第 3 章 ユースケースに基づく接合方 式の提案式の提案
3.2 ユースケースに基づく接合方式の提案
前述のユースケースの表から,固定タイプ,移動タイプ,回転タイプそれぞれの 物理接合方式の傾向を確認することができた.続いて,これまでに列挙した物理 接合方式と
2
媒体での通信,給電が同時に可能な接合方式の組み合わせを行う.また,今回は性質が同じモノ同士に対する提案する.なぜなら,性質が異なる モノ同士の接合はお互いの物理的な接合部を柔軟に設計や標準化されると接合で き,電気特性の面の研究と離れているため.より広く傾向を把握するため,モノ の性質が極端な
2
つのユースケース(図(3.1)
から図(3.6)
の図中の橙色の行),硬 い厚い重い場合と,柔らかい薄い軽い場合を取り上げ,接合方式を提案する.接合方式を提案する際に次に示す
FG
の理論とハンドルの電極構造を参考にし た電気回路理論を用いる.FG(Frame Ground)
:金属製の筐体をアース接地に接続せずに,グランド(−極)とすることで各回 路の安定した基準電位(
0V
)を作るもの.自動車のステアリングホイール(ハンドル)に用いられる電極の構造:
回転軸を−極と設定した場合,その周りに同心円状の+極の電極を配置し+の 電極と,回転する側のモノに付いている端子を接触させることでモノが回転した としても,通電が確保される構造.
接合方式の提案を具体的には以下のように示す.また,実用性をより求めるた め,より一般的に使用されている部品を実物の代表例としてあげて参考として示 す.
提案対象ユースケース:
硬い厚い重い
1.
固定タイプ−自由脱着 (物理方式:爪・鉤)2.
回転タイプ−随時回転 (物理方式:蝶番)3.
移動タイプ−使用時固定 (物理方式:スライドレール)4.
移動タイプ−随時移動 (物理方式:スライドレール)柔らかい薄い軽い
1.
固定タイプ−自由脱着 (物理方式:針とボタン)2.
回転タイプ−随時回転 (物理方式:2
つの連結した回転体)3.
移動タイプ−随時移動 (物理方式:スライドレール)実物の代表例として今回媒体に使用した物理方式のモノの仕様は次の通りである.
爪・鉤
カギホック
L
KAI
(株)KM-3052
材質
:
鉄(
ニッケルメッキ)
ベルト付きスカート,ズボンに使用蝶番
蝶番 ヒットハードウエア社
3-281
材質
:
真鍮 厚口(1.4mm
厚)
サイズ51mm
小箱,小型家具,軽い扉に使用 スライドレールスライドレール
AIWA
社AP-1120C(246mm)
片側で172mm
スライドする 耐荷重10kg
針
ヒートン 大里
(株)
KO-202
材質:
真鍮#
0(
d1.8)
銅箔テープ
Nitto
社J3160
総厚0.08mmX
幅38mmX
長さ5m
ボタン
スナップボタン
KAI(株) KM-3044 10mm
一般生地用材質
:
真鍮 回転体アジャスタービス首振
loyae
社WS/16X30
材質: 本体/ステンレス 底/ポリアミド ねじ/鉄
(クロメート)
銅線(
銅針金)
八幡ねじ(
株)
# 20X5
使用荷重
4kgf
線経0.9mm
以下にこれらの詳しい解説を示す.
硬い厚い重い
1.
固定タイプ−自由脱着 (物理方式:爪・鉤)提案方式
爪を+電極とし,
FG
の手法を参考に繋がる2
つのモノの筐体を−電極とする.実物代表例
説明のため,実物代表例の図はモノの筐体部分を省略し,モノ同士の接合部だ けを示している.今回は筐体が無いため,−電極は
FG
の理論を用いてケーブル 同士を直接繋いだ.詳細を図
(3.7)
に示す.2.
回転タイプ−随時回転 (物理方式:蝶番)提案方式
蝶番を
1
つ使用し,蝶番を+極とし,FG
の手法を参考に繋がる2
つのモノの筐 体を−電極とする.蝶番の回転可能角度は0
から360
度である.実物代表例
説明のため,実物代表例の図はモノの筐体部分を省略し,モノ同士の接合部だ けを示している.今回は筐体が無いため,−電極は
FG
の理論を用いてケーブル 同士を直接繋いだ.詳細を図
(3.8)
に示す.3.
移動タイプ−使用時固定 (物理方式:スライドレール)提案方式
スライドレールを
1
本使用し,スライドレール内部に設置する電極を+極とし,FG
の手法を参考にレールの外部とモノの筐体を−電極とする.移動時は通電して いないが,固定すると2
つのモノがせり上がり,スライドレールとモノとが接触 することで電気的接続が可能となるものである.実物代表例
説明のため,実物代表例の図はモノの筐体部分を省略し,モノ同士の接合部だ けを示している.今回は筐体が無いため,−電極は
FG
の理論を用いて金属製の板 に直接繋いだ.また,せり上がり固定される機構の再現が困難であったため,今回 は図のような実物代表例を用いてあらかじめせり上がっている状態を再現し,つ まり既に固定された状態で測定した.詳細を図
(3.9)
に示す.図はイメージであるため,モノは1
つしか表現していない.
4.
移動タイプ−随時移動 (物理方式:スライドレール)提案方式
スライドレールを
2
本使用し,1
つのスライドレール内部に設置する電極を+極 とし,もう1
つのスライドレール内部に設置する電極を−電極とする.移動時と 固定時に関わらず,スライドレールと2
つのモノとが接触していることから電気 的接続が可能となるものである.実物代表例
説明のため,実物代表例の図はモノの筐体部分を省略し,モノ同士の接合部だ けを示している.スライドレールが
2
つの場合より1
つの場合は特殊で今回はス ライドレールを1
つ使い測定した.筐体が無いため,−電極はFG
の理論を用いて 金属製の板に直接繋いだ.使用したスライドレールは随時移動可能である.詳細を図
(3.10)
に示す.図はイメージであるため,モノは1
つしか表現していない.
柔らかい薄い軽い
1.
固定タイプ−自由脱着 (物理方式:針とボタン)提案方式(針)
まず,非常に薄い
2
つのモノの接合に対して針をモノに差すことでモノ同士を 固定する手法を提案する.実物代表例(針)
説明のため,実物代表例の図はモノのボディー部分を省略し,モノ同士の接合 部だけを示している.
詳細を図
(3.11)
に示す.提案方式(ボタン)
また,ボタンを用いて固定する手法も提案する.これは,
2
組のボタンを使って 片方のボタンのペアを+極,もう一方のボタンのペアを−極としてモノ同士を接 合する手法である.1
組のボタンで物理的接合を行うことは可能だが,ここでは電 気回路を構築するため2
組のボタンを用いた.また,ボタンを2
組用いることで より強固な物理的接合が可能となる.実物代表例(ボタン)
説明のため,実物代表例の図はモノのボディー部分を省略し,モノ同士の接合 部だけを示している.
詳細を図
(3.12)
に示す.2.
回転タイプ−随時回転 (物理方式:2つの連結した回転体)提案方式
自動車のステアリングホイール(ハンドル)に用いられる電極の構造を参考に して,車輪のような回転可能な
2
つのモノを連接棒にて接合し,各自の回転軸を−極,回転中心に同心円状の+極の電極を配置する.本来ならば回転体の周りに柔 らかいモノが付いているが説明のため,今回は柔らかいものを省略する.+極の 電極と連接棒は金属スライド式の棒とつながっている.連接棒は二重構造となっ ており,+極と−極を共有する.
実物代表例
説明のため,実物代表例の図はモノのボディー部分を省略し,モノ同士の接合 部だけを示している.使用した回転体は随時移動と角度変化可能である.連接棒 の二重構造を再現することが困難であったため,今回は銅製の針金を連接棒の二 重構造のー極として代用した.また,連接棒は+極として利用する.
詳細を図
(3.13)
に示す.3.
移動タイプ−随時移動 (物理方式:スライドレール)提案方式
カーテンのような柔らかく,随時移動可能な
2
つのモノと1
本のスライドレール を接合する手法である.スライドレールを+極としてモノと接合し,−極はケー ブルを用いて配線する.なぜならば,布のようなモノは絶縁体であることからFG
理論を適用できないためである.
実物代表例
説明のため,実物代表例の図はモノのボディー部分を省略し,モノ同士の接合 部だけを示している.使用したスライドレールは随時移動可能である.
詳細を図
(3.14)
に示す.6LJQDO /LQH
5HWXUQ/LQH
̏
− ۅ )*घ๑
ۅ ۅ
図
3.7:
ユースケース:硬い厚い重い1
.固定タイプ−自由脱着(物理方式:爪・鉤)の提案方式と実物代表例
6LJQDO/LQH
5HWXUQ /LQH
Ϡό̏൬
Ϡό൬
− )*घ๑ ۅ
ۅ ۅ
図