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インターネットの活用

ドキュメント内 レポート作成スキルUP.doc (ページ 45-48)

4.1 最も身近な情報源

 レポートを書く時は最低限,指定の教科書を参考にすると思います.しかし,教科 書だけでは理解しづらいこともあり,大抵は多くの参考書を掻き集めなければなりま せん.ところがそれらの参考書をどの程度使うかといえば,用語の確認程度に使用す るだけの参考書も多数混ざっていることもしばしばで,効率が良いとはいえません.

 近年ではパソコンを利用する通信環境も整ってきましたので,ちょっとした用語を 調べたいときなどはインターネットでの検索が便利です.

 本章では,検索に便利なWebサイトの紹介と,そこから得られる情報の利用に関す る注意点について述べたいと思います.

4.2 様々な検索サイト

4.2.1 一般的な情報検索

 世界中で一人か二人しか知らないような知識について調べようとするなら別ですが,

大学のレポートで要求される程度の知識でしたら,大概はWeb上に公開されています.

 情 報 検 索 サ イ ト と し て は , Google 【http://www.google.co.jp/ 】, YAHOO

【http://www.yahoo.co.jp/】,infoseek【http://www.infoseek.co.jp/】あたりが有名です.

   

Fig.4.1 Googleの表示画面   Fig.4.2 YAHOOの表示画面   Fig.4.3 infoseekの表示画面  検索サイトにアクセスすると検索するキーワードを入れる窓が必ず存在しますので,

その窓に検索したい単語を入力し,「検索」と書いてあるボタンを押せば,その単語を 含むWebサイトのリストを表示してくれます.

 そのリストは目的のサイトにリンクしていますので,別ウインドウで開けぱ目的の キーワードを含むか,もしくは含んでいたWebサイトを閲覧できます.

 キーワードは長すぎるとヒットする確率が減りますので,その場合は 4 文字前後に 区切って入力すると,必要な情報が見つかる可能性が高くなります.逆に多すぎる場 合には,別のキーワードを追加して絞り込み検索をしてやります.

4.2.2 学術的な文献の検索

 一般的な用語についてではなく,それらについて詳しく記した文献を見つけたい場 合には,文献検索サイトを利用します.

 医学系の文献を調べたいときは Medline というデータベースにアクセスします.

PubMed【http://www.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/medline.html】は無料で医学系の文献を見 つけだすことができます.唯一の欠点は日本語の文献登録数が少ないことでしょう.

 有料になりますが, JICSTというデータベースは工学系の文献が多く見つかります.

これは科学技術振興機構【http://pr.jst.go.jp/login/login.html】のホームページから適切な 検索システムにアクセスして利用可能です.医学系の文献は所蔵数が少ないですが,

JICSTに登録されている文献の場合,コピーを入手することもできるので,大学の図書

館などで見つからない場合には利用すると良いでしょう.

 医学中央雑誌のサイト【http://login.jamas.or.jp/enter.html】である医中誌WEB は日本 語の医学文献が登録されていますが,最新のデータは登録されるまで時間がかかるこ とがあります.

 また,近年 Scirus という検索サイト【http://www.scirus.com/srsapp】が話題になって います.このサイトは科学的な情報と思われるものを優先的に検索してくれます.日 本語のものが見つけにくいのが欠点と思いますが,これは自分の論文などをインター ネット上に公開しない日本人にも責任の一端はあると思います.

   

Fig.4.4 PubMedの表示画面   Fig.4.5 JICSTの表示画面   Fig.4.6 医学中央雑誌の表示画面

4.3 検索情報の活用における注意点

 Web 上のホームページから得られる情報は,非常に膨大で多岐にわたり,かつ本を 読んで必要な情報を見つけ出すのに比べて労力が必要ありません.慣れるとこれほど 便利な情報源は他にないと言えるでしょう.しかし,これを利用するにはいくつかの 注意点があります.ここでは,それらについて紹介しましょう.

4.3.1 情報の真贋の見極め

 インターネット上で公開されている情報は必ずしも正しいとは限りません.レポー トの参考になるような学問的な内容を,ホームページを作ってまで紹介しようという からには,その知識に自信があるのだと思いますが,勘違いにより微妙な間違いを含 んでいたり,誤字・脱字などから意味が異なってくる場合まであり,完全に信用して よいかという問題があります.

 また,「普通,明らかに読み手が理解しているだろう」ということを前提に意図的な

「間違い」をいかにも「本当」らしく,前面に押し出したホームページも見かけるこ とがあります.これはネットジョークの類いと解釈して笑えればいいのですが,レポ ートのために調べている人間は,そもそも理解していないわけですから,それが正し い事実であると誤解してしまうことも十分ありそうな話です.

 さらに偏った思想に基づいて表現された内容のホームページですら,一般的な書物 と異なりますので,校閲という他人からのチェックを通過しないままに公開されてし まいます.

 これらの誤った情報の中から正しい情報を見極めるために,最低限3つから4つ以 上のホームページの内容を検討しなければなりません.

4.3.2 著作権の保護

 インターネット上で公開されたものでも著作権が存在します.著作権は文章だけで はなく,図・写真・音楽などさまざまな著作物に存在します.

 法律では「学校での教育目的の場合には本などの一部複製が認められています」が,

一般的にレポートは私的利用になりますので,この限りではないと考えられます.特 に,絵や写真などは芸術性が評価されるものが多いので,引用しただけで著作権侵害 とされてしまう場合もあり,注意が必要です.

 また,ホームページに記載されている情報のうち学術的な内容のものは,ほとんど が本などを参考に書かれていると考えなければなりません.複数の本などを元に完全 に自分で練り上げた文章はともかく,本の内容を丸々書き写しているようなホームペ ージですと,それ自体が著作権を侵害している場合もあります.

4.3.3 複写貼付の危険性

 ホームページを閲覧しているとついついやりたくなるのが複写貼付によるレポート の作成です.文字をいちいち入力する手間が省け,一気にページが埋まるので,楽々 レポートが完成していくように思えてしまいます.

 しかし,このやり方にはいくつかの欠点がありお薦めできません.むしろやらない ように注意したほうがよいと思います.

 まず第一に内容の信頼性が低いことがあげられます.ホームページから複写した内 容が間違っていたためにレポート全体の信頼性が失われるのでは水の泡です.

 第二に著作権の問題です.大学の教員は,特に著作権には敏感な人が多いです.な ぜならば,多くの教員は本を執筆しているからで,自分の執筆した内容が他人の本の 中で断りなく引用されているという理由で,出版された本を回収するなどの騒ぎにな ることも珍しくはありません.そのような意識から,著作権違反の内容については評 価を下げる,あるいは全く評価しない場合すらあり,レポートを書いた意味がなくな ってしまいます.

 第三に整合性の問題があります.レポートで必要とする内容の全てについて解説さ れているホームページはほとんどないでしょうから,複数のページから複写すること になります.すると,大害の場合には,「だ・である」「です・ます」などがの文体や 句読点の種類などが統一されなくなります.また図などには図番号が入れられている 場合も多いので,自分のレポートの中での番号の不整合が生じたりもします.色を指 定して『図中の青い線が〜〜』のように記述されているのに,レポートを白黒で印刷 したのでどの線か分からなくなるなどの笑い話もあります.

 さらに,ホームページを記述する文字の種類の違いなどから知らないうちに文字が 抜ける,別の文字に変わる,あるいはひたすら複写した揚げ句同じような内容のこと が重複したりするなど,数え上げればキリがありません.

 インターネット上の情報は,あくまでも自分の目で確認し,頭の中でじっくりと内 容を検討してから利用しなければなりません.

ドキュメント内 レポート作成スキルUP.doc (ページ 45-48)

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