圃・・田
5.3 ハイドロコード・シミュレーション結果とその考察
成形爆薬試験におけるジェットの形状効果を見るために、 中空円筒、 模擬ジェット、
及び中実球の3種類の代表的形状について、 防護バンパー衝突時のシミュレーション を実施した。 この場合、成形爆薬試験のジ、エツト生成からの現象は模擬されておらず、
従って、 ジェットの物質状態は実試験のそれとは異なる。各シミュレーションCaseの パラメータとその結果 を 表 5-2 に示す。 飛朔体の質量 は 、CSC試験結果から貫 通限界を0.9---1. 3 グラムの範囲と 推 定し、 こ の範囲で 形 状 パ ラ メータ を選ん だ。模 擬 ジ ェ ッ ト の 場 合、 実際のCSCジ ェットが固体・ 気体混相で あること か ら 、 図 5-8に示すよ う に、 ジ ェ ッ ト の密度を 固体アルミニウムの値、2.8g/ cm3 より も 小 さく設定し、表5-1のCSC試 験Test 3 の ジェッ ト形 状 を 考慮し て 、 3 種 類 の形状と 質量 分布を仮定し た 。 シ ミ ュ レ ー シ ョ ンは第4章と同様に計算
コ
ードAUTODYN-2DT�を用いて実施した。スタッフィングのモデル及び材料データは、図5-2に示したが、 これらは設計結果を反映して表4-5の値を更新したものである。
図5-9に、 代表例として、 ほぼ同じ質量を持った表5-2のCaseB-3、C及び Dにつ いて、 前面パンパ一貫通から与圧壁損傷までの材料の相変化と損傷状態及びそのとき
- 99
-の経過時間を示す。 CaseDでは、 前面パンパー 衝突後に比較的大きな広がりの あるク ラウドが 発生するのに対し、 CaseCの中空円筒形はクラウドが 広が ってい ない。 さら に、 CaseCでは 、 スタッフィング衝突前の飛行体は、 この超高速でも回相で膨張状
主
にあることがわかる。 また
、
CaseB-3模擬ジェットの場合、 スカート部分は前面パシ
パーでクラウド化する が 、 核の部分は一部 、 固体・気体混相状態でスタッフィングを 貫通し、 与圧壁に衝突、 貫通している。 この際スカート部のクラウドはスタッフィン
グで良好に防護されることで、 与圧壁の損傷範囲は小さくなっている。
表5-2 �こ示す 前面パンパーとスタッフィングの相 対損傷比(damage ra
t i
0) は、 ク ラウドの膨張度合いを示すものであり、 3種類の飛朔体形状の特性をよく表 している ことがわかる。次にCase B-3、 C及びDに関してスタッフィングの貫通面積(円形と仮定)を比べ ると、 CaseDの中実球 はCaseB-3の模擬ジェットに対し、 約1.6倍{(55. 9/44.3) 2}、
同じくCase Cの中空円筒に対し、 約3.
1倍{(55.
9/31.7)
2}である。 これから 、 同 じ質量の飛朔体衝突に対して、 スタッフィングの損傷面積 が大きい もの程、 ここを通 過する単位面積当たりのデブリクラウドのエネルギー は小さく、 その結果が 与圧壁の 損傷の違いとして表れている。 さらに表日には、 スタッフィング通過後のクラzド の膨張状態を比較のため、 与圧壁上のクラウド衝突直径と与圧壁貫通孔直径が示しておる。 図円から定性的にわかる ように、 模擬ジ、エツトの場合はスタッフィング通過 後 も中心核 はクラウドとして十分膨張せずに狭い 面積の まま与圧壁に衝突、 貫通して いる。
一般にクラウドが 十分発達しないと、 飛行体の速度 は維持され、 例えば中空円筒の 場合、 CSC模擬ジェットと比べ約1.3倍 、 中実球に比べ約2.5 倍の速度で与圧壁に到 達しており、 これが運動エネルギーの保存に寄与している。 中実球の場合は、 スタッ フィングによるクラウド減衰効果が大きいことがわかる。
図5-10は表5-2のシミュレーションCase B-3、 C及びDについ て、 デブリ 、 バン ノてー及び、与圧壁のエネルギー変化の 時刻歴を示す。 さらに、全ての Caseについてパン パー各段貫通時のデブリ運動エネルギーの減衰を比較 して表5-3に示すロ デブリ運動 エネルギ�EKEは次式により計算した。
Q 1
EKE = 三 mi l vi l L
ここに、 Q:対象とする領域
(5-1)
m;:Q内の各Eulerian計算メッシュ内に存在するデブリの質量m νt:miの速度ベクトル
100
-表5-2 ハイドロコード・ シミュレーション条件とその結果(速度v= 11. 1 km/ s e c )
S i m. Cond i t i ons Simulation Resul t
a. b. c. d. e.
Project ile shape and dimension Mass
Front Stuffing Damage Cloud Press.
S im. Mass 本
equl-bumper penet- r a t lO press. wall
Case (gram) valent
penet- ratlon (b/a) wall penet-Shape Dimension 本
L/D本 sphere ra t lon hole lmpact ra t lon
(mm) mas s/%) di a.
hole d i a. (mm) di a. d i a.
(mm)
d i a. (mm) (mm) (mm)
Case Hollow 23..tL x 6. 5D X
19.5 37.3 1. 91 34.8 30. 1
Cy 1 i nd- 3.59 1.3 9. 62
A 1. 25'
er ヰ1 CSC
21. 64Lx 300 0.72 1.3
17.2 16.3
Case
Model 本(0.62/ 9. 62 41. 7 46.1 1. 11
B-l 1 e t (17. 68Lx 6. 8D) (2. 6) 48%) ヰ2 CSC 21. 64LX30D 0.72 1.3
14.3 Case
Model (0.25/ 9. 62 43.6 57.2 1. 31 15.3
B-2 1 e t (16.6Lx6.8D) (2.4) 19%)
キ3 CSC
21. 64LX30D 0.72 0.943
8.2 7.6
Case
Model (0. 18/ 8. 65 40.8 44.3 1. 09
B-3 1 e t (16. 6Lx 6. 8D) (2.4) 19%)
Case Ho 1 1 ow 23. 4L x 6.50 x
8.50 18.6 31. 7 1. 70 27.2 25
Cyl ind- 3. 59 0.89
C 0.76'
er Case So 1 i d
8. 74D 1 0.98 8.74 22.6 55.9 2.47 30.0 。
D Sphere Case So 1 i d
9. 62D 1 1.3 9. 62 25.8 62.6 2.43 34.5 16.4
E Sphere
本The values in parentheses are the dimensions of core cylinder, and the mass and percentage.
*1 Case B'l *2 Case B'2 安3 Case B'3
dU19
1.67 Olnsl ty (2fc"') 一一--, 0.811
O.・06
21. 64 21.64
1. 67 O.ns i ty (1I/cm') 0.589 0.29!
図5-8 表5-2におけるCSC Mode
1 J
e tの1/2形状・ 寸法と密度分布図5-10及び表5-3のデブリエネルギーの変化から、 中空円柱(CaseA,C)は他に比べ 前面バンパー及びスタッフィング貫通時のエネルギー減衰が共に少なく、 与圧壁衝突 前のデブリ残留運動エネルギーが最も大きいことがわかる。 しかしながら、 表5-3か らスタッフィング通過後の運動エネルギーを比較すると、与圧壁非貫通のCase Dに対 し、Case Cは約3. 9倍であるが、 Case B-3は約0.63倍で、 運動エネルギーは小さい にも関わらず与圧壁を貫通している。 この違いは以下のようにエネルギー密度分布の 違いを考察することによって説明できる。
一般に Case
B模擬ジェットは衝突断面積が大きく、 前面バンパーによりスカート
部分がクラウド化されることでエネルギーの大部分(49'"'-'79%)を失うが、 残留核の部 分はスタッフィングでほとんど防護できず、 与圧壁に衝突、 貫通している。 表5-2の- 101
-模擬ジェットの中心核部分の質量割合から、 スカート部分の質量相当が保有している 運動エネルギーは前面パンパー衝突時に失われることがわかるo また、 中心核部分の 質量が保有している運動エネルギー相当は保存されたまま、スタッフイングでそれ程 減衰することなし与圧壁の狭い範囲で貫通エネルギーとして作用している。 このこ とが、Case B-2、B-3のスタッフイング通過後の運動エネルギーが、 非貫通のCase D に比べ小さいにも係わらず、与圧壁を貫通する結果となっている。
尚、Case B-lは、 B-2及ぴB-3に比べ前面パンパーによるエネルギー減衰は小さい が、 これは中心核の質量割合が大きいためであり、 この結果、 スタッフイング通過後 のエネルギー減衰は中空円筒に近いものとなっている。
中実球(Case D,E)は前面パンパーとの衝突でデブリ内に均一な衝撃波が発生し、
問
で均一な成分を持った大きなデブリクラウドの発達によりエネルギー密度が低k ぽり、 これがスタッフイングで良好に防護されることがわかる。 即ち、 スタッフインFront bumper Stu伍ng Press. wall
•
Solid com pression Solid expansionVapor'Solid mixed expansion Vapor
ー ヘ寸ヤ l
5μsec 5μsec 5μsec
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10μsec 10μsec 10μsec
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30μsec
15μsec 15μsec
Press. walJ
)-E� コ 1
BlùJ王fail20μsec
Elastic
120μsec 12.0 12.5 13.5
Case B-3 (CSC model.iet) Case C (hollow cylinder) Case D (solid sphere)
図5-9 CSCモデルジェット、 中空円柱及び固体球各飛朔体の防護シールド貫通時の 材料状態と損傷の比較
102
-。。
(lo'J)
(10勺)(10'J)
06 J凶伍碍p問ene町町a抗仙山tlωlωO
。馬Dh巴
bris冶s
阻Kin_ Ene巴凹mvI�
D ebris Kin Ene rgy��
←Stu 伍ng penetratlOn
o叫Aは� 1ι← Front b 凶 咽m u pe叫e叩net廿r凶
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---r Deris Int_ Ener!!v \_ I ì'
f---/ Press ヲj l pe n | - X ;- A、� I J\, J
HU
-
-Debris Kin. Ener!!V
TIME(μs) 210
Case B-3 (CSC model jet)
1・ノo r
お e
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m 心 凶 Uμ C
但卵、』m HU YEA
唱EEA可EiT ρU /t、 'n O
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、、Jノe 3 VA 引 e 』 J
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図5-10 CSCモデ、ルジェット、 中空円柱及び固体球各飛朔体の防護シールド貫通時の エネルギ変化時刻歴シミュレーション
表5-3 デブリ運動エネルギとその減衰の比較
Before After front
ムEb二(Eo-Eb)A f t e r s t u f f i ng 6Es= (Eb-Es) Avr. energy
bumper (1051) 1051) density on
Sim. Case ímpact
penetration penetratin
press. wall
Eo (1051) Eb (1051) 6E/Eo
(完)Es (1051) 6E/Eo
(完)(1021/mm2)
Case A 0.80 0.77 0.03
0.50 0.27
0.53 (4.8)*
4 % 34 %
Case B-1 0.80 0.41 0.39
0.13 0.28
0.56 (5. 1)
49 35
Case B-2 0.80 0.17 0.63
0.07 0.10
0.38 (3.5)
79 13
Case B-3 0.58 O. 12 0.46 0.05 0.07 0.95 (8.6)
79 12
Case C 0.55 0.52 0.03
0.31 0.21
0.53 (4.8)
5 38
Case D 0.60 0.45 O. 15
0.08 0.37
0.11 (1)
25 62
Case E 0.80 0.63 0.17 21 0.10 0.53 66 0.11 (1)
本Values in parentheses are normal ized by 0.11
x
102J/mm2 of Cases0
andE.
グによるエネルギー減衰(62及び66%)が大きい。 クラウドの衝突面を円形と仮定し て、 表5-2の与圧壁上の衝突直径を用いて面積を求め、 これでスタッフィング通過後 の残留エネルギーを割ると 、 表5-3に示すような与圧壁面上の平均運動エネルギーが 近似的に求まる。 これから、 非貫通のエネルギー密度の限界は約11J/mm2で、 円筒形 ジ、エツトではこの約5倍 、 模擬ジェットでは4---9倍にもなり、 Case B-3 が特に大き いことがわかる。