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e ラーニング教材の作成に関する研究報告

栄養士養成課程における入学前教育、初年次教育、補完教育等の プログラム展開と、それらの効果判定に関する研究

2.  e ラーニング教材の作成に関する研究報告

⑴ 2 年次生のための教材作成について

 栄養士協会実力試験問題ならびにフードスペシャリ スト認定試験の過去 5 年間の問題を用いて、e ラーニン グの教材を作成した。栄養士協会実力試験問題は、平 成 20 年から平成 24 年の問題を各年代毎に時間制原付・

自己採点式の要領で作成し、短期大学部の Web 上 ( 学 内 専 用 http://www2.nakamura-u.ac.jp/~sabe/) に ア ッ プロードした。フードスペシャリスト認定試験につい ても同様に平成 20 年から平成 24 年の問題を栄養士実 力試験と同様に作成した。また、フードスペシャリス トに関しては学生が苦手とする分野を集中的に学習し やすいように分野別の問題を作成した (http://www2.

nakamura-u.ac.jp/~sabe/foodfield.html)。栄養士実力試 験およびフードスペシャリスト認定試験のファイルは、

e ラーニング教材として利用するばかりではなく、学

生や授業担当者の利便性を考慮して Word 形式または html 形式のいずれかでダウンロードできるようにアッ プロードした。それぞれ、年代別、項目別にファイルを 作成した。Web 上に設置したアクセスカウンタ総アク セス数は、カウント設置後 1500 以上のアクセス数をカ ウントした。

⑵ 夏季休業時の課題作成について

 平成 23 年度より 2 年次生を対象に、夏季休業時に「栄 養士実力試験」および「フードスペシャリスト認定試験」

の過去 3 年間の問題を 1 冊の冊子にまとめ夏休みの課 題として与えた。また、栄養士実力試験の模擬試験を平 成 23 年度は 2 回、平成 24 年度は 3 回実施した。その 結果、平成 23 年度 12 月に実施された栄養士実力試験 では、全国平均値よりも高く、短期大学の平均値よりも 4 点高い結果が得られた。また昨年に比べ、A 判定の割 合も 22.5% 上昇した。

表 3 栄養士実力試験の結果

A 判定 B 判定 C 判定 計 H22 年度 64 人 81 人 6 人 151 人

42.4 % 53.6 % 4.0 % 100 % H23 年度 98 人 44 人 9 人 151 人 64.9 % 29.1 % 6.0 % 100 %

⑶ 1 年次生のための教材作成について

 平成 24 年度までに自学自習型の教材を作成するには 至らなかった。平成 24 年度の前学期と後学期に全学的 な授業アンケートとは異なる形式の授業アンケートを栄 養学総論、栄養学各論、栄養生化学の 3 教科において 別途実施した。特に、理解の困難な項目とその理由につ いて詳細に尋ねた。得られたアンケート結果を分析し、

教材作成の参考資料とする予定である。

3)3 班(吉田・寺澤班)の研究成果

 管理栄養士・栄養士の業務内容は、主に管理栄養士が 栄養指導を、栄養士がフードサービスを担当している。

これらの業務は、職域により重複することも多いが、今 後は栄養専門職に対する社会的ニーズの増大により、専 門性の違いがさらに明確になると考えられる。そのため、

栄養士業務では、対象者に適切な給食を提供するための 献立作成および調理技術の能力が重要である。本学科で は、それぞれの職域現場で即戦力となって活躍できる栄 養士の育成を図るため、学生の実態を把握し、より効果 的な教育を行って行く事が必要であると考えている。そ こで本研究は、栄養士養成における効果的な教育プログ ラム作成のための基礎的データを得る事を目的とし、本 学科2年生を対象に校外実習前後における調理および献 立作成能力についてアンケート調査を実施した。

 アンケートの調査方法は集合調査法とし、アンケー トは実習前および実習後で合計 2 回実施した。調査対 象者数は、平成 23 年度実習前 154 名、実習後 147 名、

平成 24 年度実習前 164 名、実習後 158 名であった。

実習前および実習後のアンケート回収率は、それぞれ平 成 23 年度 98.1%、93.6%、平成 24 年度 99.4%、95.8%

であった。調査時期は、いずれも実施前 8 月、実施後 は 9 月〜 10 月とした。調査内容は、校外実習の目標達 成度、実習中の基本的な態度、献立作成における理解度、

調理における技術および理解度、卒業後の栄養士への就 職希望、校外実習後の感想とした。アンケート集計は、

事業所、保育所、病院および高齢者施設の三区分で行っ た。実習施設区分毎の人数(校外実習を受講した実際の 学生数)を表1に示す。

 校外実習における目標達成度について、実習前は学生 本人が自己に課している希望を含めた「予想」として、

実習後は現実に実際の現場を体験しての「達成度」とし て質問した。その結果、実習前と実習後の比較では、平 成 24 年度の事業所を除き、全ての施設において実習前 に比べて、実習後に低い値を示していた(表2)。これは、

実際に実習を行う事により、学生達は知識や技術の未熟 さ、および社会の厳しさに気づき、実習後の意識に変化 が出てきたのではないかと考えられた。

 基本的な態度については、「規律を守る」「時間を守る」

「挨拶」「言葉づかい」「身だしなみ」「報告、連絡、相談 の徹底」および「自己啓発の努力」について質問した。

「とても良くできる」「良く出来る」と答えた割合は、平 成 23 年度、平成 24 年度で、いずれの実習先においても、

実習前に比べて実習後が高い値であり、基本的な態度の 向上が見られた(表3)。平成 22 年度も同様な結果が 得られている(プロジェクト研究成果報告書第2号)。

このことから、校外実習で実際の現場を体験する事は、

学生の社会性が養われ、今後必要となる社会人としての 基本的な態度を身に付けることに繋がっていることが明 確に示された。

 栄養士において、献立作成および調理はその要となる 業務である。従って、献立作成に必要な知識は、「給与 栄養量および食品構成」、「料理の組み合わせ」、「食材料 および調味料の適正な量」、「対象者に合わせた食材料の 選択」および「食材知識」について質問した。実習前と 実習後の比較において、「食材料および調味料の適正な 量」、「対象者に合わせた食材料の選択」および「食材知識」

の質問で「理解している」「まあまあ理解している」と 答えた割合は、平成 24 年度では、いずれの実習先でも 実習後の値が高くなっていた(表4)。調理では、「材料 の切り方(スピード)、(きれいさ)」「材料の切り方の種 類に対する理解」、「料理の手順」および「作業効率」に ついて質問した。実習前と実習後の比較において、平成 23 年度はほとんどの項目が低下を示したが、平成 24 年度は、「食材の切り方(きれいさ)」以外は、実習後に 全ての項目で自己評価が向上していた(表5)。これら のことから、平成 24 年度は、献立および調理における

自己評価が、実習前に比べて、実習後に良くなる傾向を 示していると考えられた。

 「卒業後の栄養士への就職希望」において、「是非なり たいと思う」「なりたいと思う」の割合は、平成 23 年 度では、事業所において実習前に比べて実習後が高かっ たものの、保育所および病院で低下していた。一方、平 成24年では、いずれの実習先でも高い値を示す傾向 であった。現在、病院への実習希望者は年々低下傾向 であり、平成 23 年度は全体の 43.3%、平成 24 年度は 33.9% であった。病院での業務は、管理栄養士と栄養士 の違いが明確であり、短期大学部の学生にとっては、病 院での実習はハードルが高いと感じているようである。

しかしながら、少数であるからこそ、やる気のある学生 が病院を選択し、学生と病院実習内容との不適合を防ぐ ことが出来ているのかもしれない。今後もこの傾向が続 くかもしれないが、学生の適正をよく判断しながら、実 習先を選択して行く必要があると考えられる。

 校外実習後の意見として、卒業までにさらに学びたい ことは、平成 23 年度、24 年度のいずれの調査におい ても、調理技術と献立作成が示された。食物栄養学科で は、調理技術の向上を目指して 1 年次後学期に特別調 理実習 I、2年次前学期に特別調理実習 II(調理製菓専 門学校において夜間開講)、また応用力の修得のため、

2 年次後学期で調理・実践栄養実習が開講されている。

今後は、特別調理実習 I、II の受講の有無も考慮し、カ リキュラムの改善がどのように学生の意識や自己評価に 影響したのか検討して行く予定である。得られたデータ については、今後の学生の調理および献立作成能力向上 に向けて、更なる教育内容の改善に繋げて行きたいと考 えている。

表 1 施設別実習学生内訳

平成 23 年度 平成 24 年度 実数(人) 構成比(%) 実数(人) 構成比(%)

事業所 16 10.2 21 12.7

保育所 73 46.5 88 53.3

病院・

高齢者福祉施設 68 43.3 56 33.9 全体 157 100.0  165 100.0 表 2 実習前と実習後における目標達成度の比較

平成 23 年度 平成 24 年度 実習前% 実習後% 実習前% 実習後%

全体 67.5 50.3 81.7 71.5 事業所 68.8 47.1 66.7 84.2 保育所 69.0 51.5 87.2 74.7 病院・高齢者福

祉施設 65.7 50.0 78.9 64.3 表中の数値は、目標達成度 80%以上と回答した人数の割合を示す。

 

表 3 実習前と実習後における実習中の基本的な態度の比較 平成 23 年度 平成 24 年度 実習前% 実習後% 実習前% 実習後%

規律を守る

全体 72.1 87.8 81.7 96.8 事業所 62.5 94.1 81.0 100.0 保育所 67.6 85.3 79.1 97.6 病院・高齢者福

祉施設 79.1 88.7 86.0 94.6 時間を守る

全体 76.6 93.9 77.4 94.9 事業所 81.3 94.1 76.2 94.7 保育所 76.1 94.1 80.2 94.0 病院・高齢者福

祉施設 76.1 93.5 73.7 96.4 挨拶

全体 66.9 83.7 82.9 94.9 事業所 81.3 94.1 90.5 94.7 保育所 57.7 86.8 81.4 97.6 病院・高齢者福

祉施設 73.1 77.4 82.5 91.1 言葉遣い

全体 53.9 76.9 66.5 89.2 事業所 50.0 88.2 81.0 100.0 保育所 49.3 76.5 65.1 88.0 病院・高齢者福

祉施設 59.7 74.2 63.2 87.5 身だしなみ

全体 58.4 81.0 69.5 91.1 事業所 56.3 76.5 71.4 100.0 保育所 56.3 86.8 68.6 90.4 病院・高齢者福

祉施設 66.1 75.8 70.2 89.3 報告・連絡・相談の徹底

全体 53.2 49.7 65.9 82.9 事業所 56.3 70.6 57.1 100.0 保育所 52.1 76.5 70.9 85.5 病院・高齢者福

祉施設 53.7 64.5 61.4 73.2 自己啓発の努力

全体 51.3 68.7 59.1 80.4 事業所 62.5 76.5 52.4 94.7 保育所 46.5 72.1 61.6 84.3 病院・高齢者福

祉施設 53.7 62.9  57.9 69.6 表中の数値は、「とてもよく出来た」、「よく出来た」と回答した人数 の割合を示す。

表 4 実習前と実習後における献立作成に対する理解度の比較 平成 23 年度 平成 24 年度 実習前% 実習後% 実習前% 実習後%

給与栄養量および食品構成

全体 74.0 73.5 90.2 84.8 事業所 81.3 70.6 90.5 89.5 保育所 69.0 66.2 93.0 84.3 病院・高齢者福

祉施設 77.6 82.3 86.0 83.9 料理の組み合わせ

全体 77.9 83.0 93.9 91.1 事業所 73.8 88.2 90.5 94.7 保育所 81.7 85.0 98.3 92.8 病院・高齢者福

祉施設 79.1 87.1 87.7 87.5

食材料および調味料の適正な量

全体 50.6 51.0 63.4 72.8 事業所 50.0 47.1 57.1 73.7 保育所 50.7 44.1 67.4 72.3 病院・高齢者福

祉施設 50.7 59.7 59.6 73.2 対象者に合わせた食材料の選択

全体 55.8 61.9 76.8 83.5 事業所 62.5 47.1 76.2 78.9 保育所 59.2 66.2 80.2 88.0 病院・高齢者福

祉施設 50.7 61.3 71.9 78.6 食材知識(種類・旬・栄養価など)

全体 51.9 54.4 68.9 72.8 事業所 62.5 47.1 71.4 84.2 保育所 49.3 52.9 72.1 72.3 病院・高齢者福

祉施設 52.2 85.5 63.2 69.6 表中の数値は、「理解している」、「まあまあ理解している」と回答し た人数の割合を示す。

表 5 実習前と実習後における調理に対する技術および 理解度の比較

平成 23 年度 平成 24 年度 実習前% 実習後% 実習前% 実習後%

食材の切り方(スピード)

全体 22.1 12.2 17.1 22.2 事業所 25.0 17.6 14.3 21.0 保育所 14.1 7.4 19.8 21.7 病院・高齢者福

祉施設 29.9 16.1 14.0 23.2 食材の切り方(きれいさ)

全体 31.2 36.1 43.3 46.2 事業所 50.0 35.3 42.9 42.1 保育所 39.4 27.9 43.0 45.8 病院・高齢者福

祉施設 44.8 37.1 48.9 48.2 食材の切り方の種類に対する理解

全体 77.3 78.9 81.7 86.7 事業所 68.8 76.5 71.4 84.2 保育所 83.1 80.9 84.9 90.4 病院・高齢者福

祉施設 73.1 77.4 80.7 82.1 料理の手順

全体 70.1 65.3 77.4 85.4 事業所 68.8 58.8 85.7 100.0 保育所 69.0 61.8 81.4 84.3 病院・高齢者福

祉施設 71.6 71.0 68.4 82.1 作業効率

全体 47.4 37.4 55.5 62.7 事業所 50.0 52.9 61.9 68.4 保育所 49.3 32.4 58.1 65.1 病院・高齢者福

祉施設 43.3 43.5 49.1 57.1 表中の数値は、食材の切り方(スピード)では「はやい」、「ややはやい」、

食材の切り方(きれいさ)および作業効率では「できている」、「まあま あできている」、食材の切り方の種類の対する理解および料理の手順で は「理解している」、「まあまあ理解している」と回答した人数の割合を 示す。