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図V−19 認識度テストの問題別の成績

(A)戦術に関する問題

(B)技術・ルールに関する問題

3.評価項目の精選

 これまでは、学年毎に基準を設定してきたが、

両学年で共通して絶対評価基準が設定された項 目、また評価の簡便性の観点から精選した項目 について、「概ね満足できる」レベルを表V41 にまとめて示した。

 ゴール下連携シュート率、ゴール下連携シュ ート率2、ゴール下連i携シュート成功率は、両 学年を通じて、「概ね満足できる」レベルの設 定ができなかったため、削除した。

 また、ドリブルについては、ドリブル得点で 評価しても、走能力とドリブル得点を考慮した

ドリブル技術で評価しても基準は設定された。

しかし、測定の簡便性を考慮し、拠り所とした 技能的特性、ならびに機能的特性との相関が高 いドリブル得点で評価して良いと考えられたの で、評価項目として精選した。

 すなわち、個人技能のレイアップシュート、

ワンハンドシュート、ドリブル得点、集団技能 の攻撃完了率、シュート成功率、速攻創出率、

連携シュート率、戦術理解度の戦術と技術・ル ールに関する認識度テストの計9項目が評価項

目として精選された。

 「学習者が学習成果を把握し、自己認識でき る」という評価の目的を達成するためには、生 徒自身が評価できる項目であることや課題がそ の場で見えてくるものでなければならない。こ のような理由からも、精選した評価項目は妥当 であると考えられる。

 なお、3年生と1年生で学年差の認められた 項目については、中間値を2年生の成績として

示した。

4.設定基準における分布率

 表V−12は、本研究で設定した評価基準にお ける生徒の分布率を3段階の基準で示したもの

である。対象は3年生78名、1年生75名であ

る。

 両学年通じて、「努力を要する」に位置つく 生徒の割合を20%以上という基準で見てみる

と、レイアップシュート、ワンハンドシュート、

攻撃完了率、シュート成功率、速攻創出率、な らびに戦術に関する認識度テストの6項目であ

る。

 そのうち3項目は、シュート技術にかかわる ものであった。しかし、中学3年生では、1日15 分の練習で、「概ね満足できる:10本中5本成 功」レベルに5日間で到達させ得ることは、第 IV章においても述べた。したがって、適切な指 導がなされれば、「概ね満足できる」レベルに 達成させることは充分可能であると考えられ

る。

 また、速攻創出率は、相手チームとの兼ね合 いで大きく左右され、創出できない場合もある ため、重大な問題として捉える必要はないと考 えられる。

 しかし、攻撃完了率は、作戦が成功したかど うかの重要な指標であり、この指標によって新 たな攻撃戦術や作戦を生み出すものとなる。ま た、最終目標のシュートまでいくことは、バス 表V−12 設定した基準における各学年分布率

評価項目(3年生) (%)十分満足 概ね満足  要努力

表V−11 精選した評価項目と「概ね満足でき     る」レベル

レイアップシュート ワンハンドシュート ドリブル得点 攻撃完了率 シュート成功率 速攻創出率 連携シュート率 認識度テスト(戦術)

認識度テスト(技術・ルール)

25.0 25.0 12.8 35.9 25.6 32.1 で67 42.1 36.8

48.7 50.0 68.0 35.9 54.3 34.6 69.2 36.8 34.3

26.3 25.0 19.2 28.2 20.1 33.3 14.1 21.1 28.9

評価項目 中学3年生   中学2年生   中学1年生 レイアップシュート  5〜8本    4〜7本    3〜6本 ワンハンドシュート  5〜7本    4〜6本    3〜5本

ドリブル得点   15〜17点/30秒13〜16点/30秒11〜14点/30秒 攻撃完了率    53〜72%      41〜63%

シュート成功率   12〜3096         5〜1g%

速攻創出率     6−14%       5〜6%

連携シュート率   16 》34%      5〜3196 認識度テスト(戦術)

認識度テスト(技術・ルール)

47〜67%

9〜25%

5〜10%

10〜3296 25〜32/40点 32〜44/60点

評価項目(1年目) (%) 十分満足 概ね満足  要努力 レイアップシュート

ワンハンドシュート ドリブル得点 攻撃完了率 シュート成功率 速攻創出率 連携シュート率 認識度テスト(戦術)

認識度テスト(技術・ルール)

19.2 19.2 で3.7

46.2 29.5 44.9 12.8 25、0

5t5

54.8 57.8 67.1 29.4 44.9 12.8 69.3 39.7 30.9

26.0 23.0 19.2 24.4 25.6 42.3 17.9

353

17.6

カットボールの技能特性に触れさせ得ることと なるため、戦術課題解決のための基本戦術は適 切に指導していかなければならないと言える。

 また、戦術に関する認識度テストについても、

「概ね満足できる」レベルまで達成させなけれ ば、技能の向上に繋がらないと言える。

 このことからも、指導法の確立は重要な課題 であると言える。

第4節 小 括

 本章では、措定したバスケットボールの教育 内容と基礎i・基本に基づき、評価項目を選定し、

これらと普遍的な価値と考えられる「技能的特 性に触れているか(GPL)」「機能的特性に触れ ているか(ゲームで感じる楽しさ)」との回帰

・相関分析を試みて、絶対評価基準を設定した。

すなわち、中学1年生と中学3年生を対象とし、

授業における個人技能、集団技能、ならびに戦 術理解度等について実態を測定し、文部科学省 の言う「十分満足できる」「概ね満足できる」

のレベルを設定した。

 なお、評価項目は、個人技能を4観点、集団 技能を7観点、さらに戦術理解度の2観点で、

計13とした。

1.個人技能について

1)GPLとレイアップシュート成功数の間に

は、両学年いずれも有意な相関関係と直線回帰

式が得られた(3年:y=1.7163x+1.1968(r=0。74)、

1年:y=2.079x−1.9795(r=0.86))。

 また、楽しさとの間にも有意な相関関係と直 線回帰式が得られた(3年:y=1.2624x+2.3895

(r=0。31)、1年:y=0.5961x+2.1709(r=0.21))。

2)GPLとワンハンドシュート成功数の間に

は、両学年いずれも有意な相関関係と直線回帰

式が得られた(3年:y=1.241x+2.2305(r=0.67)、

1年:y=1.6013x−0.8418(r=0.82))。

 また、楽しさとの間にも有意な相関関係と直 線回帰式が得られた(3年:y=1.olo3x+2.7866

(r=0.31)、1年:y=0.5397x+2.0834(r=0.23))。

3)GPLとドリブル得点の間には、両学年い

ずれも有意な相関関係と直線回帰式が得られた

(3年:y=L148x+12.221(r=0.63)、1年:

y=2.0014x+6.4728(r=0.83))。

 また、楽しさとの間にも有意な相関関係と直 線回帰式が得られた(3年:y=1。401x+11.27

(r写0.43)、1年:y=0.6158x+10.327(r=0.21))。

4)GPLとドリブル技術の間には、両学年い

ずれも有意な相関関係と直線回帰式が得られた

(3年:y=1.3351x+85.773(r=0.29)、1年:

y;7.9517x+53.975(r=・0.66))。

 また、楽しさとの間にも有意な相関関係と直 線回帰式が得られた(3年:y=2.1233x+83.l15

(r=0.26)、1年:y=2.9325x+67.649(r=0.20))。

5)技能的特性、ならびに機能的特性と個人技 能の関係では、前者の方が強い相関関係の得ら れる傾向が認められた。また、技能的特性から 見ても機能的特性から見ても「2〜4」に相当 する範囲の「概ね満足できる」レベルは、ほぼ 同値を示した。また、中学1年生と中学3年生 では、学年差が認められた。

6)技能的特性と機能的特性に触れているかど うかの視点を重視し、個人技能のすべての評価 項目については、技能的特性、機能的特性の両 基準を満たす範囲を「概ね満足できる」レベル

と設定した。

 すなわち、①レイアップシュート成功数は、

中学3年生:5〜8/10本、中学1年生:3〜

6/10本、②ワンハンドシュート成功数は、中

学3年生:5〜7/10本、中学1年生:3〜5

/10本、③ドリブル得点は、中学3年生:15〜17 点/30秒、中学1年生:ll〜14点/30秒、④ド

リブル技術は、中学3年生:88〜91点、中学

1年生:75〜85点となった。

2.集団技能について

1)楽しさと攻撃完了率の間には、両学年いず れも有意な相関関係と直線回帰式が得られた

(3年:y=9.8616x+33.268(r=0.42)、1年:

y=ll.67x+16.7(r=0.53))。

 しかし、GPLとの問には、3年忌は有意な 相関関係は得られなかったが、1年では、

y=25.559x−19.365(r=0.49)の有意な相関関係と直 線回帰式が得られた。

2)楽しさとシュート成功率の間には、両学年 いずれも有意な相関関係と直線回帰式が得られ た(3年:y=9.6037x−7.9708(r=0.53)、1年:

y=7.7848x−ll.37(r=0.55))。

 しかし、GPLとの間には、3年では有意な

相関関係は得られなかったが、1年では、

y=ll.403x−18.749(FO.34)の有意な相関関係と直 線回帰式が得られた。

3)楽しさと速攻創出率の間には、両学年いず れも有意な相関関係と直線回帰式が得られた

(3年:y=4.1081x−1.7512(FO.32)、1年:

y=1.3178x+1.5089(r=0.21))。

 しかし、GPLとの間には、いずれも有意な

相関関係は得られなかった。

4)楽しさと連携シュート率の間には、3年で は有意な相関関係は得られなかったが、1年で

は、y=5.2272x−0.3645(r=0.34)の有意な相関関係 と直線回帰式が得られた。

 また、GPLとの間には、いずれも有意な相 関関係と直線回帰式が得られた(3年:

y=7.8459x+2.8395(r=0.24)、1年:

y=13.786x−23423(r=0.38))。

5)楽しさとゴール下連携シュート率の間には、

3年では有意な相関関係は得られなかったが、

1年では、y=1.6729x−0.3409(rニ0.22)の有意な相 関関係と直線回帰式が得られた。

 また、GPLとの間には、3年では有意な相 関関係は得られなかったが、1年では、

y=7.117x−15.711(r=o。39)の有意な相関関係と直 線回帰式が得られた。

6)楽しさとゴール下連携シュート率2の問に は、3年では有意な相関関係は得られなかった が、1年では、y=7.609x−3.4954(r置0,23)の有意 な相関関係と直線回帰式が得られた。

 また、GPLとの問には、3年では有意な相 関関係は得られなかったが、1年では、

y=25.408x−52.837(r;0.33)の有意な相関関係と直 線回帰式が得られた。

7)楽しさとゴール下連携シュート成功率の間 には、上学年いずれも有意な相関関係と直線回

帰式が得られた(3年:y=13.231x−Bゆ37

(r=0.26)、1年:y=9.7145x−19.321(r=0.29))。

 しかし、GPLとの間には、3年では有意な 相関関係は得られなかったが、1年では、

y=25.989x−63.265(r−0.33)の有意な相関関係と直 線回帰式が得られた。

8)集団技能については、(i)技能的特性の みに有意な相関関係が認められたもの(中学3 年生:連携シュート率)、(u)機能的特性の みに有意な相関関係が認められたもの(中学3

年生:攻撃完了率、シュート成功率、速攻創出 率、ゴール下連携シュート成功率、中学1年生  速攻創出率)、(皿)両者ともに有意な相関

関係が認められたもの(中学1年生:攻撃完了 率、シュート成功率、連携シュート率、ゴール 下連携シュート率、ゴール下連携シュート率2、

ゴール下連携シュート成功率)、(iv)両者と もに有意な相関関係が認められなかったもの

(中学3年生:ゴール下連携シュート率、ゴー ル下連携シュート率2)の4つに分類された。

 すなわち、両学年を通じて、技能的特性、機 能的特性両面で有意な相関関係が認められる評 価項目は存在しなかった。

9)集団技能は、個人技能とは異なり、技能的 特性よりも機能的特性との相関関係の強いこと が認められた。また、中学3年生と中学1年生 では、学年差が認められた。

10)両学年に共通して、いずれかの特性との間 に有意な相関関係が認められる項目について、

両特性の「2〜4」の範囲を「概ね満足できる」

レベルと設定した。

 すなわち、①攻撃完了率は、中学3年生:53

〜72%、中学1年生:41〜63%、②シュート 成功率は、中学3年生:12〜30%、中学1年 生:5〜19%、③速攻創出率は、中学3年生  6〜星4%、中学1年生:5〜6%、④連携シ

ュー

g率は、中学3年生:16〜34%、中学1

年生:5〜31%となった。

3.戦術理解度について

1)GPLと戦術に関する認識度テストの成績

との間には、両学年いずれも有意な相関関係と 直線回帰式が得られた(3年:y=3.7151x+17.768

(r=0.52)、1年:y=3.0331x+18.25(r=0.39))。

 しかし、楽しさとの間には、いずれも有意な 相関関係は得られなかった。

2)GPLと技術・ルールに関する認識度テス

トの成績との間には、両学年いずれも有意な相

関関係と直線回帰式が得られた(3年:

y=5.896x+19.95(r轟051)、1年:y=3.0006x+32.079

(r=0.28))。

 しかし、楽しさとの間には、いずれも有意な 相関関係は得られなかった。

3)戦術理解度に関する2つの項目の成績には、

学年差は認められず、「概ね満足できる」レベ

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