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ペイントを用いた線画の描き方

ドキュメント内 レポート作成スキルUP.doc (ページ 38-43)

第 3 章  図の作成法

3.3   線画の作成

3.3.2  ペイントを用いた線画の描き方

3.3.2.1 フラスコとビーカーを題材とした作図

 描く図が決まったら,実際に描いてみましょう.ペイントを起動した時点で,絵を 描くキャンバスの大きさは直前に扱った画像のサイズを記憶していますので,作画に 適当な大きさを設定します.一般的には横640pixel×縦480 pixelに設定すれば十分で しょう.

 ペイントのメニューからFig.3.24のように「変形」→「キャンバスの色とサイズ」を 選択すると,Fig.3.25のダイアログが画面に表示されます.幅と高さをキーボードから 入力します.単位によって設定値が変わるので注意しましょう.

*9 パソコンが普及していなかった頃は,学会発表や論文で使われていた図・数式などは全 て製図ペンで清書していました.

       

Fig.3.24 キャンバスのサイズ変更    Fig.3.25 キャンバスのサイズを入力  キャンバスの大きさが設定できたら作図してみましょう.

 ここでは,丸底フラスコとビーカーを用いた蒸留の様子を描いてみたいと思います.

まず丸底フラスコは球と円筒の組み合わせですので,横から見た場合は円と長方形の 組み合わせで描くことができます.そこで,Fig.3.26のように円と長方形を描きます.

このとき,円と長方形の大きさのバランスだけ考えてましょう.初めから組み合わせ ると難しいので,離したところに描いています.

 長方形の周囲を矩形選択します.背景は透過を選択しておきます.矩形選択した範 囲はマウス+左クリックでドラッグできますので,丸底フラスコに見えるような位置 関係にずらします.円周上に角を合わせる必要はありません.多少はみ出しても後で 修正可能です.気楽にやりましょう.

     

Fig.3.26 丸底フラスコの部品を描く    Fig.3.27 部品を動かし大雑把な形を作る

        

    Fig.3.28 拡大表示の選択        Fig.3.29 修正部分を適当な位置に移動  先程,動かしたときにはみ出した部分を修正しましょう.

 拡大表示してやると,細かいところまで直すのが簡単になりますので,Fig.3.28のよ

うに,「表示」→「拡大」→「拡大する」の順に選択します.すると,描いている図形

がFig.3.29のように拡大表示されますので,上下および左右を調節するスクロールバー

で,修正したい部分を画面内の適切な位置に表示されるように動かします.

 丸底フラスコに見えるように,一部の線を消してやります.Fig.3.30のように「消し ゴム」を選択します.ボタンの下のほうで消しゴムの「太さ」を選択できます.太く すると一気に消せるのですが,細かいところの修正には向きません.適当に使い分け ましょう.

 また,前景色を白にしてペンを使うと,pixel単位での修正も可能です.

 修正できたら,表示を元に戻して様子を見ることにします.Fig.3.31のように「表示」

→「拡大」→「標準に戻す」の順に選択します.

      

    Fig.3.30 消しゴムによる修正       Fig.3.31 拡大表示を標準表示に戻す  丸底フラスコが描けたら,となりにビーカーを描いてみましょう.

 底の高さが合うように,かつ大きさのバランスを考えながら,Fig.3.32のように角丸 四角形を描きます.

 ビーカーは上が空いているので,角丸四角形の上のほうを矩形選択で選択し,「編 集」→「切り取り」で消去します.「消しゴム」で消してもいいのですが,上をそろえ たほうがきれいに見えます.これだけで,ビーカーらしく見えるものです.

 続いて,フラスコからビーカーにガラス管をつないだ様子を作画します.ガラス管 は平行な直線で描けばいいのですが,平行に線を描くのは意外と難しいので,長方形 を利用します.

  Fig.3.32 角丸四角形でビーカーを描く       Fig.3.33 ガラス管の描画準備    

 Fig.3.33のように適当なところに細長い長方形を描き矩形選択します.そしてメニュ ーから「変形」→「伸縮と傾き」を選択するとFig.3.34のダイアログが出てきます.

 伸縮と傾きは矩形選択した範囲を変形させる機能がありますので,傾きを適切に調 節すると,Fig.3.35のように斜めのガラス管が出来上がります.矩形選択は継続します ので,背景を透過になっていることを確認してマウス+左クリックで適切な位置にド ラッグします.

    

Fig.3.34 伸縮と傾き        Fig.3.35 変形した図形を移動する

 斜めのガラス管が描けたらフラスコから垂直なガラス管でつなぎます.垂直なガラ ス管はもちろん縦長で細めの長方形です.これもフラスコの中心軸付近を通れば大雑 把で構いません.

 Fig.3.36のように適当につないだら,Fig.3.37 のように拡大表示して「ペン」もしく は「消しゴム」機能で細かなところを修正します.

 実際のフラスコとの接続状態を考えながら,微妙な丸みを付けたりしましょう.フ ラスコ上部にガラス管を挿して内部とつながるのですから,ガラス管とフラスコの交 わったところも,修正しておきます.

     

Fig.3.36 垂直なガラス管の接続       Fig.3.37 拡大して接続部分を修正

 拡大表示を標準表示に戻したらフラスコの内部とビーカーの内部に液体が入ってい る様子を表わすために,適当に色を塗りましょう.これは,水面を表わす線を引いた あと,「塗りつぶし」機能で前景色に塗ることができます.Fig.3.38 のように「文字入 力」でコメントを挿入したら完成ということにしましょう.もちろんもっと手を入れ て完成度を上げても構いません.

 完成した図形は,ペイントで保存してから,写真と同様にしてFig.3.39のようにワー プロに貼り付けます.図番号と名前を付けるのを忘れないようにしましょう.

    

Fig.3.38 色を塗ってコメントを入れたら一応完成   Fig.3.39 文書に貼り付け

3.3.2.2 部品画像の蓄積

 上述したような手順で簡単な実験装置を描くことができました.ペイントは基本的 に絵を描くためのソフトウェアですから,どんな図形でも描くことができます.

 しかし毎回毎回こんな手順を辿っていては,時間がいくらあっても足りません.そ こで効率的に描くために普段から画像を保存しておくことをお薦めします.

 ペイントは複数起動が許可されていますので,過去に描いた実験装置の図からコピ ーして新しい図に貼り付けることができます.例えば今回描いたビーカーや丸底フラ スコは化学系の実験でしばしば使用しますから,これを再利用すれば,次回からもっ と短時間で図を描くことができます.また丸底フラスコは若干の修正で平底フラスコ になりますし,1回描けばそれを利用してさらに複雑な図も描けるようになります.つ まり自分で描いた図は自分の財産になります.

 最初の 1 回は確かに面倒なのですが,それを乗り越えればむしろ自分の財産を増や せることが面白くなってくるのではないでしょうか.

3.3.2.3 複雑な図形の作図例

 以下の Fig.3.40 の 3 つの図は全てペイントで描かれています.複雑に見える図も楕

円・矩形・直線・文字の組み合わせと,消しゴム等を使った修正で描かれており,レ ポートで使用する程度の絵は手間さえかければ何とかなることがわかると思います.

       

Fig.3.40 ペイントで描いたCO2電極・O2電極・pH電極の模式図

3.3.2.4 フリー素材の利用

 Web 上ではホームページで自分の描いたイラストをフリー素材として公開している 人たちがいます.上述のようにして自分の財産がたまってきたが,自分一人で使うだ けではなく,他人にも使ってもらおうという考え方です.

 このような素材はJPEG,GIFなどのファイル形式で提供されることが多いのですが,

ペイントではどちらも読み込み可能ですから,自分の描いた図と組み合わせて使うこ とができます.

 友達同士で,互いに自分の描いた部品画像をやり取りするのも良いかもしれません.

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