この章では、VMware Server と仮想マシンから最大限のパフォーマンスを引き出すた めのヒントを、次の内容について説明します。
ホストコンピュータの構成と管理(P.155)
VMware Server の構成(P.157)
メモリの使用(P.165)
ホストコンピュータの構成と管理
パフォーマンスを向上させるために、まずチェックするべきものはホスト コン ピュータです。ここでは、次の項目について解説します。
ワーキング ディレクトリの格納場所(P.155)
ディスク ドライブの最適化(P.156)
十分な空きディスクスペース(P.156)
NIC 割り込みコーリス機能(P.156)
ワーキング ディレクトリの格納場所
ワーキング ディレクトリ(仮想ディスク ファイルを格納するディレクトリ)は、イン ストール時にホスト コンピュータに配置されます。別の物理コンピュータにワーキン グディレクトリ、あるいは仮想ディスク ファイルを配置するように構成をカスタマ イズすれば、パフォーマンスを改善できる場合があります。
ディスク ドライブの最適化
ホストディスクと仮想ディスクは、VMware Server のパフォーマンスに影響します。
ホストのハード ドライブ
仮想マシンのワーキングディレクトリあるいは仮想ディスクファイルが保存されてい る物理ディスクの断片化が進行すると、仮想マシンンのパフォーマンスが低下しま す。ホストディスクの断片化は、以下のいずれか、あるいは全てに影響します。
仮想ディスクを格納しているファイル
スナップショットの設定時に新しく保存されたデータを記録するファイル
仮想マシンのサスペンドやレジュームに使用する情報を記録したファイル 仮想マシンのディスク パフォーマンスが低下した場合、あるいはサスペンド、レ ジューム操作をスピードアップしたい場合は、仮想マシンのワーキングディレクトリ や仮想ディスクファイルが存在するホストディスクで断片化が進んでいないか確認し てください。断片化が進行している場合、最適化ユーティリティを実行してホスト ディスクの断片化を解消すれば、パフォーマンスを改善することができます。
仮想ドライブ
初めてスナップショットを設定する前に、ゲスト OS のメカニズムを使って最適化を 行うことを強くお勧めいたします。
スナップショット設定後にゲストで最適化プログラムを実行すると、全ての変更がオ リジナルのディスクではなく、Redo ログに行われるようになります。このため、オ リジナルのディスクに対して一切最適化を行うことができなくなります。
ディスクの断片化が進行している場合、スナップショットの設定後に最適化プログラ ムを実行すると、移動する全セクタが Redo ログにコピーされるため、仮想マシンの Redo ログのサイズが極端に大きくなってしまいます。
十分な空きディスクスペース
パフォーマンスを高めたいのであれば、ホスト ディスクの空きスペースが非常に少 ない状態で VMware Server を使用しないでください。VMware Server がゲストのス パースディスク、スナップショット、チェックポイント、Redo ファイルの書き込み に、ほとんど一杯になっているホストのハード ディスクを使用しなければならない ようでは、パフォーマンスが大幅に低下します。
NIC 割り込みコーリス機能
ホストで NIC 割り込みコーリス機能を増加させると、ゲストへの大量のネットワー ク トラフィックが発生するワークロードのパフォーマンスを改善できる場合があり ます。割り込みコーリス機能とは、高性能 NIC 上のハードウェアでドライバのコン トロールのもとに実装され、1 組のネットワーク フレームの受信を、1 度のハード ウェア割り込みでオペレーティング システムのカーネルに通知できる機能です。
VMware Server の構成
以下のセクションでは、VMware Server 自体のパフォーマンスに影響を与える要因に 関するアドバイスと情報を提供しています。ゲスト OS やホスト OS のパフォーマン スは、ここでは扱っていません。
一般的な VMware Server のオプション(P.157)
Windows ホスト上の VMware Server(P.161)
Linux ホスト上の VMware Server(P.164)
注 下記の VMware Server 構成オプションに加えて、VMware Tools パッケージ が存在するゲスト OS には常に VMware Tools をインストールしてください。
これによって、ビデオとマウスのパフォーマンスが向上し、仮想マシンの ユーザビリティが大幅に向上します。詳しくは、『VMware Server 仮想マ シン ガイド』の「VMware Tools のインストール」をご覧ください。
一般的な VMware Server のオプション
ここでは、Windows ホストと Linux ホストの両方で VMware Server のパフォーマン スを改善する方法について解説します。
ゲスト OS の指定
各仮想マシンのゲスト OS は正しく指定してください。ゲスト OS の設定は、[VM] - [Settings(設定)] - [Option(オプション)] - [General(一般)] で確認できます。
VMware Server はこの指定に基づいて特定の内部設定を最適化します。このため、必ず 正しいゲスト OS を指定してください。最適化を行えば指定された OS のパフォーマン スはかなり向上しますが、仮想マシンで実際に実行されている OS と異なる OS を指定 した場合は、パフォーマンスが大幅に低下します(誤った OS を指定しても仮想マシン は正常に動作しますが、仮想マシンのパフォーマンスは低下する可能性があります)。
メモリ設定
仮想マシンには適切なメモリ容量を割り当ててください。最近のオペレーティングシ ステムの多くはメモリを大量に消費するようになってきています。このため、充分に 大きなメモリを割り当てることをお勧めします。
これはホスト OS、特に Windows ホストにも当てはまります。
New Virtual Machine(新規仮想マシン)ウィザードは、仮想マシンのメモリサイズと して適当な値を自動的に選択しますが、仮想マシン設定エディタで設定を調整すれば
([VM] - [Settings(設定)] - [Memory(メモリ)])、パフォーマンスをさらに向上でき ることがあります。
一度に 1 台の仮想マシンを単独で実行することがほとんどであれば、仮想マシンに 割り当てるメモリは、ホストで利用できるメモリの半分を目安としてください。
予約メモリの設定を変更すれば効果的なこともあります。[ Host(ホスト)] - [Settings( 設定)] - [ Memory(メモリ)] で変更を行います。
詳しくは、「メモリの使用(P.165)」をご覧ください。
デバッグ モード
各仮想マシンに対して、通常モードかデバッギング情報を追加で提供するモードのど ちらで実行するかを設定できます。デバッグモードは通常モードよりパフォーマンス が遅くなります。
一般的な使用目的では、仮想マシンをデバッグ モードで実行しないでください。
[VM] - [Settings(設定)] - [Option(オプション)] を選択し、次に [Advanced(詳細)]
を選択します。[Settings(設定)] の箇所の [Run with Debugging Information(デ バッグ インフォメーションの実行)] チェックボックスの選択が解除されていること を確認してください。
CD-ROM ドライブのポーリング
Windows NT/98 など一部のオペレーティング システムは、CD-ROM ドライブに対す るポーリングを毎秒行って、ディスクが挿入されているか確認します (これで自動 実行プログラムを遂行することができるのです)。このポーリング中に VMware Server がホストの CD-ROM ドライブに接続されるため、CD-ROM ドライブが回転す る間、仮想マシンが動作を一時的に停止したような状態になることがあります。
CD-ROM ドライブの始動に特に時間がかかる場合は、次の 2 通りの方法で動作停止 が起こるのを防ぐことができます。
ゲスト OS 内でポーリングを無効にします。無効にする方法は、OS によって異な ります。最近の Microsoft Windows の OS では、PowerToys ユーティリティから TweakUI を使用するのが最も簡単な方法です。
TweakUI の入手法とゲスト OS へのインストールに関する情報は、
http://www.microsoft.com で TweakUI をキーワードに検索を行ってください。
詳細は、使用する OS によって異なります。
仮想CD-ROMドライブが切断された状態で仮想マシンを起動するように設定する 方法もあります。 こうすれば、ドライブは仮想マシンに検出されますが、常に ディスクが挿入されていない状態で認識されます(また、VMware Server がホス トの CD-ROM ドライブに接続されません)。
変更を行うには、[VM] - [Settings(設定)] を選択してから、[Device(デバイス)]
リストで DVD/CD-ROM 項目を選択します。次に [Connect at Power On(起動時 に接続)] チェックボックスの選択を解除します。
仮想マシンで CD-ROM を使用する場合は、[VM] - [Removable Devices(取外し可 能デバイス)] メニューで CD-ROM ドライブを接続してください。
ディスクのオプション
ディスクのオプション(SCSI または IDE)やタイプ(仮想ディスクまたは物理ディス ク)は、様々な方法でパフォーマンスに影響を与えます。
全般的に、SCSCI ディスクは、DMA(direct memory access)を使用する IDE ディス クに比べて実行速度に優れています。ただし、シングルスレッドのディスクアクセス といった特定の状況では、DMA を使用する IDE ディスクの実行速度は SCSCI ディス クと同じです。仮想マシン内では、SCSI ディスクも DMA(direct memory access)
を使用する IDE ディスクもほぼ同じパフォーマンスを示します。サポートされている 場合は、SCSI ディスクで DMA を有効にすることをお勧めします。DMA を使用する ように設定されていないゲスト OS での IDE ディスクのパフォーマンスは、非常に遅 くなることがあります。
L inux ゲストが IDE ドライブへのアクセスに DMA を使用するように設定する最も簡 単な方法は、VMware Tools をインストールする方法です([VM] - [Install VMware Tools
(VMware Tools インストール)])。VMware Tools をインストールすると、IDE 仮想ド ライブが DMA を使用するように自動設定されます。
Windows Server 2003、Windows XP、Windows 2000 では、デフォルトで DMA アク セスが有効になっています。他の Windows ゲスト OS では、設定を変更する方法は それぞれ異なります。下記『VMware Server 仮想マシン ガイド』のテクニカルノート を参照してください。
マルチ プロセッサホストでの Windows NT ゲストのディスク パフォーマンス
Windows 95 および Windows 98 ゲスト OS のパフォーマンス
スナップショットが設定されている場合、仮想ディスクは大抵、ランダムアクセスあ るいは非順次アクセスに対して非常に優れたパフォーマンスを示します。ただし、こ のようなディスクは、パフォーマンスに影響を及ぼす程に断片化してしまう可能性が あります。ディスクの最適化を行うには、その前にスナップショットを削除しなけれ ばなりません([Snapshot(スナップショット)] - [Remove Snapshot(スナップ ショットの削除)])。
スナップショットが存在しない場合、物理ディスクと事前割当済み(preallocated)
仮想ディスクは、共にベースとなるディスクの順次アクセスとランダムアクセスのパ フォーマンスを模倣したフラットファイルを使用します。スナップショットが存在す る仮想マシンをパワーオンした後で変更を行うと、変更されたファイルへのアクセス はすべて、事前に全スペースが割当てられていない仮想ディスクのパフォーマンスと 同様のレベルで実行されます。スナップショットを削除すると、再びベースとなる ディスクのパフォーマンスと類似したパフォーマンスを示すようになります。