課題として考えられる内容の解決に向けた 授業アイディア例
数学的に表現したり,数学的に表現された ものの意味を読み取ったりすること
中学校 数学 課題として考えられる内容の解決に向けた授業アイディア例
数学的に表現したり、数学的に表現されたものの意味を読み取ったりすること− 192 − − 193 −
5 「数学的に表現したり,数学的に表現されたものの意味を読み取ったりすること」
授業アイディア例⑱
○ 具体的な例を基に説明の見通しをもち,文字式を活用し,根拠を明らかにして,それに 基づいて結論を導くことを通して,事柄が成り立つ理由を一般的に説明できるようにする。
〔対象学年:第2学年以上〕
【指導のねらい】
具体的な例を基に説明の見通しをもち,文字式を活用し,根拠を明らかにして,それに基 づいて結論を導くことを通して,事柄が成り立つ理由を一般的に説明できるようにする。
【授業アイディア例】
問題
右の図のように,3段に並んでいる○の1段目 に連続する3つの自然数を順に入れます。そして,
隣り合う2つの数の和を2段目の○に入れ,同じ ようにして3段目の数を求めます。
(1) 1段目にいろいろな自然数を入れて,3段目が どのような数になるのかを調べなさい。
(2) (1)で発見した性質が成り立つ理由を説明し なさい。
1.具体例を基に3段目の数について調べ,成り立つ性質を予想し文で表す。
3段目の数について予想した性質を ・3段目の数は偶数になる。
文で表してみましょう。 ・3段目の数は4の倍数になる。
「1段目にどんな連続する自然数を順に入れても,
3段目の数はいつも4の倍数になる。」
2.4の倍数になることの理由を説明するための見通しをもつ。
10 , 11 , 12 の と き 1段目
2段目
3段目
(10+11)+(11+12)=21+23 ・別の数字でも考えてみよう。
=44 (1+2)+(2+3)=3+5
=8
(24+25)+(25+26)=49+51 ・大きい数でも4の倍数になるのかな?
=100 (106+107)+(107+108)=213+215
=428
・偶数になる。 =4×107
・4の倍数になるのかな?
4の倍数になる!
4の倍数を表す式はどういう形に なるのかな?
・ 44=4×11,100=4×25だから,
式は4×□の形になるね。
・ 文字式を使って説明する場合も,式を 4×□の形にすればよさそうだ。
306
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3.「1段目にどんな連続する3つの自然数を順に入れても,3段目の数はいつも4の倍数 になる。」ことを,文字式を使って説明する。
連続する3つの自然数のうち,
最も小さい数をとすると, ・連続する3つの自然数を1つの文字を 3つの自然数は,,+1,+2 使って表す
と表される。
このとき2段目の数は,それぞれ
+(+1)=2+1
(+1)+(+2)=2+3
であるから,3段目の数は ・4×□の形にする
(2+1)+(2+3)=4+4
=4(+1) ・「4(+1)は4の倍数である」の
+1は自然数だから, 根拠「+1は自然数だから」を 4(+1)は4の倍数である。 しっかり書く
したがって,3段目の数は4の倍数で
ある。 ・結論をしっかり書く
【留意点】
○ 具体的な例を参照させながら,4の倍数になることを示すには,4×□の形に式変形す ることが大切であることを確認する。
○ 文字式での説明では,結論とその根拠の記述を省略しないようにする。
○ 文字式を使った説明を振り返り,説明をよりよいものに改善したり,新たに分かる性質 を発見したりする活動を取り入れることも考えられる。
見通しをもって,文字式や言葉を使って説明することが大切だね。
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授業アイディア例⑲
○ 数についての性質が成り立つことを文字を用いて一般的に説明できるようにするととも に,ある事柄が成り立たないことを示すには,反例を1つあげればよいことを理解できる ようにする。 〔対象学年:第2学年以上〕
3,5,7の和は,15になります。
15は9の倍数ではありません。
3,5,7のとき,和は15,
5,7,9のとき,和は21,
……,
例をいくつあげればいいのかな。
【指導のねらい】
数についての��が成り立つことを��を�いて���に説明できるようにするととも に,ある事柄が成り立たないことを示すには,反例を1つあげればよいことを��できる ようにする。
【授業アイディア例】
ᲫᲨφ˳ႎƳ̊ǛؕƴᲦᡲዓƢǔᲭƭƷڈૠƷԧƕᲳƷ̿ૠƴƳǔƔƲƏƔǛᄩᛐƢǔŵ 1+3+5=9
3+5+7=15 5+7+9=21…
ᲬᲨƋǔʙƕǓᇌƨƳƍƜƱǛᅆƢƴƸᲦӒ̊ǛᲫƭƋƛǕƹǑƍƜƱǛྸᚐƠᲦ žᡲዓƢǔᲭƭƷڈૠƷԧƸᲦᲳƷ̿ૠưƋǔŵſƕദƠƘƳƍྸဌǛᛟଢƢǔŵ
【留意点】
○ 成り立たないことの説明は,三角形の合同条件を指導する際に,2辺と(その間の角 ではない)1つの角が等しい場合を取り上げることも考えられる。
いつでも9の倍数になるのかな。
9の倍数にならない場合があるので,健太さん の予想は正しくないことが分かります。
この予想が正しくないことは,どのように説明 すればいいでしょうか。
どうすれば,説明したことに なるのだろう。
9の倍数にならない例を あげればいいのかな。
ある事柄が成り立たないことを示すには,
成り立たない例を1つあげれば十分です。
その例を「反例」といいます。
健太さんの予想が正しくないことの説明を反例を使って書いてみましょう。
-278-− 194 -278-− − 195 −
1+3+5=9 3+5+7=15 3の倍数になりそう。
ᲭᲨᙸႺƠƨʖेǛž᳸ƸᲦäƴƳǔŵſƷ࢟ưᘙƠᲦ૨܌ࡸǛ̅ƬƯᛟଢƢǔŵ
予想
「連続する3つの和は,3の倍数になる。」
ᲮᲨƍǖƍǖƳૠƷࣱឋƴƭƍƯᲦǓᇌƭƔƲƏƔǛʖेƠᲦᛟଢƢǔŵ 例 2の倍数と3の倍数の和は,5の倍数になる。
○ 成り立つことの説明,成り立たないことの説明をする際には,結論とその根拠を省略し ないようにする。
○ 成り立つことの説明については,平成21年度調査【中学校】報告書(306,307ペー ジ)参照。
事柄が成り立たないことの説明をする場合も,結論とその根拠を 明確にすることが大切です。
9の倍数ではないことが分かりましたが,
これまで調べたことから他にどんなことが いえそうでしょうか。
その予想を「~は,…になる。」の形で 表して,正しいことの理由を説明してみま しょう。
-279-− 196 -279-− − 197 −
授業アイディア例⑳
○ 図形についての証明を読み,証明を振り返り,発展的に考えることができるようにする。
〔対象学年:第2学年以上〕
A
B
E D
【指導のねらい】
図形についての証明をよ�,証明を�り�り,���に考えることができるようにする。
【授業アイディア例】
■次の問題の証明をよんで,発展的に考えてみよう。
問題
右の図のように,AB=ACの二等辺三角形ABCの 辺AB,辺AC上にAD=AEとなる点D,点Eをとる とき,BE=CDとなることを証明しなさい。
��問題の証明をよ�。
問題の証明
△ABEと△ACDにおいて,
仮定から,
AB=AC ……① AE=AD ……② 共通な角だから,
∠BAE=∠CAD ……③
①,②,③より,
2辺とその間の角がそれぞれ等しいから,
△ABE≡△ACD
合同な図形の対応する辺の長さは等しいから,
BE=CD
��証明をよみ��て����,証明の��みを��え�。
【留意点】
○ 図1の場合について考える際,証明の意義について触れるようにする。
A
B C
D E
この証明では,2辺とその間の角がそれぞれ等しいという合同条件を 用いていますが,それはどの辺や角のことですか。
また,それらが等しいことはどうして分かるのですか。
結論のBE=CDを示すために,どの三角形に着目していますか。
それらに着目しているのは,なぜですか。
△ABEと△ACDに
着目しています。 それらは,BEとCDを含む 2つの三角形だからです。
ABとAC,AEとAD,
∠BAEと∠CADです。
AB=ACとAE=ADは 仮定から分かります。
∠BAE=∠CADは 共通の角だからです。
C
-294-− 196 -294-− − 197 −
では,図2のように下に延長した直線上にAD=AEとなる 点Dと点EをとってもBE=CDは成り立ちますか。
ᲭᲨவˑǛ٭ƑƯᲦႆޒႎƴᎋƑǔŵ
ᲮᲨႆޒႎƴᎋƑƨբ᫆ƷᚰଢǛᲦNjƱƷբ᫆ƷᚰଢǛӋᎋƴƠƯܦƢǔŵ
○ もとの証明の何が変わり何が変わらないかを確認することが大切である。
図2の場合について証明すると,
最初の証明と全く同じになるね。
A
B C
D E
図2
最初の証明を参考にして考えてみようよ。
では,証明をノートに 書いてみよう。
図3 A
B C
E D
図1 A
E
B C
D
点Dと点Eは辺AB,辺AC上ならどこにとっても,
BE=CDは成り立ちますか。
図1のような場合もBE=CDは 証明されています。
図2の場合でもBE=CDはいえるよ。
図3のように,上に延長しても,
BE=CDはいえるのかな。
BE=CDはいえそうだけど,
同じ証明のままでいいのかな。
図3の場合について,
BE=CDの証明を 考えてみよう。
仮定からAB=ACと AE=ADはいえるね。
∠BAEと∠CADは等しそう だけど,共通な角ではないね。
-295-− 198 -295-− − 199 −
授業アイディア例㉑
○ 証明を振り返り,類似の場面での証明を考えることを通して,ある図形について証明さ れた性質は同じ条件を満たすすべての図形について例外なく成り立つことについての理解 を深めるとともに,新たな性質を見いだすことができるようにする。
〔対象学年:第2学年以上〕
A E
B C
D
【指導の狙い】
証明を振り返り,類似の場面での証明を考えることを通して,ある図形について証明さ れた性質は同じ条件を満たす全ての図形について例外なく成り立つことについての理解を 深めるとともに,新たな性質を見いだすことができるようにする。
【授業アイディア例】
次の図で成り立つ性質について考えよう。
△ABCにおいて∠ABCの二等分線と∠ACBの 二等分線をひき,それらの交点をDとします。
また,点Dを通り辺BCに平行な直線ℓをひきます。
����の���よ�で��いてい������に��。
問題とその証明
問題 図1で直線ℓと辺ABとの交点をEとします。
このとき,EB=EDとなることを証明しなさい。
証明
△EBDにおいて,
仮定から, ∠DBC=∠EBD ……① ED//BCで,平行線の錯角は等しいから,
∠DBC=∠EDB ……②
①,②より,∠EBD=∠EDB
2つの角が等しいから,△EBDは二等辺三角形である 二等辺三角形は2辺が等しい三角形であるから,
EB=ED
BDは∠ABCの二等分線です。
結論のEB=EDは△EBDの EDはBCに平行です。 2辺のことです。
�������の��で図�の性質�����。
図2のように,直線ℓと辺ACとの交点
をFとします。このとき,FC=FDとなる △FDCに着目すると ことの証明を考えて,書きましょう。 よさそうだよ。
【留意点】
○ 2つの証明を比較し,同じ証明であることを確認する際には,対応する図形の要素を明 らかにし,記号も対応させて用いることができるようにすることが大切である。
○ 本問題のような場面で,証明を振り返り新たな性質を見いだす活動を取り入れることが 大切である。
ℓ
ℓ
図1 A
C B
D
この証明で用いられている条件は,この図のどの部分について成り立つ 事柄ですか。また,導いている結論は図のどの部分のことですか。
次の問題とその証明を読んで,その仕組みについて考えてみよう。