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座長: 福田  憲

(高知大)

O35 鈴木  智 (京都市立病院)

O36 田  聖花 (東京歯大・市川)

O37 有田 玲子 (伊藤医院/ LIME 研究会)

O38 片岡亮一郎 (愛媛大・工学部)

O39 高原 彩加 (京都府医大)

O40 三村 達哉 (帝京大)

眼瞼・アレルギー

一般口演09 2月17日(土) 09:10 ~ 10:10 第1会場(グランドプリンスホテル広島 2F 瀬戸内)

シールド潰瘍を呈した重症アレルギー患 者の患者背景と治療に関する検討

たかはら原 彩あやか1)、稲富  勉1)、福岡 秀記1)、中村 隆宏2)、上田真由美2)、 横井 桂子1)、横井 則彦1)、外園 千恵1)

1)

京都府医大、

2)

京都府医大・感覚器未来医療学

O39

【目的】シールド潰瘍の患者背景とタクロリムス点眼の臨床効果を検討した。

【方法】1999 年以降、当院でシールド潰瘍を治療した 38 例 38 眼を対象に、患者背景、

治療経過、視力予後、合併症を retrospective に検討し、タクロリムス点眼液 0.1% を 用いた群(TAC 群)と用いなかった群(非 TAC 群)に分け比較検討した。

【結果】原因はアトピー性角結膜炎(AKC)が 32 例 (84.2% )、春季カタル(VKC)が 4 例 (10.5% )、不明が 2 例 (5.3% ) であった。年齢は AKC が 22.2 ± 13.8 歳、VKC が 10.0 ± 2.7 歳、男性の割合は AKC が 81.3%、VKC が 75.0% であり、幅広い年齢 の男性の AKC 患者での発症が多かった。シールド潰瘍の治癒に要した期間は TAC 群 が 3.8 ± 2.7 ヶ月、非 TAC 群が 5.6 ± 7.7 ヶ月、治癒後 1 年以内の再発率は TAC 群 が 21.4%、非 TAC 群が 43.8% と両者とも TAC 群で良好な傾向を認めた。初診時矯 正視力(logMAR)は TAC 群が 0.71 ± 0.55、非 TAC 群が 0.90 ± 0.78、最終時矯 正視力は TAC 群が 0.08 ± 0.25、非 TAC 群が 0.31 ± 0.59 と TAC 群 (p=0.000045) は非 TAC 群 (p=0.02) よりも治療前後で有意な改善を認めた。経過中に非 TAC 群に は角膜感染症を 3 眼認めたのに対し、TAC 群には眼圧上昇を1眼、角膜ヘルペス1眼 を認めたが重篤な合併症は発症しなかった。

【結論】シールド潰瘍は春季カタルよりもアトピー性角結膜炎に合併することが多く、若 年から壮年の男性の発症が多い。シールド潰瘍に対するタクロリムス点眼を用いた治療 は安全、効果的である。

有限要素解析を用いた摩擦関連疾患の 力学的発生メカニズムの解明

かたおか岡亮りょういちろう一郎1)、岡本 伸吾1)、Pranoto Sarwo1)、李  在勲1)、 白石  敦2)、山口 昌彦3)、坂根 由梨2)、大橋 裕一2)

1)

愛媛大・工学部、

2)

愛媛大、

3)

愛媛県立中央病院

O38

【目的】

有限要素解析 (Finite Element Analysis, FEA) は複雑な形状で多種多様な材料特性を有する物体の力学 解析を行う機械設計に必要なツールであり、医療分野にも応用が始まっている。本研究は、FEA を用い て瞬目時に角膜と眼瞼との間に生じる摩擦に関する計算を行い、瞬目による摩擦関連疾患の力学的発生メ カニズムを解明することを目的とした。

【方法】

FEA のソフトウェアは、NASTRAN(NASA Structural Analysis Program) を使用した。FEA は、対 象の形状を忠実に再現したモデルを用いて計算することができるが、接触面が曲面で、しかも滑りを伴う 場合、計算が困難となる場合がある。今回、表面が曲面で滑りを伴う角膜と眼瞼に対して、簡便的な平板 形状の計算モデルを作成した。具体的には、角膜の底面を固定し、眼瞼上部に一様に分布した眼瞼圧を与 え、眼瞼が角膜に接触した状態で眼瞼を移動させ瞬目時の摩擦に関するシミュレーションを行った。

【結果】FEA より、角膜と眼瞼の表面に生じる摩擦力に関係するせん断応力 ( 応力 : 単位面積あたりの内力 ) 分布 を出力した。眼瞼上部に一様に分布する眼瞼圧を加えた場合、せん断応力も一様に分布すると予想した が、眼瞼縁付近および瞼板と眼瞼挙筋との境界付近に大きなせん断応力が生じていることが確認され、生 体での摩擦状態を再現している可能性が示された。

【結論】

FEA によって摩擦関連疾患の力学的発生メカニズムを再現できる可能性が示唆された。

マイボーム腺機能不全に対するIntense Pulsed Light治療の有効性に関する多施設研究

ありた田 玲れいこ1,2)、溝口 尚則2,3)、森重 直行2,4)

1)

伊藤医院、

2)

LIME 研究会、

3)

溝口眼科医院、

4)

大島眼科病院

O37

目的:分泌低下型マイボーム腺機能不全 (oMGD) はドライアイの主因であり患者数も 多い。oMGD は治療抵抗性の難症例も多く,新しい治療法が望まれている。Intense Pulsed Light(IPL)は幅広い波長のキセノン光を短時間に照射する機器で,近年,

国内外から有効性の報告が多数なされている。今回私たちは,国内の 3 施設で難治性 oMGD 患者に対し IPL を施行し,有効性を検討した。対象と方法:対象は 2017 年 3 月から 9 月までに伊藤医院(さいたま市)、溝口眼科医院(佐世保市)、大島眼科病院

(福岡市)を受診した難治性 oMGD 患者。IPL 照射(M22)を 2 ~ 3 週毎に 4 回~ 8 回施行した。評価項目は自覚症状スコア(SPEED),油層動態グレ―ドと非侵襲的涙 液層破壊時間(NIBUT)、眼瞼縁所見,涙液層破壊時間(BUT),角結膜上皮障害ス コア,マイバムグレード, マイボスコア,シルマーテスト。検査は施行前,IPL 施行完 了 1 か月後とした。結果:難治性 oMGD 患者は 34 名 62 眼(男性 15 名、女性 19 名、

平均年齢 47.7 ± 16.8 歳)だった。IPL 施行後、自覚症状スコア (p=0.00008), BUT (p= 0.000004),角結膜上皮障害スコア (p=0.002),マイボスコア (p=0.00001) は有 意に改善した。マイバムグレード , NIBUT,眼瞼縁所見 , 涙液動態グレードも有意に 改善した ( 各 p < 0.0000001), シルマーテストは有意な変化がなかった (p=0.29)。結 論:IPL 照射は難治性 oMGD 患者に対する新しい治療法となりうる。

重症閉塞性マイボーム腺機能不全に対する 活性型ビタミンD3軟膏の効果と安全性

でん

  聖せいか1)、比嘉 一成1)、有田 玲子2,3)、島崎  潤1)

1)

東京歯大・市川、

2)

伊藤病院、

3)

慶應大

O36

【目的】活性型ビタミン D3 外用製剤(VitD3)は皮膚の抗角化作用を持ち、その眼瞼塗 布が加齢性閉塞性マイボーム腺機能不全(MGD)に有効と報告されている。今回続発 性を含む重症 MGD に対する同剤の効果と安全性をプロスペクティブに検討した。【方 法】重症 MGD を認める7例12眼(SJS/TEN 7眼、OCP 2眼、化学傷1眼、涙液減 少型ドライアイ2眼)に対し VitD3 を1日2回3ヶ月間上下の眼瞼に塗布し、自覚症 状(DEQS)、瞼縁所見、マイボーム腺分泌物の性状、角結膜上皮障害、涙液層破壊時 間(BUT)、DR-1 による涙液油層、インプレッションサイトロジー(IC)による球 結膜上皮細胞の変化を1ヶ月、3ヶ月に観察し、治療前と比較検討した。【結果】SJS の1例2眼が眼瞼炎にて、治療前に角膜上皮欠損のあった SJS の1例1眼が角膜穿孔に て、開始1週間後に治療を中止した。治療を完遂した5例8眼において、DEQS の合計 スコアは3ヶ月で有意に改善し(P=0.0018)、眼不快感は1ヶ月(P=0.036)と3ヶ 月(P=0.021)で有意に改善した。瞼縁の血管拡張 / 充血は1ヶ月(P=0.040)と3ヶ 月(P=0.012)で有意に改善したが、他の臨床パラメータには変化がなかった。IC で は3ヶ月後に球結膜上皮の角化が軽快する傾向にあった。【結論】重症閉塞性 MGD に 対するVitD3外用製剤は眼不快感を改善し、瞼縁の炎症を軽減できる可能性があるが、

角膜上皮欠損を有するようなより重症の眼表面疾患では使用に注意を要する。

高齢者におけるSPKとマイボーム腺炎角 結膜上皮症

すずき木  智とも1)、横井 則彦2)、木下  茂3)

1)

京都市立病院、

2)

京都府医大、

3)

京都府医大 感覚器未来医療学

O35

【目的】日常臨床では、角膜に点状表層角膜症(SPK)が認められるとドライアイと診 断し、ドライアイ点眼薬を処方するのが現状であり、難治性 SPK には涙点プラグまで 挿入されることがある。しかし、難治性で慢性的な SPK にはマイボーム腺炎が関連し ていることがある(マイボーム腺炎角結膜上皮症非フリクテン型)。そこで、今回、高 齢者の SPK について、マイボーム腺炎の有無と治療法について retrospective に検討 した。【方法】対象は、SPK を認め、ドライアイ点眼薬が処方されていた 60 歳以上の 高齢者 22 例。SPK、マイボーム腺炎の有無、治療内容、経過について検討した。【結 果】15 例(全例女性)は、閉塞性 MGD を認めるもののマイボーム腺開口部周囲に炎 症所見はなく、ドライアイ点眼薬による反応も良好であり、治療開始後 2 ヶ月の時点で SPK は軽快していた。7例(女性6例、男性1例)では、先行するドライアイ点眼薬 では SPK の改善が乏しく視力低下を伴っていた。全例でマイボーム腺炎を認めた。ド ライアイ点眼薬を中止し、抗菌薬内服治療により SPK は軽快した。うち 5 例では、そ の後ドライアイ点眼薬を追加処方することで SPK は消退し視力は改善した。【結論】高 齢者の SPK にマイボーム腺炎を合併する例では、抗菌薬内服治療を第一選択として行 い、マイボーム腺炎の消退後に閉塞性 MGD に伴う蒸発亢進型ドライアイ対してドライ アイ治療を追加することで SPK を寛解へと導くことができる。

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特別講演・招待講演

シンポジウム

学術奨励賞記念講演

一般口演 ポスター ■ ■

一般口演09 2月17日(土) 09:10 ~ 10:10 第1会場(グランドプリンスホテル広島 2F 瀬戸内)

PM2.5のアレルギー性結膜炎の増悪作用

みむら村 達たつや1)、市瀬 孝道2)、高野 裕久3)、藤島  浩4)、溝田  淳1)

1)

帝京大、

2)

大分県立看護科学大、

3)

京大、

4)

鶴見大

O40

【目的】近年、黄砂や PM2.5 などの大気汚染物質は眼表面に炎症を及ぼすことが、明ら かとなってきた。我々は、黄砂などの大きな粒子は、物理的刺激により結膜上皮を損傷 することを報告した(2017 年角膜カンファランス)。今回、黄砂よりも、粒径が小さ い PM2.5 が眼表面に与える影響、ならびに花粉症の増悪効果について、マウス眼を用 いて検討した。【対象と方法】事前にスギ花粉抗原で感作した BALB/c マウスの片眼に 1) 生理食塩水(コントロール群)、2) スギ花粉抗原溶液(スギ群)、3)PM2.5 含有溶 液(PM2.5 群)、4) スギ花粉+ PM2.5 含有溶液(スギ+ PM2.5 群)を点眼し、24 時間後に結膜充血と浮腫の重症度を各群で比較した(各群 n=8)。また、24 時間後に 眼球を摘出し、結膜中の総 IgE 量を測定し、組織学的検討を行った。【結果】結膜充血 と浮腫のスコアーおよび結膜中の総 IgE 量に関する 4 群間の比較で、有意差が認められ

(p < 0.05、一元配置分散分析)、いずれの項目においてもスギ+ PM2.5 群が最も高 かった。組織学的検討では、スギ群と比較して、スギ+ PM2.5 群では、好酸球やマク ロファージの浸潤が強かった。【結論】スギ花粉は単独でもアレルギー性結膜炎を引き 起こすが、さらに PM2.5 がスギ花粉性アレルギー性結膜炎を増悪させている可能性が 示唆された。