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各パラメーターの仮定と SISLA 評価モデルによる計算

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 86-89)

第 4 章 SISLA 評価モデルの提案

4.3. サンプルケースを使った SISLA 評価モデルの使用方法

4.3.2. 各パラメーターの仮定と SISLA 評価モデルによる計算

3章で示したSISLA評価モデルによって、本ケースにおける交通サービス提供者 𝑋, 𝑌 のSISLA価値(Impression Value、Use/Compensation Value)を求める。各パラメーター を次のとおりと仮定する。サービス属性をs1=所要時間、s2=運賃、s3=定時性(遅れ時 間)、s4 =1時間あたり本数の4つとし、個々の市民がそれぞれのサービス属性に対し持 つ認識(価値観) (𝑢𝑗: 𝑗 = 1~110)を(9)~(12)式のように仮定する。

𝑢𝑗

⃗⃗⃗ = {0.4, 0.1, 0.1, 0.4} (𝑗 = 1~ 32) ・・・(9)

*所要時間・本数を重視する市民 (ただし、2名は交通サービスを利用しない)

𝑢𝑗

⃗⃗⃗ = {0.1, 0.7, 0.1, 0.1} (𝑗 = 33~ 65) ・・・(10)

*運賃を重視する市民 (ただし、3名は交通サービスを利用しない)

𝑢𝑗

⃗⃗⃗ = {0.1, 0.1, 0.5, 0.3} (𝑗 = 66~ 92) ・・・(11)

*定時性を重視する市民 (ただし、2名は交通サービスを利用しない)

𝑢𝑗

⃗⃗⃗ = {0.1, 0.1, 0.1, 0.7} (𝑗 = 93~110) ・・・(12)

*本数を重視する市民 (ただし、3名は交通サービスを利用しない)

図4-9 SISLA評価モデルを適用するサンプルケースの概要

出発地 到着地

交通サービス提供者X

交通サービス提供者Y

A B

社会(110人)

利用者100人

85

提供者 𝑋, 𝑌 のサービスレベルおよび運行コストおよび運賃を(13)~(16)式のよ うに仮定する。

𝑆𝐿𝐴𝑋

⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗ = {10(分), 190(円), 1(分), 2(本)} ・・・(13)

𝑆𝐿𝐴𝑌

⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗ = {20(分), 150(円), 2(分), 2(本)} ・・・(14)

𝑝𝑋𝑗= 190, 𝑝𝑌𝑗 = 150 ・・・(15)

𝑐𝑋= 1,500 + 1,000 ×本数(円), 𝑐𝑌= 500 + 500 ×本数(円) ・・・(16)

また、W について、本事例においてはサンプルケースのため単純化し(17)式のとお り全て1とする。

W = diag(1, 1, 1, 1) ・・・(17)

なお、(13)、(14)式については、属性毎に比較し、望ましい側(乗車時間が短い、

運賃は安価、定時性(遅れ)は少ない、1時間あたり本数は多い)を最大値1として(18)、

(19)式のように比を算出する。比の算出にあたってはサービス属性毎に特徴があるた め、算出方法が異なるが、所要時間(s1)および本数(s4)については正比例、運賃(s2)につい ては価格が増加するに従い限界効用は逓減するといわれているが、本事例では金額が低 廉なため正比例と仮定する。

正比例の計算について乗車時間(𝑠1)を代表に示すと、

𝑠𝑋1= min(𝑠𝑋1, 𝑠𝑌1)/𝑠𝑋1= min(10,20)/10 = 1.00 𝑠𝑌1= min (𝑠𝑋1, 𝑠𝑌1)/𝑠𝑌1= min(10,20)/20 = 0.50 となる。

また、遅れ時間(s3)については、利用者にとってネガティブなサービス属性であるため、

プロスペクト理論(Kahneman, 1979)による“ネガティブな結果に対して受容者は実際の 値の 2.25倍大きな印象を持つ” (Tversky, 1992)という利用者の認識を参考に、遅れが 大きい交通サービス提供者 𝑌 の遅れ時間を 2(分)×2.25 倍=4.5(分)としてから比を算出 した。

結果として(18)、(19)式のようにする。

𝑆𝐿𝐴𝑋

⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗ = {1.00, 0.79, 1.00, 1.00} ・・・(18)

𝑆𝐿𝐴⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗ = {0.50, 1.00, 0.22, 1.00} 𝑌 ・・・(19)

これらの前提条件を使い、SISLA価値を算出する。

始めに、各利用者の評価を算出する。(4)式に (9)~(12)、(18)(19)

式の値を代入すると求められる。例えば利用者1~32による提供者 𝑋, 𝑌 に対する印象 は(20)、(21)式のようになる。

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𝑉𝑋𝑗= 𝑆𝐿𝐴⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗ ∙ W ∙ 𝑢𝑋 ⃗⃗⃗ 𝑗

= 1.00 × 1.00 × 0.4 + 0.79 × 1.00 × 0.1 + 1.00 × 1.00 × 0.1 + 1.00 × 1.00 × 0.4

= 0.979 ・・(20)

𝑉𝑌𝑗 = 𝑆𝐿𝐴⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗⃗ ∙ W ∙ 𝑢𝑌 ⃗⃗⃗ 𝑗

= 0.50 × 1.00 × 0.4 + 1.00 × 1.00 × 0.1 + 0.25 × 1.00 × 0.1 + 1.00 × 1.00 × 0.4

= 0.722 ・・(21)

なお、市民1~32の内、交通サービスを利用する市民1~30は(22)式のとおり提供 者 𝑋 を選択することとなる。

max(𝑉𝑋𝑗, 𝑉𝑌𝑗) = max(0.979, 0.722) = 0.979 = 𝑉𝑋𝑗 ・・(22)

ただし、 𝑗 = 1~30

同様に、𝑗 = 33~110における 𝑉𝑋𝑗, 𝑉𝑌𝑗 を算出することができ、Impression Valueは

(5)式から求めることができる。算出結果を表4-1 に示す。

表4-1 サンプルケースにおける各市民の評価とImpression Value

市民 𝑉𝑋𝑗 𝑉𝑌𝑗 選択結果

1~32 0.979 0.722 𝑋 を選択

33~65 0.853 0.872 𝑌 を選択

66~92 0.979 0.561 𝑋 を選択

93~110 0.979 0.872 𝑋 を選択

Impression Value 𝑉𝑋 𝑉𝑌

103.52 82.74

全ての利用者の選択結果をまとめると(23)式のとおりとなり、提供者 𝑋 は70人 が、提供者 𝑌 は30人が選択することがわかる。

𝑈𝑋= {1, ⋯ ,30,66, ⋯ ,90,93, ⋯ ,107} , 𝑈𝑌= {33, ⋯ ,62} ・・・(23)

運行コストおよび運賃である(15)、(16)式を使い、提供者 𝑋, 𝑌 の Use/Compensation Valueを(7)式により算出する。

𝑆𝑉𝑋= ∑ 𝑝𝑋𝑗

𝑗∈𝑈𝑋

𝑗

− 𝑐𝑋= 190 × 70 − 3,500 = 9,800 ・・・(24)

𝑆𝑉𝑌= ∑ 𝑝𝑌𝑗

𝑗∈𝑈𝑌

𝑗

− 𝑐𝑌 = 150 × 30 − 1,500 = 3,000 ・・・(25)

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(24)、(25)式より、このケースにおいては、Use/Compensation Valueについて も提供者 𝑋 の方が高いといえる。ただし、提供者 𝑌 のサービスを選択する利用者もお り、Use/Compensation Value もプラスであることから、提供者 𝑌 のSISLAもある程 度受け入れられていると考えることもできる。

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