地面との摩擦力を受けることで,歩行動作が可能になると考えられる.しかし,本研 究でのRUIモデルの足は各1自由度のみであり,人間の膝関節にあたる自由度は有してい ない.このため,図 3.33のように両足を前後に回転させると,両方の足が地面と接触して 互いに打ち消しあう方向に摩擦力が働いてしまい前進することが出来ない.

θ

ω

胴体部の重心

θ:傾き ω:角速度 T:直立支援トルク

ω θ B K T = − −

K:バネ係数 B:ダンパ係数

摩 擦 摩 擦

この問題は,歩行動作時に両方の足が地面に接触するために起こるものである.よって,

今回はその解決方法として,歩行時に片足を前方に出す時にもう一方の片足のみが地面に 接地した状態となるように,RUIモデルの足の動きに応じて体を左右に傾ける歩行支援ト ルクを胴体に対して発生させる方法を用いた.

図 3.34 歩行支援トルクを用いたRUIモデルの歩行

歩行支援トルクを与える方法を以下に説明する.

足関節の傾きθは鉛直下方向を0[deg]とし前方向を正とする.歩行動作時に指示する足 関節の最小角度と最大角度をそれぞれα,β(α<0, 0<β)とすると,足を前方に出した時 にその足方向へ歩行支援トルクを発生させるので,

) 0

( γ β

γ

θ =         < <

となるときにトルクをかけ始める.

このとき胴体部分にかけるトルクが小さい場合には胴体を傾かせるのに充分でなく,逆 に大きくなり過ぎると急激に姿勢を変えて不自然な歩様になってしまう.このため,足の 関節角度θに比例したトルクを胴体部分にかける.歩行支援トルクをT,比例定数をCと すると以下のようになる.

) ( γ θ β

θ ≤ ≤

= C       T

歩行支援トルク

歩行支援トルク

この比例定数Cや歩行時に指示するα,βの値を変更することでRUIモデルの歩様を変 化させることが出来る.しかし,

θ ≈ β

で前に出した片足が接地しつつ,RUIモデルの体 の揺れが不自然とならないCの値を選択する必要がある.また,αとβについてはあまり 大きな値にすると,両足の先端が地面から受ける摩擦力の進行方向成分が小さくなり,前 進することが不可能となるため,適度な値に設定する必要がある.

この他に,RUIモデルの歩様を決定するパラメータには足の回転周期がある.このパラ メータを変化させ,歩行速度を設定する.

図 3.35 α, β が大きいとき 抗力

摩擦力