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フェイズ2(概ね4日目から2週間まで)に個人・家族ができること 個人・家族 ● 家族の体調管理

   災害発生から概ね4日から2週間の間も、引き続き避難所では、十 分な室温管理が行われない可能性があるほか、プライバシーを保護す るようなスペースが提供される可能性も低く、また、複数人が同じ空 間で継続的に生活することが想定されます。そのため、引き続き、風邪、

水分摂取制限から引き起こされる便秘、脱水症、熱中症に気をつけま しょう。また、慢性疲労を訴える人や、ストレスを訴える人も現れます。

   その他、避難所には支援物資として菓子類が大量に届けられますが、

肥満の原因になるほか、幼児期や学童期の子どもは菓子類を摂取する ことで食事を食べないことも考えられるので、本人及び家族の食生活 を含めた体調管理を十分行います。

   自宅にいる場合も同様に、室温管理ができなかったり、水分摂取を 制限したりすることが考えられます。また、食事も支援物資や炊き出 しが中心になることが想定されますので、体調管理には十分気をつけ ます。

   体調が悪い場合は、市町村職員、医師、保健師、看護師、栄養士等の 専門職へ相談しましょう。

   <注意すること>

    ・慢性疲労、ストレス     ・感染症(風邪等)

    ・便秘、脱水症、熱中症、下痢     ・運動不足による肥満

    ・エコノミークラス症候群 等

● 災害時要支援者用食品の確保

   フェイズ0と同様、家族内に支援物資が食べられない人がいた場合、

必要な食料を確保するために避難所の管理者等に困っていることを伝 えましょう。行政や専門家につなげてもらえます。

   自宅にいる場合も同様に支援物資が食べられない人がいる場合は、

支援を求めて必要な食料を確保します。

  【食事に特別な配慮が必要な人】

   ・乳幼児

   ・食べる機能が低下している高齢者    ・病気のために食事治療を受けている人

    (糖尿病、腎臓病、難病、食物アレルギー等)

対応

応急

フェイズ2(概ね4日目から2週間まで)に自主防災組織や町内会などができること 自主防災組織

町内会 自治振興協議会

● ライフライン復旧に伴う炊き出し内容の変更

   震災から3日後以降には、ライフライン(電気、ガス、水道等)が 段階的に復旧し始めます。そのため、炊き出しにおいても、復旧段階 に応じて内容を変更することで、より効率的な炊き出しを行うことが できます。

〈例えば〉 見直し前 見直し後

   ごはん   みそ汁   ごはん 豚 汁 旨 煮

<炊き出し内容の変更の例>

【P124 参考資料4 「備蓄食品の組み合わせ例」 の活用】

● 炊き出し支援終了期の検討

   水害の場合、大規模震災と比べてライフラインの復旧は早く行われ ます。そのため、炊き出しの期間も短くなることが想定されます。し かし、炊き出しを始めると、どの程度復旧ができた時点で炊き出しを 終了すればよいのか判断できないこともあります。そのため、水害に おいては、炊き出しをどのような状態を目処に打ち切るのか関係者で 協議する必要があります。

● 被災者への生活支援(相談を受ける、必要な生活物資を手 配するなど)

   これまでの生活環境と異なる中での心身の疲労から、精神面を含め た体調を崩す人も増えてきます。

   体調の変化を訴えやすいよう、保健師・看護師や栄養士等の専門職 の活用を紹介したり、避難所でのお話会等の行事も行うとよいでしょう。

   住民向けの行事の支援はボランティアセンターを通じてボランティ アを要請すれば、スタッフの派遣があります。

● ボランティア等の派遣要請

   地域では家屋の倒壊、損傷や土砂やがれきの撤去等復旧・復興に向 けての活動が始まります。各家庭では高齢であったり、仕事があった りして家の片付けができなかったり、土砂やがれきの撤去等人手を要 する仕事もあります。また、避難所での高齢者等の生活支援や託児等 様々な支援を必要としている人がいます。

   必要としているボランティアのタイプと人数を市町村や社会福祉協 議会等が設置しているボランティアセンターへ報告します。

  

フェイズ2(概ね4日目から2週間まで)に関係機関・団体ができること 関係機関

栄養士会

● 炊き出し献立の再検討

   慣れない避難所での生活により、慢性疲労や体調不良による食欲の 低下が生じます。そのため、提供している炊き出しの献立について被 災者の食欲を増すような内容に見直すなどして、ボランティア等の関 係者と共に炊き出しを支援します。

  【P124 参考資料4「備蓄食品の組み合わせ例」、P126 参考資料5「食 事に配慮が必要な人の献立例」を活用】

● 避難所等への巡回栄養相談

   慣れない避難所では、体調不良を訴える被災者が発生することも想 定されますので、被災者の健康状態を把握し、食事が原因のひとつと 考えられる場合には、必要な支援を行います。

フェイズ2(概ね4日目から2週間まで)に関係機関・団体ができること 関係機関

看護協会

● 避難所や地域での巡回健康相談の実施

   フェイズ1に引き続いて、要請に基づき避難所や地域への巡回健康 相談等の活動を展開します。相談で得られた情報を必要な支援につな げるよう確実に伝達するなど連携した支援を行います。

フェイズ2(概ね4日目から2週間まで)に関係機関・団体ができること 関係機関

そ の 他

● 治療中断者(服薬)への相談(薬剤師会)

   高血圧等慢性疾患で治療中の人は、服用中の薬剤がなくなる時期で す。避難所で巡回相談を実施し、必要な薬を提供したり、相談に応じ たりします。

● 炊き出しへの人材支援(栄養改善協議会、愛育委員連合会、

災害ボランティア等)

   市町村や地域の町内会、自主防災組織が実施する炊き出しに参加し て、調理や食事の配給を支援します。

   支援の偏在や重複を避けるために、ボランティアセンターを通じた 組織的な人材派遣が望ましいでしょう。近隣の家庭に声をかけ状況を 聞くことも、被災者を孤立させない大切な支援です。

対応

応急

フェイズ2(概ね4日目から2週間まで)に市町村がすべきこと 市 町 村 ● 状況把握

   この時期には支援物資のおにぎりやパン等の主食類が余剰気味に なってきます。栄養面ではエネルギーと水分確保が中心の時期から、

たんぱく質やビタミン類等への配慮が必要となり、可能な限り主食・

主菜・副菜がそろう食事が提供できるような調整が必要となります。

   フェイズ1と同様に避難所を中心とした状況把握を行い、必要な食 事計画(炊き出し、弁当、支援物資等)について調整を行います。

  〔内容〕→【P137 様式例1「被害状況調査票(フェイズ0、1、2用)」の活用】

  ・避難所住民数(乳幼児、高齢者、慢性疾患患者等)

  ・避難所に避難せず自宅等に留まっている被災者数

  ・食料・水供給源の被災状況(スーパー、コンビニエンスストア、市場等)

● 被災者の栄養管理の実施支援

 1 災害時要支援者への対応

    フェイズ1と同様に必要に応じて調整します。

 2 避難所における巡回栄養相談の実施

    フェイズ1で把握された人(乳幼児、高齢者、慢性疾患患者等)は、

通常の備蓄食品、支援物資では適正な栄養確保が困難なため、受け 入れ状態に合わせた食品の選択や食事の組み合わせについて相談、

助言を行います。

● 被災者の食生活支援

 1 避難所における被災世帯への食生活支援

    避難所生活の長期化が予測される場合には、避難所に調理スペース の確保や調理設備・器具等の整備を行うよう、避難所全体や家族単位 で調理を実施するなど早期の食生活自立にむけての支援を行います。

 2 一般被災世帯への食生活支援

    地域においては、小売店の休業や廃業により以前と同様の食材の 入手が困難になる場合もあり、入手しやすい食材を使った簡単な料 理を紹介するなどの支援を行います。

 3 炊き出しの実施と栄養管理

    献立は支援物資の活用を図るとともに、配布される食事には不足 している食品の摂取や栄養状態の向上、適温食等ができるよう検討 し、満足感のあるものになるよう指導します。また、実施団体の全 体状況を把握し、各避難所の栄養状態に格差が生じないよう献立、

実施回数等を調整のうえ実施します。

   【P141 様式例4「食料供給状況実施記録票」の活用】

フェイズ2(概ね4日目から2週間まで)に市町村がすべきこと 市 町 村

● 被災者の体調管理

   フェイズ1と同様、避難所入所者や野外に避難し、車上生活を続け ている被災者に対して、医師、保健師、看護師等が巡回して体調のケ アを実施します。

   また、大規模災害時には、恐怖やショックから精神面の不調を訴え たり、不自由な生活でストレスを訴える人が増えますので、精神面の ケアも十分心がけます。

● 関係者への情報提供・連携

   フェイズ1と同様

● 防災ボランティアとの連携

   個々のボランティアへの対応を市町村が行うのは実際的ではありま せん。

   ボランティアセンターでは、各地からのボランティアと地域の要望 との調整や派遣等の活動が行われています。行政が即応できない地域 の要望にも応え得る機能を活用し連携を図る必要があります。

   その際、災害時に必要なボランティアの派遣に支援を得るため、防 災を中心に活動しているボランティアと連携を図り、各種ボランティ アの連絡・調整を行います。