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参加者

高速道路 自動車(2〜4輪車)

自動車(2〜4輪車)

自転車,歩行者

最高速度 最低速度

100km/h  50km/h 60km/h

なし

経路変更の選択肢

閉鎖性

経路の変更箇所 交差点 IC と JCT

多重事故の可能性

交差点

信号機 基本的に無

道路の管理者 国または自治体 主に高速道路管理会社

管理者による情報提供

重大事故の発生率

事故の発生要因

警戒すべき内容

判断までの時間

一般道と高速道

一般道路とは、自動車や自転車、歩行者 などあらゆる交通のための道路をさす通 称である。一般道とも呼ばれる。法律上 は明確な定義がされていないが、主に高 速道路や有料道路以外の道路を意味する。

これに対して、高速道路とは時速 80km 以上の高速で可能な自動車専用道路のこ とである。大都市圏での移動のための高 速道路は都市高速という。

通常、上下線を分離したり、交差点を立 体交差にしてあるため、信号がない。一 般道路からの出入りはインターチェンジ などにより制限されている。また日本で は基本的に有料である。

高速道路の脇には、サービスエリアやパー キングエリアなどの施設が設けられてい る。

 高速道路には基本的に交差点(平面交差)がなく,路線変更や一般道への経路変更には数 [km] から 数十 [km] 間隔で設置されているインターチェンジ(IC)またはジャンクション (JCT) を用いる.この様式は,

交通の円滑さに加え歩行者や軽車両を巻き込むような事故の軽減にも寄与する.例えば,2016 年の道路 形状別の交通死亡事故発生率を見ると,一般道路の交差点内が 33.7% と最も高い [ 注 AP1].

 しかし,走行車線を塞いでしまうような大規模な交通事象が発生すると,一般道のように交差点などを 使用して迂回することができず,最悪の場合交通システムの機能を失ってしまう.

補遺1 参考文献

補遺 2 危険の3区分と運転行動モデル

 本研究で論ずる,ドライバの対応,つまり外的刺激に対する「認知」 →「想定」 → 「選択」 → 「実行」 の 関係は,運転行動における「認知」 → 「予測」 → 「判断」 → 「操作」 の関係に相当する.

 一般に,道路交通におけるドライバーの運転行動は,「認知」 → 「判断」 → 「操作」 のフィードバック・ルー プとして表される [ 注 AP2-1,AP2-2].

 しかし,近年は,安全運転にとって,「認知」と「判断」の間で行われる「予測」が「認知」と並び重要 であるとの見方もある.その場合に運転行動は,「認知」 → 「予測」 → 「判断」 → 「操作」 の 4 要素のフィー ドバック・ループとして表される.長山は,危険や対応方法などを予測した場合の反応時間は,予測しな い場合よりも 0.75 〜 0.25 秒ほど短くなるとしている [ 注 AP2-3].

 運転行動における予測の重要性は,知覚心理学の知見にも見つけることができる.Gibson は,環境(物)

が動物(人)に対して与える意味や価値について,アフォーダンス(affordance)と命名した [ 注 2-4].

Gibson に従うと,人の行動は,無意識であるにしろ環境がどのような行動に向いているのかという情報を 環境の中から得ることによって成されることになる.

 これに関連し,古田らは,人が操作方法を知らない対象に初めて対峙した場合でも,操作に至るまでの メンタルモデルを自発的に形成することを報告している [ 注 AP2-5].メンタルモデルとは,外界の現実を 仮説的に説明するために構築された内的な記号または表現であり,認知と意思決定に重要な役割を果たす.

これらの知見を踏まえると,ドライバは,経験や知識のない緊急事態に直面した場合でも,道路環境の変 化から危険となる意味を認知し,操作方法に関するメンタルモデルを自発的に形成していることとなる.運 転行動における予測とは,危険を生じさせる要因の知覚から危険の認知と操作方法を決定するまでのメン タルモデルの形成ととらえることができる.誤ったメンタルモデルの形成は,危険を助長し,自身または他 者の死につながる可能性さえある.したがって,運転行動の議論に予測を含めることは不可避であり,ド ライバの適切な判断には,適切に危険を認知できることと適切に予測できることが重要となる.

 運転行動に関してさらに言及すると,Lalley[ 注 AP2-6] は,危険を「リスク(Risk:損害が発生する可能性),

ハザード(Hazard:損害発生の可能性を高める条件),ペリル(Peril:損害を現実に生じさせる作用)の3 つに区分すべき」とし,蓮花 [ 注 AP2-7] は,この関係からハザード知覚とリスク知覚(認知)が運転行動 に重要であると述べている(図 AP2-1).

 中村 [ 注 AP2-8] は,危険の3区分を用いて,「外界情報」 → 「ハザード知覚」 → 「リスク知覚」 → 「行動 決定」 → 「操作」 → 「結果」のフードバック・ループを基本に,ドライバの内的要因を細分化し運転行動の モデル化を行なった(図 AP2-2).

 しかし,中村のモデルには,「予測」の観点が不足しており,予測が行われる「平常時(比較的安全な状 態)と非常時(リスクの高い状態)の区分」が行われていない.そこで,中村のモデルに「予測」,「平常 時と非常時の区分」,さらには予測に寄与する「情報提供」の役割を加えると運転行動モデルを(図 AP2-3)で表すことができる.

補遺

163

0

危険の定義

Laley, E.P.: Corporateuncertainty and risk management, Risk Management Society Pub- lishing, 1982 から作図

→ 蓮花から引用

Risk(リスク):損害が発生する可能性

Hazard(ハザード):損害発生の可能性を高める条件 Peril(ペリル):損害を現実に生じさせる作用 danger, risk, hazard, peril, jeopardy

1 2

3

4

安全⇄円滑

対応 シミュレーション

別解釈

操作 実行

交通障害 道路交通システムの基本構造

道路交通システムの基本構造 情報提供の目的 と

A. 交通の安全と円滑は相互関係にある.

B. 交通障害は,A の相互関係を阻害するため,安全・円滑と対立関係にある.

C. 各ドライバーの対応(または態度)は,A と B の対立項とそれぞれに相互関係にある.

例えば,安全で円滑な状態ににおける対応の誤りは交通障害を招き,交通障害に対す る適切な対応は,安全や円滑の回復に寄与する.ここで,自動車の加減速やハンドリ ングなどの運転操作は,対応に内包されるものと定義する.対応には,操作に加え,

安全状態の確認,ハザード知覚(警戒による交通障害の検索と発見),対応策のシミュ レーション,リスク知覚など, 操作に至るまでの認知→予測→判断の過程が含まれる ためである.

以上で示した交通の安全と円滑に関する基本構造において,交通情報は,大きく2つの 目的で提供される.

・平常時の「A の維持に向けた A→C→B の防止」

・交通障害が発生してしまった時の「A→B における B→C→A の促進」

   (B と C のループは,自己強化によってリスクを拡大させ A への回帰を遅延させるこ とから「B における C→B の防止」とも言える)

さらに,以上の分類から,高速道路における主要な情報提供媒体の基本特性を以下のよ うに導くことができる.

1. 道路標識や立て看板:A→C→B の防止 

2. 可変式道路情報板:B→C→A の促進と新たな C→B の防止

 前方が A→B にあることをリアルタイムに事前告知し,交通障害への注意喚起により,

ハザードの発見と適切な対応(判断と操作)を促す 3. 個人端末 =1 と 2 両方の伝達が可能

A

C

B

交通事象

交通事象 ( 交通障害 ) の

因果ループ構造