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モフォロジーを用いた曲面形状進化の理論

第 6 章 結論 77

C.2 モフォロジーを用いた曲面形状進化の理論

C.2.

モフォロジーを用いた曲面形状進化の理論

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と定義される.またBが凸であれば,nBBと同じ形状でサイズがn倍になっている.よっ てある図形Aの構造化要素Bによるdilationをn回行うことと,Bn倍に拡大したサイズ

nの集合nBによるdilationを一回行うことは等しい.つまり,

A⊕nB = A⊕(B⊕ · · · ⊕B)

= (· · ·(A⊕B)⊕ · · ·)⊕B (C.7) である.代数的には,dilationの結合則を用いて証明できる.erosionについても同様に,あ る図形Aの構造化要素Bによるerosionをn回行なうことと,Bn倍に拡大したサイズn

の集合nBによるerosionを一回行なうことは等しい.つまり,

A nB = A (B⊕ · · · ⊕B)

= (· · ·(A B) · · ·) B (C.8) である.代数的には,erosionの分配則を用いて証明できる.さて逆に,サイズを大きくする のではなく小さくしても同じことがいえる.つまり,凸な構造化要素を用いたモフォロジー 演算を解析するには,形状が同じで大きさが1/nの構造化要素を用いてn回演算をほどこし てやれば良い.さらにn→ ∞とすると,図形の時間による微小変化が可能である.

次の性質は,モフォロジー演算を用いてある図形SS0に変形する作業は,境界面∂Sだ けにモフォロジー演算をして∂S0に変形する作業に集約されるという点である.

三つ目の性質は,十分小さな構造化要素を用いて連続な境界面に対してモフォロジー演算 を施してやると,法線方向にある量だけ変形していることと等しいことである.(ある量につ いては後ほど,β(s, t)という形で説明を加える).今述べたことを解析的に考察する.ある図 形S(s, t)に構造化要素B(λ) を用いてモフォロジー演算をした結果が,S(s, t+λ)になる場 合について考える.ここで,Sの最初の変数は曲面上の点を表す変数,二番目の変数は時間,

Bの変数はサイズの大きさを表す.この変形は次の式で表すことができる.

S(s, t+λ)−S(s, t) = Γ(s, t, λ)N~(s, t) (C.9) ただし,Γは,境界面上S(s, t)の点P(s)がサイズλの構造化要素によってモフォロジー演 算が施された結果として動いた法線方向,N~ の距離である.Γ(s, t,0) = 0であることに注意 すると,λ→0としてやると

∂S(s, t)

∂t = lim

λ0

Γ(s, t, λ) λ N~

= ∂Γ(s, t,0)

∂λ N~

= β(s, t)N~ (C.10)

C.2.

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となることがわかる.β(s, t)を成長速度と呼ぶことにする.このβ(s, t)は,等高面法での成 長速度Fにあたる.さて,このβ(s, t)の大きさについて,次のような定理が知られている[?]. Theorem 1 β(s, t)の大きさは,構造化要素Bを点Pにおける法線N~ に射影を下ろした時 の最大値である.

例えば,構造化要素が半径1の球の時,成長速度β(s, t)は,

β =±1 (C.11)

となる.これは,等速度で曲面が変形することを意味する.今度は,構造化要素が長径2A短 径2Bであるような楕円であるとする.x軸と長径の軸の角度が,θBである時,点Pにおけ るβ(s, t)の値は,

β(θ) =

A2sin2−θB) +B2cos2−θB) (C.12) となる.ただしθは,点Pにおける接線とxの角度である.

以上より,ホイヘンスの原理による曲面の伝播が,構造化要素が球であるようなモフォロ ジー演算を用いて実現できることが示された.

第 D 章 形状強調フィルタ

Satoらが提案した形状強調フィルタについて述べる[63].本フィルタでは,輝度値のヘシ アン行列を算出し,算出したヘシアン行列の固有値を用いることで,関心領域の形状を強調 する.xにおける輝度値をI(x)とするとき,ヘシアン行列は,次のように定義される.

2I =

Ixx Ixy Ixz

Iyx Iyy Iyz

Izx Izy Izz

(D.1)

ただし,下付き文字は二次微分を表し,例えばIxx= 2

∂x2I を表す.D.1に示すヘシアン行列 の固有値をλ1λ2λ31≥λ2 ≥λ3),対応する固有ベクトルをe1e2e3とすると,e1 は二次微 分が最も大きい方向を表し,λ1はその大きさを表す性質がある.同様にe3λ3は二次微分が 最も小さい方向とその大きさを表す性質がある.更に,e2λ2e1e3に直交した方向とそ の大きさを表す性質がある.これらの性質から,固有値λ1λ2λ3を用いることで,シート状・

線状・球状といった形状を判別することが可能になる.形状と固有値の関係から,線状の形 状強調フィルタをSatoらは次式のように定義した.

Sline(I) =

3| ×ψ(λ2, λ3)×ω(λ1, λ3) λ3 ≤λ2<0

0 otherwise

(D.2) ただし,

ψ(λs, λt) =

(λs

λt)γ λt≤λs <0 0 otherwise

(D.3)

ω(λs, λt) =

(1 + λs

t|)γ λt≤λs 0 (1−α λs

t|)γ t|

α ≥λs0

0 otherwise

(D.4)

である.αγは定数であり,Satoらはα= 0.25,γ = 0.5としている.同様に,シート状 と球状の形状強調フィルタは次式のように定義した.

Ssheet(I) =

3| ×ω(λ2, λ3)×ω(λ1, λ3) λ3 <0

0 otherwise

(D.5)

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