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図4-10 C線材とD線材の線径o.16mm (フィラメント径0.31μm)の試料の各 熱処理条件におけるλJ cの磁界依存性。 国:C-823K-75h,.Å.823K-142h, - :C-873K-25h, ():C-923K-9h, *:C-923K-18h,・:D-873K-75h,ム:D-923K -9h,口:D-923K-27h

-174-図4-11 S EMによるD線材の線径0.218mmCフィラメント径0.42μm)の650 'c-27h熱処理における破断面観察結果。 フィラメント内部のNb3Snの粒径は非常に 細かし\0

-175-これらの結果からブロンズ中のSn濃度が 比較的高く、 かつコアサイズが0.5μm 以下の線材では5500C以上の、 従来の生成熟処理と比較しでかなり低温の熱処理で Nb3Snが生成すること、 また反応が促進する熱処理温度以上であれば、 低温長時間 の熱処理が低磁界での高Jc化の条件であることが明らかになった。

4. 3. 4 交流損失

線材の交流損失測定は、 スパイラル状に熱処理した長尺試料の磁化をピックア ップコイルにより測定する磁化法 と近接効果と同様な短尺試料を用いてVSMに より磁化を測定する2種類の方法で実施した。

図4-12にB線材の履歴損失のフィラメント径依存性を示す。 近接効果による磁 化の増大の無いフィラメント径では、 フィラメントの縮径 化に伴う履歴損失の低 下が観測されている。 また低磁界振幅ではNbTi線材と同様に磁束線の可逆運動[6 OJに起因した損失の低下も観測された。

履歴損失を制御するためのもう一つの手段としてJcを制御することが考えられ る。 交流用NbTi線材のJcはフィラメント径によりほぼ一意的に決まるのに対し、

Nb3Sn線材のJcは最終的な生成熟処理により決定される特徴が ある。 従ってJc設 計に応じた生成熟処理を実行することにより、 履歴損失を必要最低限に抑えるこ とができる。 図4-13はC及びD線材のフィラメント径0.31μmの試料の各熱処理 条件における:t O. 5 Tでの履歴損失と入Jcの関係を示している。 熱処理条件を変 えることにより履歴損失は1. 75kJ/m3から12. 18kJ/m3まで変化し、 臨界状態モデル の予想通りλJcとほぼ比例した関係が得られている。

次に実際のフィラメント間の比抵抗を見積もるために結合損失の測定を行った。

測定はピックアップコイル法を用い 、 磁界振幅0.35 Tで周波数0.1"-1.0H zの三角 波形を印加して行った。 また同振幅での履歴損失をVSMにより測定し、 結合損 失の周波数をOに外挿した値の校正を行った。 測定試料としてD線材の線径O. 369

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Applied magnetic field amplitude (T)

図4-12 フィラメント径の異なるB線材における履歴損失の磁界振幅依存性。 熱 処理条件は各試料共に650'C-30hである。 O:df=0.91μm、....:df=0.74μm、口:df=

0.50μm

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図4-13 C線材及びD線材の各種熱処理条件を施した線径O.16mm試料における

磁界振幅O.5Tの履歴損失とλJcとの関係。 0:D-873K,ム: D-923K,口: C-823K, . :C-873K,�:C-923K

2 4 6 8 10 12

Hysteresis 10ss (KJ/m3/cyc1e)

-178-1

mm、 フィラメント径O.71μmのものを使用し、 測定精度を上げる為にツイスト ピッチは40mmと大きくした。 また熱処理は6500Cx 4 hで実施した。

測定結果を図4-14に示す。 周波数に比例した結合損失成分が測定され、 周波数

1 H zでの結合損失は約3200W/m3である。 ここでフィラメント問の比抵抗の評価

を行う。 挿引磁界速度と結合損失の関係はTurckの結合損失の評価式から計算する ことができる[49J。 フィラメント領域における結合損失[W/m3Jは、

Pcf= 1/ρ上(Lp/ 2π) 2B2x (Df/D) 2

であり、 シース領域では、

PCB= 1/ρ(L p/ 2π) 2B2X (D2-Dfつ/D2

(4-7)

(4-8)

となる。 ここでLpはツイストピッチ、 Dfはフィラメント領域の直径、 Dは素線 直径、 dB/dtは磁界挿引速度である。 結合損失の計算値を見積もるためにマトリク

スの比抵抗はNb3Sn生成反応後のマトリクスの平均比抵抗を用い、 またフィラメン ト領域の垂直比抵抗ρよはバリアが均一化したと仮定した低抵抗条件、 ρ上=ρ

( 1 -λf) / ( 1 +入。を用いる。 ここで入fはフィラメント領域でのフィラメ ントの占積率である。 測定した試料のパラメーターとして、 D= O. 369m m、 Df

=O.321mm、 入f=O.178、 ρ=1.26X10-7Qmを用い、 (4 -7)及び(4 -8)式に代入 して計算すると結合損失は836W/m3となる。 従って実際の結合損失は計算値と比較 しでかなり大きい。 この理由としてフィラメント聞のSn濃度が極端に低下してい ることが考えられる。 この現象はブロンズ法により製作された直流用線材におい

ても報告されており、 生成反応時のフィラメント問のSnが優先的に反応に使用さ れるためにその部分の濃度が外周部(シース部〉に比べて極端に低下することに よる[138Jロ シース部での結合損失を無視しすると、 測定値より見積もられるフィ

-179-ラメント間の垂直比抵抗ρj_ = 2. 5xIO-s Q mとなり、 従って比抵抗ρ= 3. 58xIO-8Q mとなる。 この値は反応後のマトリクスの比抵抗の推定値上26xIO-7Qmより かなり低い値である。 この結果から、 さらに結合損失を低下させるためには生成 熟処理後に5000C以下の比較的低温度で長時間のSn拡散熱処理を行い、 ブロンズマ

トリクス全体のSn濃度を均一化させる必要があることが明らかになった。

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