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事例 1 の IDEAL モデルによる活動評価

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 140-144)

第 5 章 まとめ

付録 1 事例 1 の IDEAL モデルによる活動評価

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付録 2 有識者による SSSM モデルの評価コメント

ソフトウェア開発能力向上に向けた支援活動に関する有識者5名に、SSSMモデ ルを評価をしていただいた、そこでいただいたコメントを以下に掲載する。

有識者:

有識者1)電機メーカーA社のソフトウェア開発プロセス改善推進リーダー

有識者2)ゲームソフト会社のソフトウェア開発プロセス改善推進リーダー 有識者3)電機メーカーA社を経て、ソフトウェア品質に関するエキスパート 有識者4)電機メーカーB社のソフトウェア開発プロセス改善推進マネジャー 有識者5)電機メーカーA社のソフトウェア開発部長を経て、現ソフトウェア品

質管理責任者

有識者 1

・ SW開発力向上のための支援活動に「サービスエンジニアリング」のナレッジ を適用した点が新しいと思いました。結果、IDEALの「ID(E)」をより効果的な ものとして具体化でき、その後の活動を組織にとってより効果のあるものと し ていくために役立つ研究と思います。

・「組織文化」とは何か?の問いへの答え、組織文化の把握の仕方や、それに応じた調 整/推進方法の知見が興味深いです。

・初めてSW開発能力向上の支援活動に取り組むに人にも重要な知見を与えると思います し、経験者視点でも、SSSMに基づき、他の事例も見ながら客観的に振り返ることでい くつか発見があります。次の機会ではここをもう少しうまく進めるとよいだろう、とい った思いがわくのもこの文献の価値であると思いました。

有識者 2

論文に書かれている通り、SEPGに属する支援サービス提供者の個人のスキルと 経験に依存する活動成果のばらつきがあるのは確かです。ここで推奨されているサ ービスサイエンスの視点で行うべき活動について、既に行われている組織にとって は当たり前に感じるかもしれません。しかし、多くのソフトウェア開発組織および SEPGはこのような活動を行う意識がないため、効果的に改善を引き起こせないま ま試行錯誤を繰り返しているのが現状だと実感しています。

多くの未経験のSEPGメンバーは、誤解があるせいなのか、成熟度モデルや開発 手法モデルなどをほぼ文字通りそのまま「あるべき姿」ととらえ、ソフトウェア開 発組織に導入しようとします。このような場合、モデルをチェックリストとして使 ったり、支援活動のマニュアルとしたりします。しかも、導入する手段においてあ まり工夫せず、通り一遍なアプローチを強引に進めようとすることがあります。す

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ると、対象となるソフトウェア開発組織の背景や目的、価値基準などが把握されな いか、あるいは把握されたとしてもそれを活用せずに典型的なサービスだけを工夫 されないままに展開することになります。その結果、壮大な抵抗にぶつかり、活動 が進まなくなることは何度も目の当たりにしています。スキルと経験を有する支援 サービス提供者が当たり前のように行う活動が行われていないからです。

このような、本来当たり前のはずの活動が行われていないことには、経験不足だ けではなく様々な理由が考えられますが、いずれにしても活動が確実に行われるよ うにする道具立てを与えることに大きなメリットがあり、見逃していた成果を達成 できるようにする手助けになります。特に、組織特性の判定方法に具体的な手順が 示されていて、各組織ペルソナに適切な支援活動が具体的に紐づけられているとこ ろが、ここで提案されたモデルを適用しやすくしています。この提案を幅広い現場 で活用できれば、より多くの改善が進み、ソフトウェア産業全体の品質向上と効率 化に貢献できます。

統計学者George E. P. Boxの有名な言葉にあるように、"Essentially, all models are wrong, but some are useful." (正しいモデルなどありはしない、しかし、役 に立つモデルはある)ということを考慮すると、モデルは正しいかどうかではなく

役に立つかどうかで評価すべきです。現場で苦労している立場からすると、

SSSMモデルはソフトウェア開発組織にとって、また特にSEPG関係者にとって、

おおいに役立つと思います。

有識者 3

未だ繰り返すソフトウェア開発現場の混乱に、プロセス改善の果たすべき役割は 増々その重要性を増しています。その核となる改善を牽引するリーダの育成は現場 における喫緊の課題です。人材育成には時間が必要ですが、本論文のような貴重な 経験を可視化整理して後進の礎とすることは、学術研究者の産業界に対する責務と 考えます。

特に、本論文は今までのソフトウェア工学の知見に加え、新たにサービス科学の 知見を融合させた新たなフレームワークを実事例を用いて検証するにより、今まで 暗黙知であった知見を可視化整理した点は大変評価できると考えます。

インターネットの更なる進化が新たなユーザーニーズを生み出し、そのニーズに 応える多様なソフトウェア技術が求められている現状を鑑み、より多くの事例にお いて本モデルの検証改善を行っていく必要性を感じます。特に、アジャイル開発が 主体となる Web サービス開発や、日本品質が強く求められる社会インフラシステ ムなどでの実証実験が期待されます。

現場では目前の課題に終始せざる負えない状況が続いていますが、将来を見据え たソフトウエア開発技術の更なる発展を願っております。

138 有識者 4

この10数年、改善活動をしてきて、

・組織に合わせて

・SEPGの成熟度に合わせて

どのように進めていくかについて、悩んできました。最近は、少し中に入ってく ると、状況がわかってくるようになりました。SSSMモデル(以下モデル)のよう に体系的ではないですが、何となく、モデルが定義しているパラメータに近い内容 を感じながら活動が展開できるようになってきました。モデルは、SEPGの持って いるノウハウを形式知化したものであり、それが、経験に基づいていることがいい と感じました。

さて、上記の感想を踏まえて、少しコメントを述べさせていただきます。

 論文全体としては、1.2 研究の目的にある”理論的モデルの構築する”

に対しては、十分であると思います。モデル化の意義は大きいと思いま す。5.4実務的含意にありますように、SEPG のスキル差による成果の 大小を埋める可能性を持っていると思います。

 ただし、このモデルがSEPGにすぐに活用されるかというと、難しいの ではないかと思います。第4章のモデルの有効性の評価の4つの事例が 使い方の1つを示しているように思いましたが、使うための示唆がほし いと感じました(論文の目的には合致しているのでそこまでは不要かも しれませんが)

 第4章のモデルの有効性の評価ですが、事例を元にモデルを構築したの で、有効性の高い結果がでるのは当然かなあと思いました。別のメジャ ーがあった方がより、有効性の評価になるのではないかと思いました。

 改善活動に対するノイズとして、SEPGのスキル以外に現場のモチベ ーション、プロジェクトの特性などがあると思います。現場のモチベ ーションについては、事例のWG体制で少し触れておりますが、こう いったノイズのモデルへの影響があると、良いと思いました。

有識者 5

家電製品を始めとする電気機器に不可欠な組込みソフトウェア開発は、当初は一 人、または数名程度のエキスパートエンジニアが担当し、彼らの持つ高い技術力や 目標達成に向けた強いモチベーションの上で成り立ってきた背景がある。そこには、

個人ごとに目標に対する取り組み方針があり、制約条件をクリアーするため個人的 な開発スタイルが尊重されてきた。

その後、ソフトウェア規模の拡大に合わせて増員した開発組織は、彼らの開発ス

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