第 4 章 マイクロ波プラズマ加熱を用いたニッケルシリサイ
5.2 実験方法
下記にTFT作製プロセスを記載する。
1, アモルファスSi(a-Si)成膜
基板は、石英基板を用いて、a-Si成膜前に基板洗浄を行う。洗浄液は、バッ ファードフッ酸(BHF)を水で約 30%程度まで薄めた洗浄液を使用する。洗浄時 間は、約30秒を目安とするが、基板の水弾き性(接触角)から判断を行う。洗浄 前は、有機汚染等で水を弾くが表面の汚染が除去されると水を弾かなくなるこ とで最終的な判断を行う。
その後、固体ソース MBE 装置にて a-Si を成膜する。成膜前に 200℃×30 分 のベークを行い基板の水分を蒸発させてからa-Siを100 nm成膜する。成膜温 度は分流を行い、室温・100 ℃・200 ℃・300 ℃・400 ℃の条件を準備した。
室温及び100℃成膜のサンプルは酸化防止のため、成膜後に200℃×30分のベー
クを行う。
上記のベークから成膜及びサンプルによってはアフターベークまでを大気 開放すること無く一貫して行う。
2, AWASEマーク作成
フォトリソグラフィ工程を複数回行うため、基準となる合わせマークの作製 を行う。図 5.2.1 は、合わせマークの図であり田の字となっている。田の字の 中にそれぞれ■のパターンを入れることでマスク合わせを行う。フォトリソグ ラフィは下記の標準条件で実施する。
図5.2.1 AWASEマーク
○フォトリソグラフィ標準条件
1,必要に応じてOPA(東京応化工業)をスピンコート法で塗布後ホットプレー トで90 ×10分ベークを行う。
2,フォトレジスト(東京応化工業:OFPR-800 LB)を塗布後ホットプレートで 90 ×20分ベークを行う。
3,パターンを合わせて露光を7秒実施する。
4,現像液(東京応化工業:NMD-W 2.38%)で60秒を目安に現像を行う。(現像 の後には顕微鏡で確認する。)
5,ホットプレートで90℃×20分ベークを行う。
*ただし、次工程がウエットエッチングプロセスの場合はベーク温度を 120 に変更をする。
AWASEマークは、ドライエッチング装置にてa-Siをエッチングする事で加
工を行う。ガスはCF4,エッチング時間は180秒程度実施する。
ドライエッチング後は、アセトンでフォトレジストを除去する。
3, 素子分離工程
合わせマーク同様にフォトリソグラフィを行い、その後ドライエッチングを 行うことで各素子間の分離を行う。図5.2.2にパターンを示す。
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図5.2.2 素子分離(MESA)パターン
図5.2.3 コンタクト(CONT)パターン 4,タングステン成膜
結晶化を行うために熱源となるタングステン膜をスパッタ装置にて成膜を 行う。タングステンはソース・ドレイン領域よりも一周り小さい図 5.2.3 のよ うなコンタクトパターンを用いてリフトオフにてパターニングする。まずはフ ォトリソグラフィを行い、その後レジスト残りが有ることを想定し O2 アッシ ングを 10 秒行う。アッシング後スパッタ装置でタングステンの成膜を行う。
成膜条件は、ガス Ar 4 sccm, 圧力 5 Pa, 膜厚 150 nm(30分), パワー150 W, 基 板温度は室温の条件で行う。成膜後アセトンでレジストを除去するとともに上 層部のタングステンも除去してパターニングする。
図5.2.4 イオン注入領域 (SD)パターン 5, マイクロ波プラズマ加熱
マイクロ波プラズマ加熱を用いてa-Siの結晶化を行う。加熱条件は圧力30 Pa,
水素流量20 sccm,加熱時間は分流を行い60秒と120秒の条件で行う。結晶化を
していることはラマン分光スペクトルにて確認を行う。
6, イオン注入
ソース・ドレイン領域にイオン注入を行うため、フォトリソグラフィにて図
5.2.4 のようなパターニングを行う。イオン注入は、イオン種:As, 加速電圧:
50 kV, ドーズ量1.0×1015 cm2の条件で行う。イオン注入後、アセトンにてレジ
ストを除去する。アセトンで除去出来ない場合はアッシングを行う。
6, 活性化アニール
ソース・ドレイン領域の活性化のため、マイクロ波プラズマ加熱を用いてア ニールを行う。加熱条件は、圧力:30 Pa, 水素流量:5sccm, マイクロ波出力:
1000 W, 加熱時間:30秒で行う。
7, ゲート酸化膜形成
ゲート酸化膜にはTESO-SiO2を用いる。成膜温度400℃, 膜厚は100 nm成膜 する。その後、ソース・ドレイン領域よりも一回り小さいコンタクトホールを 開けるためにCONTフォトを実施する。パターンは図5.2.3に示す。フォトリ ソグラフィにてパターニング後、ウェットエッチングによりSiO2を除去する。
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図5.2.5 電極(METAL)パターン
薬液はBHFを水で30%程度まで薄めた液を使用し、処理時間は、300秒を目安 とするが顕微鏡で確認を行いながら条件を決定する。
電気特性にてSiO2膜が除去されているかの確認を行う。その後、アセトンで フォトレジストを除去する。
8, 電極形成
電極材料は、熱蒸着装置を用いてアルミニウムを成膜する。熱蒸着装置の中 にサンプルをセットし、ソースであるアルミニウム線(φ0.5 mm×8 cm を2個) を入れる事で約300 nm成膜される。その後、図5.2.5に示すようなパターンの フォトリソ工程を行い、ウェットエッチングによりAl電極を作製する。
薬液はリン酸(H3PO4):硝酸(HNO3):酢酸(CH3COOH):純水(H2O) = 75 : 5 : 15 : 5 を用いて行い、アルミニウムが除去されるまで実施する。今回のサンプルでは、
約5分30秒程度かかった。
9, シンタリング
N2+H2(3%)の雰囲気化で、370 ℃×30分の時間アニールを行なった。