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座長: 稲富  勉

(京都府医大)

O20 中谷  智 (順天大)

O21 脇舛 耕一 (バプテスト眼科)

O22 小林  顕 (金沢大)

O23 林  孝彦 (横浜南共済病院/横浜市大/自治医大)

O24 松本 大輝 (同志社大・生命医科学)

内皮移植

一般口演06 2月16日(金) 09:00 ~ 09:50 第1会場(グランドプリンスホテル広島 2F 瀬戸内)

デスメ膜剥離を併用した培養角膜内皮 細胞注入療法の有用性の検討

まつもと本 大だいき1)、奥村 直毅1)、福井 佑弥1)、寺本 真隆1)、今井 博文1)、 黒沢 哲太1)、島田 知輝1)、木下  茂2)、小泉 範子1)

1)

同志社大・生命医科学、

2)

京都府医大・感覚器未来医療学

O24

【目的】我々は培養角膜内皮細胞注入療法の開発を行っているが、Fuchs 角膜内皮ジスト ロフィ (FECD) 患者に対しては最終的に瞳孔領のデスメ膜を剥離(CCD)して細胞注 入をすることを想定しており、今回ウサギを用いてその可能性を検討した。

【方法】ウサギの角膜内皮をデスメ膜を残して剥離し、1)角膜中央部に直径 4 mm の CCD を行い培養角膜内皮細胞を前房内注射(CCD (+) 群)、2) CCD を行わず細胞 のみ注射(CCD (-) 群)、3) 注入液のみ注射(コントロール群)の 3 群(n=6)とし て検討した。前眼部の観察、角膜厚の測定、角膜内皮の観察を行った。14 日後に眼球 を摘出して、角膜内皮機能関連マーカーによる免疫組織学的検討を行った。

【結果】CCD (-) 群は 5-7 日後に CCD (+) 群は 10-14 日後に、全ての個体で角膜は透 明化および角膜厚の正常化を認めた。14 日後の角膜内皮細胞密度は CCD (+) 群のデ スメ膜を剥離した角膜中央で 1435 cells/mm2、デスメ膜が残存する周辺部で 1718 cells/mm2、CCD (-) 群の角膜中央で 1602 cells/mm2、周辺部で 1625 cells/mm2で あり、CCD を施行した角膜中央部においても、角膜内皮細胞密度の低下は認めなかっ た。角膜中央部、周辺部ともに機能関連マーカーを発現する多角形の単層構造の角膜内 皮の再生が認められた。

【結論】Guttae およびデスメ膜の肥厚が重度な FECD 患者に対して、CCD を併用する 角膜内皮細胞注入療法が選択肢となりえる可能性がある。

浅前房眼に対する粘弾性物質を使用したDescemet Membrane Endothelial Keratoplasty

はやし

  孝たかひこ1,2,3)、親川  格4)、湯田健太郎1,2)、清水 俊輝1,2)、 松澤亜紀子5)、山田 教弘6)、加藤 直子6)

1)

横浜南共済病院、

2)

横浜市大、

3)

自治医大、

4)

ハートライフ病院、

5)

聖マリ医大、

6)

埼玉医大

O23

【目的】Descemet Membrane Endothelial keratoplasty (DMEK) で は、 約 20 μ m 程度の薄い移植片を前房内に挿入する。欧米ではガラス製インジェクターを使用する術 者が多いが、硝子体圧の高い症例ではガラス管内への逆流や創口からの移植片脱出をき たす危険性がある。本邦では、レーザー虹彩切開術後などの浅前房症例が多く、挿入の 工夫が必要である。我々は、眼内レンズインジェクターと粘弾性物質を併用した挿入法 で良好な成績を得たので報告する。【対象と方法】対象は、2015 年 8 月から 2016 年 1 月に DMEK を施行したレーザー虹彩切開術後水疱性角膜症 (LIBK) の 9 例 11 眼(男 1 女 8、75.7 ± 4.1 歳)。全例、デスメ膜を剥離後、創口付近の前房内とインジェク ター(WJ-60M、参天製薬)内の移植片後方に低分子粘弾性物質 ( オペガン ) を充填 し、強角膜切開創より移植片を前房内に挿入、内皮面を下に展開後空気にて角膜裏面に 固定した。術後 6 ケ月における透明治癒率、空気再注入率、視力(logMAR)、角膜内 皮細胞減少率を後方視的に比較検討した。【結果】全例スムーズに移植片を挿入でき、

透明治癒した。矯正視力は術前 1.12 ± 0.55 から術後 6 ケ月には 0.00 ± 0.05 と有意 に改善した (p < 0.001)。術後 6 ヶ月の角膜内皮細胞密度は 1451.5 ± 424.3 cells/

mm2 であった(内皮細胞減少率;43.8 ± 14.8%)。【結論】浅前房眼に対する眼内レ ンズインジェクターと粘弾性物質を使用した DMEK は安全確実な手技である。

短時間で再現性良く行うことが出来る DMEK術式(デスメ膜把持法)の開発

こばやし林  顕あきら、横川 英明、森 奈津子、正木 利憲、杉山 和久

金沢大

O22

【目的】日本人の水疱性角膜症眼に対して、比較的短時間で再現性良く行うことが出来 る DMEK 術式を開発したので報告を行う。【対象と方法】当院にて同一術者により DMEK を施行した水疱性角膜症 6 例 6 眼(連続症例)。染色した直径 8 ミリの DMEK ドナーを、直径 2.4 ミリの耳側角膜切開より挿入した。ドナーの裏表を硝子体ライト

(あるいは OCT 手術顕微鏡 RESCAN700)を用いて確認した後、新規に開発したデ スメ膜把持セッシ(アシコ、AE-4933、AE-4934)を用いてドナー周辺部を前房内に て把持し、ドナーの unfolding を行った(デスメ膜把持法)。DMEK の成功率、ド ナー挿入から前房内への空気の最終注入までの時間を計測した(操作時間)。対照と して、従来の DMEK 術式(Melles の方法)10 例(連続症例)と比較検討した。【結 果】いずれの術式においても、全例で DMEK を行うことが可能であり、術中術後に合 併症は見られなかった。ただし、Melles の方法を用いた 10 例においては、操作時間が 平均 1310 秒かかったのに対して、デスメ膜把持法では平均 306 秒という短時間にて DMEK の前房内操作を完了することができた(P=0.01)。【結論】新規開発したデス メ膜把持セッシを用いたドナー操作(デスメ膜把持法)は、日本人水疱性角膜症に対し て、短時間でかつ再現性良く行うことが出来る優れた術式と思われた。

眼内レンズ縫着眼に対する角膜内皮移植術時 の術中眼内灌流液硝子体注入効果の検討

わきます

舛 耕こういち1)、北澤 耕司1,2)、山崎 俊秀1)、稗田  牧2)、稲富  勉2)、 外園 千恵2)、木下  茂2)

1)

バプテスト眼科、

2)

京都府医大

O21

【目的】眼内レンズ (IOL) 縫着眼に対する角膜内皮移植 (DSAEK) 術時では、術中の低眼 圧により前房内の空気が硝子体腔へ迷入する症例をしばしば経験する。今回、DSAEK ほぼ終了時に毛様体扁平部から硝子体腔に眼内灌流液を注入することで眼圧を上昇さ せ、空気の硝子体迷入を予防する効果について検討した。【方法】バプテスト眼科クリ ニックで同一術者により 2010 年 10 月から 2017 年 9 月まで IOL 縫着眼 ( 同時手術症 例を含む ) に対して DSAEK を行った 23 例 23 眼のうち、灌流液の硝子体注入を行わ なかった 16 例 16 眼 ( 注入 (-) 群 ) と、行った 7 例 7 眼 ( 注入 (+) 群 ) を対象とした。

眼内灌流液 (BSSplus) の硝子体注入は、20mmHg 以上を目標眼圧として、角膜輪部か ら 3.5mm の位置で 30G 針を用いて経結膜的に硝子体腔まで刺入させて行った。術中 空気の硝子体迷入の有無について検討した。【結果】灌流液注入 (-) 群では 16 眼中 7 眼

(44%)で硝子体腔への空気の迷入を認めたが、注入 (+) 群では 7 眼中 1 眼 (14%) で あった。また、注入 (+) 群では全例で術後網膜剥離や硝子体出血等の合併症を認めな かった。【結論】IOL 縫着眼に対する DSAEK では、術中に眼内灌流液の硝子体注入を 行うことで重篤な合併症を生じることなく空気の硝子体腔内迷入率を低下させることが 可能であると考えられた。

角膜内皮移植術(DSAEK)における術前 レシピエント角膜厚と術後視力との関係

なかたに

谷  智さとる、山口 昌大、舟木 俊成、村上  晶

順天大

O20

【目的】DSAEK の術前レシピエント角膜厚と術後視力との関係を検討した。【方法】

2009 年 5 月から 2014 年 9 月までに順天堂医院で DSAEK を施行した症例の中で、術 前にレシピエント角膜厚を測定できており、術後 3 年以上経過観察を行うことができ た 55 例 55 眼を対象とした。角膜内皮機能不全に至った原因はレーザー虹彩切開術後 29 眼、Fuchs 角膜内皮ジストロフィ 10 眼、白内障術後 10 眼、その他 6 眼であり、術 前に角膜浮腫と白内障以外に視力障害の原因があった症例は除外した。術前ホスト角膜 厚 700 μm未満(A 群 24 眼)と 700 μm以上 800 μm未満(B 群 18 眼)、800 μ m以上(C 群 13 眼)の 3 群に分け、術後 3 年視力および術後 3 年小数視力 1.0 以上

(logMAR 視力 0 以下)症例の割合を後ろ向きに多重比較検討した。【結果】全体の平 均年齢は 75.6 ± 7.3 歳、男性 18 眼、女性 37 眼、術前平均レシピエント角膜厚 759.9

± 174.8 μm、術後 3 年平均 logMAR 視力 0.24 ± 0.22 であった。各群の術後 3 年 平均 logMAR 視力は、A 群 0.16 ± 0.18、B 群 0.21 ± 0.22、C 群 0.38 ± 0.22 であ り A 群 C 群間に有意差(P = 0.023)が生じた。術後 3 年 logMAR 視力 0 以下の割合 は A 群 29.2%、B 群 27.8%、C 群 0%であったが、各群間に有意差はなかった(P > 0.05)。【結論】DSAEK では術前レシピエント角膜厚 800 μm以上になると術後平均 視力は有意に低下する。術後視力 1.0 以上を目指すには、術前レシピエント角膜厚 800 μm未満で DSAEK は施行したほうがよいと考えられる。

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特別講演・招待講演

シンポジウム

学術奨励賞記念講演

一般口演 ポスター ■ ■

創傷治癒

座長: 白石  敦

(愛媛大)

O25 比嘉 一成 (東京歯大・市川)

O26 子島 良平 (宮田眼科)

O27 佐藤 朋子 (近畿大)

O28 中野 優治 (日本医大)

一般口演07 2月16日(金) 09:50 ~ 10:30 第1会場(グランドプリンスホテル広島 2F 瀬戸内)

PPARαのangiopoietin-2を介した血 管新生抑制作用

なかの野 優ゆうじ1)、有馬 武志1,2)、内山 昌明1,2)、仲野裕一郎1,2)、 清水  章1,2)、高橋  浩1)

1)

日本医大、

2)

日本医大・解析人体病理

O28

【目的】peroxisome proliferator-activated receptor alpha (PPAR α ) は核内受容体 の1つで、脂質代謝や抗炎症作用など様々な作用を有する。また血管内皮細胞に多く局 在することが報告されている。今回我々は、PPAR αアゴニストの点眼剤を作成し、角 膜アルカリ外傷モデルにおける血管新生への影響を明らかにした。

【方法】PPAR αアゴニストである fenofibrate の点眼(P 群)と基剤点眼(V 群)を 作成し、アルカリ外傷作成後のラット角膜にそれぞれを継続点眼した。傷害作成から 6 時間、4 日、14 日後において、nestin 染色及び aminopeptidase P (JG12) 染色を行 い、病理学的に血管新生を評価した。また、vascular endothelial growth factor-A (VEGF)、angiopoietin-1 (Ang-1)、angiopoietin-2 (Ang-2) の mRNA を real-time reverse transcription polymerase chain reaction (RT-PCR) で測定し比較した。

【結果】nestin、JG12 染色ともに V 群に比較して P 群では陽性細胞が有意に減少し、血 管新生が抑制されていた。RT-PCR では傷害直後の V 群で Ang-2 の急激な上昇を認め た一方、P 群では傷害直後の Ang-2 及び 4 日目の VEGF、Ang-1、Ang-2 の発現が減 少していた。

【結論】Ang-2 は VEGF より早く上昇を認め、血管新生への関与が示唆された。PPAR αアゴニスト点眼は傷害直後の Ang-2 及び血管新生開始期での VEGF、Ang-1、

Ang-2 の発現を抑制することで新生血管発生に抑制的に作用したと考えられた。

角膜実質細胞の貪食能にPlasminogen が与える影響

さとう藤 朋ともこ1)、杉岡 孝二2)、青松 圭一1)、高橋  彩1)、三島  弘2)、 西田 輝夫3)、下村 嘉一1)

1)

近畿大、

2)

近畿大・奈良、

3)

山口大

O27

【目的】 角膜実質細胞は貪食能を有する細胞であり、創傷治癒過程において重要な役割 をしていると考えられている。Plasminogen(plg) は炎症反応や創傷時に角膜実質内に 存在し創傷治癒に関与する。そこで今回我々は角膜実質細胞の貪食能に plg が与える影 響について検討を行った。【方法】 実験にはヒト角膜実質細胞 (HCK) を使用した。

plg と HCK の結合を生体分子間相互解析装置である Iasis を用いた binding assay に より評価した。HCK と FITC 標識プラスティックビーズを共培養し、plg の投与2時 間後と24時間後に貪食能の比率をフローサイトメトリー(FACS)にて測定した。

6-Aminohexanoic Acid(EACA) を使用し、plg の HCK 表面への結合をブロックする ことによる貪食能の変化を検討した。【結果】 Iasis binding assay による検討では、

plg と HCK の結合は時間および細胞数依存的に増強した。FACS による貪食能の解析 では plg 刺激2時間後では貪食能に差は認めなかったが、24 時間後では plg の存在下 で HCK の貪食能は亢進した。また EACA にて plg の HCK への結合を block すると 貪食能は低下した。【結論】 plg は HCK の貪食能を亢進し、そのメカニズムは plg と HCK の結合が関与していると考えられる。今回の検討から HCK の plg による貪食亢 進作用は、表面上の plasmin 活性よるものではなく、HCK への binding により引き起 される可能性があると考えられた。

角膜上皮欠損に対する多血小板血漿点 眼薬の効果

ねじま島 良りょうへい平、岩崎 琢也、湯川 知恵、宮田 和典

宮田眼科

O26

【目的】多血小板血漿(platelet-rich plasma: PRP)は、創傷治癒に有効であるとされ ている。我々は 2017 年の臨床眼科学会総会で角膜上皮欠損に対する PRP 点眼薬の効 果について初期成績を報告した。今回、症例数を増加し、更なる検討を行ったので報告 する。【対象と方法】対象は、2017 年 3 月~ 9 月までに、両眼の顆粒状角膜変性に対 しエキシマレーザーを用いた治療的角膜切除術を行った 5 例 10 眼(年齢 : 55~73 歳)。

PRP 作製は、血液を 20 ml 採取し、ヘパリン 1 ml を加え、126g で 10 分間遠心し、

上清を採取した。1 ml の上清を別にとり、残りの上清を再度、246g で遠心し、沈渣を 先ほど残しておいた上清で懸濁し、点眼薬とした。方法は、同一患者の片眼に PRP 点 眼薬を使用し(PRP 群)、僚眼には使用しない(コントロール群)の 2 群に分け、術 直後、術後 1 日、2 日目に前眼部写真撮影を行い、角膜上皮欠損の面積を測定した。エ キシマレーザーは径 6 mm で照射し、術後点眼は両眼とも 1.5%レボフロキサシ、0.1%

フルオロメトロン点眼を用いた。【結果】上皮欠損の平均面積は、術直後では両群とも 28.26 mm2 であったが、術後 1 日では、PRP 群で 10.00 mm2、非使用群で 15.82 mm2、術後 2 日目ではそれぞれ 0.87 mm2、2.76 mm2 となり、PRP 群で上皮欠損は 有意に縮小した(Wilcoxon rank sum test、P < 0.05)。【結論】PRP 点眼は角膜上 皮欠損の創傷治癒促進に有効と考えられる。

羊膜由来間葉系細胞培養上清のウサギ 角膜上皮創傷治癒モデルへの影響

ひが嘉 一かずなり成、樋口 順子、佐竹 良之、山口 剛史、冨田 大輔、島崎  潤

東京歯大・市川

O25

【目的】羊膜は抗炎症作用や創傷治癒促進効果があるだけでなく血管のない免疫寛容組織 として欠損組織の代替えに移植されるなど、数多く臨床の場で使用されてきた。しか し、その効果や作用のメカニズムは不明点が多い。一方、間葉系幹細胞は様々な組織で 存在することが報告され、羊膜にもその存在が知られている。我々は昨年の角膜カン ファランス 2017 において、羊膜由来間葉系細胞が羊膜の持つ効果にどのように影響を 与えているか明らかにするため、in vitro 上皮創傷治癒モデルへの影響を観察し、羊膜 由来間葉系細胞にも創傷治癒促進効果があることを報告した。今回はウサギ角膜上皮欠 損モデルに対する羊膜由来間葉系細胞培養上清の影響を観察した。【方法】当院の羊膜 バンクより供給された羊膜から間葉系細胞を分離・培養し、その培養上清を用いて検討 した。角膜上皮の創傷治癒への影響を観察するため、ウサギ角膜中央部に 8mm トレパ ンで上皮欠損を作成したものを創傷治癒モデルとして実験に使用した。羊膜もしくは羊 膜由来間葉系細胞の培養上清ならびに培養前の培地をコントロールとしてウサギ創傷治 癒モデルへ点眼し、上皮化過程を経時的に観察した。【結果】羊膜由来間葉系細胞の培 養上清を点眼することにより、ウサギ創傷治癒モデルにおける上皮化が促進される傾向 を観察した。【結論】羊膜の持つ創傷治癒促進効果は羊膜に存在する間葉系細胞が一部 役割を担っている可能性が考えられた。