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9. 電荷測定の不確かさと海外規格との比較

9.1. ユーザーによる電荷測定の不確かさ

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不確かさ評価に引用してはならない.ユーザーは自施設の放射線照射装置を用いて,モニタ 線量計に対する電離箱を含めた電位計の指示値の平均値の相対標準偏差を求め,その値で 繰返し性の不確かさを置き換えることによって,水吸収線量計測の不確かさを評価しなけ れば,正確な不確かさとはならない.

表 9.1 から分かるように,本ガイドラインで定めた性能要件において,電荷蓄積方式の 電位計と電流積算方式の電位計の不確かさはほとんど変わらない.一方で,自動放電方式の 電位計はデッドタイムに起因する不確かさが大きいため,他の方式に比べてやや大きな不 確かさとなっている.なお,自動放電方式の電位計は IPEM ガイドラインなどではリファ レンス線量計としての使用が推奨されていない.

分離校正の場合は,電位計校正定数の不確かさに非直線性の不確かさが含まれるため,わ ずかに一体校正の場合よりも不確かさが小さくなる(「8.5. 電位計校正定数の運用」を参照).

これは,電位計校正によって電荷の指示値だけでなく,非直線性についても校正されるため,

非直線性の不確かさが小さくなるためである.

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表 9.1 電荷測定の不確かさ

項目番号 性能要件 許容値 相対標準不確かさ [%]

電荷蓄積方式 電流積算方式 自動放電方式

4.1 有効範囲 10:1以上 - - -

4.2 極性の表示 極性表示があること - - -

4.3 表示分解能 4桁以上,0.1 % 0.058 0.058 0.058

4.4 応答時間 3 秒以内 - - -

4.5 繰返し性 0.1 % ※1 0.1 0.1 0.1

4.6 ゼロ点ドリフト ±0.1 % 0.058 0.058 0.058 4.7 ゼロ点シフト ±0.1 % 0.058 ※2 0.058

4.8 電荷漏れ ±0.1 % 0.058 - 0.058

4.9 非直線性 ±0.2 % 0.12 0.12 0.12

4.10 レンジ ±0.2 % - - -

4.11 入力チャンネル ±0.2 % - - -

4.12 パルス影響 ※3 ±0.2 % 0.12 0.12 0.12

4.13 オーバーフロー 表示があること - - -

4.14 長期安定性 ±0.2 % 0.12 0.12 0.12

4.15 安定化時間 ±0.2 % 0.12 0.12 0.12

4.16.1 温度係数(電位計校正定数) ± 0.015 % ℃-1 0.044 0.044 0.044

4.16.2 温度係数(ゼロ点ドリフト)※4 ± 0.015 % ℃-1 0.018 0.018 0.018

4.17 湿度影響 ±0.10 % - - -

4.18 ゼロ調整 ゼロ調整機能があること - - -

4.19 線量率依存性 ±0.2 % 0.12 - 0.12

4.20 デッドタイム ±0.5 % - - 0.29

4.21 散乱線( < 25 μSv h-1) ± 0.1 % - - -

4.22 EMC ±1.0 % - - -

4.23 高圧電源 設定値±1 % - - -

4.24.1 主電源の静的変動 ±0.2 % 0.12 0.12 0.12

4.24.2 主電源の動的変動 ±0.2 % 0.12 0.12 0.12

4.24.3 バッテリー運転時 ±0.2 % - - -

4.25 1) 基準振動子 100 ppm - 0.01 -

2) 時間表示分解能 0.5 秒 - - -

3) 積算時間設定分解能 1 秒 - - -

4.26 ケーブル影響 ±0.1 % 0.06 0.06 0.06

電位計の指示値 [rdg]の合成標準不確かさ(一体校正) 0.35 0.32 0.46 電位計校正定数の不確かさ※5 0.1 % 0.1 0.1 0.1

測定電荷 [C]の合成標準不確かさ(分離校正) 0.35 0.32 0.45

※1 実際の測定では,電離箱の繰返し性とモニタ線量計の繰返し性の不確かさが加わるため,ユーザーが実際に評価した値を用いることが必 要である.

※2 常時測定状態の電流積算方式の電位計は該当しないが,測定状態と停止状態で測定装置内の回路の切り替えがある電流積算方式電位計は 電荷蓄積方式と同じ不確かさがある.

※3 放射性同位元素からの放射線を測定する際は,信号電流が直流電流であると見なせるのでパルス影響の不確かさは考慮しなくて良い.

※4 ゼロ調整後1時間以内に測定すると仮定し,温度変動±2 ℃によるゼロ点ドリフトの変動を仮定した.

※5 「8.5. 電位計校正定数の運用」の例で求めた不確かさを代表値とし,実際の非直線性の不確かさを加味し,0.1 %に切り上げて引用した.

電位計校正定数の不確かさ評価において非直線性の不確かさを考慮しているため,「4.9 非直線性」の性能要件から見積もられる不確かさは考慮 されない.

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