Type X larva of the suborder Spirurina
ウエステルマン肺吸虫の第 2 中間宿主
モクズガニ
サワガニ
3 倍体
2 倍体
鰓に寄生するメタセルカリア
肺に寄生する吸虫類
ウエステルマン肺吸虫の感染経路
• 第 2 中間宿主に付着したメタセルカリアの摂食
– モクズガニの場合
• オボロ汁
• カニ団子、カニ味噌、カニとうふ
– サワガニの場合
• 生食やから揚げとして摂食
• 蕁麻疹や虫垂炎の民間療法:つぶして塗布
• 熱さましの民間療法:生の汁
• 待機宿主の筋肉内の幼虫の摂食
– イノシシの生肉の摂食
• 中国では、“酔蟹”
酔蟹(スイシエ)
• タイでは、“サワガニの塩漬け入りソムタム”
ソムタム(青パパイアサラダ)
肺に寄生する吸虫類
肺吸虫症の臨床像
• 胸部肺吸虫症
– 潜伏期:2~3ヶ月 – 咳嗽、胸痛、胸部圧迫感 – 血痰
– 気胸、胸水の貯留、胸膜炎
• 脳肺吸虫症
– 脳腫瘍型:てんかん発作、視力障害
– 髄膜脳炎型:発熱、頭痛、嘔気・嘔吐、突然の四肢麻痺
• 皮下肺吸虫症
– 移動性皮膚腫瘤(好酸球増多を伴う)
• 腹部肺吸虫症
– 腹膜刺激症状
– 異所寄生の見られた部位の症状
• 腹腔、腹膜、腸間膜、大網、胃、腸壁、肝臓、腎臓、すい臓、横隔膜、
縦隔膜、心嚢、胸腔、眼窩、卵管壁、子宮、膀胱、陰嚢、精巣上体、
断層撮影
ウエステルマン肺吸虫の診断
回虫の受精卵 40-50μm
50-70μm 50-55μm
80-90μm
小蓋
集卵法
(遠心分離)
・ 喀痰
・ 糞便 鶏卵型
肺に寄生する吸虫類
肺吸虫の治療
“ 吸虫の特効薬” プラジカンテル(商品名:ビリトリシド)
・ 1回20mg/kg を1日2回 2日 経口投与
使用禁忌
‐ 本剤へのアレルギーの前歴
‐ 有鉤のう虫(条虫)症の人
‐ リファンピシンの服用中
(1錠中に600mg含有)
肺に寄生する吸虫類
2004年秋に集団発生したウェステルマン肺吸虫 による食中毒事例について
モクズガニの老酒漬(酔蟹)を原因とするウェステルマン肺吸虫の集団感染事例に関 して報告する。佐賀県の某ホテル内にある中華料理店が、2004年9~11月に、モクズ ガニの老酒漬を非加熱で提供し、本事例が発生した。老酒漬は地元産のモクズガニを 食材とし、老酒(アルコール分:20%)と醤油を1:3の割合で混ぜた漬け汁(砂糖等で 調味)に4、5日間漬け込むという、中華料理を模して調理したものである。同時にシナ モクズガニ(いわゆる上海ガニ)も食材として使用されたが、こちらは輸入品であるため、
食中毒予防への配慮から、すべて加熱調理して提供されていた。
集団感染発見の契機は、神奈川県の病院に呼吸器症状で入院していた同県内の在 住者が、2004年11月にウェステルマン肺吸虫感染と血清診断されたことにある。患者 のモクズガニ喫食を知った担当医が、「ウェステルマン肺吸虫による食中毒疑いの患 者が入院している。」と、まず神奈川県に連絡し、神奈川県が佐賀県に事例の発見を 知らせた。
http://idsc.nih.go.jp/iasr/27/320/kj3205.html
吸虫: Trematodes ( =flatworms )
肺吸虫
肝蛭 肥大吸虫
条虫
線虫 吸虫 条虫
ミミズ、針金 葉っぱ テープ
形態
・ テープ状
・ 数 mm ~10 m
・ 外被
・ 栄養を吸収、分泌・排泄
・ 消化管は有さない
・ 片節連体( Strobila:ストロビラ=chain )
・ 頭節 (scolex)
・ 頸部(neck)
・ 片節 (proglottids)
・ 雌雄同体
・ 成熟片節に1対ずつ
(大複殖門条虫は2対ずつ)
・ 自家受精又は他家受精
(1)未熟片節
(2)成熟片節
(3)受胎片節(円葉類)
老熟片節 (擬葉類)
条虫の構造(外被)
脊椎動物の腸上皮細胞 条虫の外被の細胞
線虫の体表面は,
分泌物で構成!
宿主の消化液から 守るために、体外 酵素をだしてい る!
条虫の構造(頭片節)
擬葉類 円葉類
Pseudophyllidea Cyclophyllidea
吸溝のみ 吸盤、鉤、額嘴
(bothrium)
条虫の構造(成熟片節)
擬葉類 円葉類
Pseudophyllidea Cyclophyllidea
1:生殖孔、2:膣、3:陰茎嚢、4:輸精管、5:精巣、6:子宮、7:子宮口(産卵口)、8:卵巣、
9:卵黄腺、10:メーリス腺、11:卵形成腔
・子宮口なし
・生殖孔が片節側面に開口
・子宮口あり
・生殖孔が片節腹面に開口
条虫の構造(成熟片節)
・ 子宮口が無いので、卵ができると子宮が大きくなり、
ついに片節全体を占拠し、他の臓器は退化する
・ 片節が壊れて、卵が遊離する
・ 未熟なまま排卵される
・ 水に入ってから、六鉤幼虫になる
・ 繊毛をもつのでコラシジウムという
擬葉類 円葉類
Pseudophyllidea Cyclophyllidea
子宮孔 生殖孔
生殖孔 子宮
子宮 膣
膣
卵 卵巣 巣
コラシジウム
六鉤幼虫
幼虫被殻
A:縮小条虫 (幼虫被殻が薄い)
B:無鉤条虫 (幼虫被殻が厚い)
A
B 卵殻
条虫の構造(卵)
擬葉類 円葉類
Pseudophyllidea Cyclophyllidea
卵細胞と卵黄細胞 六鉤幼虫
条虫の分類 (臨床的な分類)
• 成虫が消化管に寄生 – 裂頭条虫類
• 日本海裂頭条虫、広節裂頭条虫、大複殖門条虫、(マンソン裂頭条虫)
– テニア類
• 無鉤条虫、有鉤条虫
– 膜様条虫類
• 小型条虫、縮小条虫
• 幼虫が組織に寄生 – 包虫によるもの
• 単包虫、多包虫
– 嚢尾虫によるもの
• 有鉤嚢虫症
– プレロセルコイドによるもの
• マンソン孤虫症
12.日本海裂頭条虫
Diphyllobothrium nihonkaiense 広節裂頭条虫
Diphyllobothrium latum
おいしいきし麺
日本海裂頭条虫の疫学
• 歴史
– マスの摂食の歴史とともに古くから記載 – 奈良時代の便所の遺跡から虫卵が発見
– かつて、広節裂頭条虫とみなされていたが、研究の結 果、独立種になる。
• 国内分布
– かつては、サクラマス、カラフトマスの取れる河川流域 – 流通機構の発達とともに、全国的に患者が見られる
日本海裂頭条虫の 生活史
サクラマスの筋肉内 のプレロセルコイド
サクラマス
カラフトマス
プレロセルコイド
熊 イヌ
虫卵
コラシジウム ケンミジンコないのプロセルコイド
終宿主
第2中間宿主
成虫
成虫は5~10m 小腸上部に寄生 100万個/日産卵
日本海裂頭条虫による症状
• 無症状
– 虫体の一部が排泄されて気づくことが多い – 突然、下痢、腹痛を起こすこともある
• 検査
– 時に、好酸球増多症
(新選病草子:鱒を生食し、8,9尺の条虫が2,3匹 でてきた。箸に巻き取る方法が昔から用いられた。)
広節裂頭条虫の疫学
• 世界分布
– 北欧
• フィンランド
• バルト海沿岸諸国
• アイルランド
– 第2中間宿主の生息地
• 河川、湖に生息する淡水魚
*日本海裂頭条虫の場合は、回遊する
Pike (カワカマス)
Burbot
カワメンタイ:タラ科の淡水魚
プレロセルコイド
成虫 イヌ
虫卵
コラシジウム ケンミジンコないのプロセルコイド
終宿主
第1中間宿主 第2中間宿主
広節裂頭条虫の 生活史
熊
成虫は5~10m 小腸上部に寄生 100万個/日産卵