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ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 136-142)

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これらの化合物は,水銀イオンの液膜輸送に有効であり,選択性も高い.以上 の結果は,環境化学の見地からも興味が持たれる.

また,水銀塩可逆脱着能を発現するための構造要素として, 1)ポリチオエー テjレ鎖, 2)  トロポン環, 3)嵩高い置換基が必要であることも分かった.

3)  トロポンとインデンの高圧環状付加反応から, 4種類の [4+2]付加体を得た.

また, トロポンと 1・メチレンインダンからは, 9位置換の 2種類のみの [4+2]付 加 体が生成した.

以前,李によって得られたトロポンースチレン [4+2]付加体,および, トロポン ーα‑メチルスチレン [4+2]付加体と lH‑NMR化 学 シ フ ト を 比 較 す る と , そ れ ぞ れ 次ページの図のような対応関係が明らかとなった.

分子力学計算と Johnson‑Boveyの式を用いた計算からフェニル基の安定配座を解 析すると, 103の場合はメチル基とほぼ直交し, 99では隣接する水素との反発を 避けた配座(二面角約 1600)を採ることが分かった.

4) 2・シクロペンテン・1・オンのケトン部がマスクされたアセタールとトロポン の高圧環状付加反応を行なったところ,期待した [4+2]付加体は得られず,唯一の 成績体として [6+4]付 加 体

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が生成した.

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この反応は,シクロペンテノンエチレンアセタールのアセタール部が開環し,

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π成分となり得る平衡があるために起こったと考えられる.また,溶媒効果がな 132 

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いため, トロポンの分極がこの反応を促進させたと考えられ, トロポン特有の反 応として興味深い.

以上,シアノ置換 p‑トロポキノン誘導体の合成,ホストーゲストの化学におけ る 機 能 性 ト ロ ポ ノ イ ド と し て の 含 ト ロ ポ ノ イ ド ジ チ オ ク ラ ウ ン エ ー テ ル , な ら び に ポ ダ ン ド の 開 発 と , 立 体 配 座 の 固 定 し た 架 橋 環 誘 導 体 の 構 造 相 関 に 関 す る 研 究 を行なった

筆 者 は , 非 ベ ン ゼ ン 系 芳 香 族 化 合 物 の 機 能 性 に 着 目 し , 種 々 の 化 合 物 を 合 成 し たが,中でもトロポノイドジチオクラウンエーテルは 水 銀 塩 可 逆 脱 着 能 を 有 し ており,水俣病に代表される水銀による公害汚染問題の観点からも実用化が望ま れる化合物である.

トロポノイドの化学は,東北大学の野副研究室を中心に発展してきた分野で,

膨 大 な 基 礎 研 究 成 果 が 挙 げ ら れ た わ け で あ る が , 実 用 的 な 研 究 は 殆 ど 行 な わ れ て い な か っ た . 本 研 究 の よ う に , 機 能 物 質 と し て の ト ロ ポ ノ イ ド の ポ テ ン シ ャ ル が 示 さ れ た 例 が 最 近 報 告 さ れ る よ う に な っ て き て お り , 今 後 の 発 展 が ま す ま す 期 待

される.

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訪問宇

本論文は,九州大学大学院総合理工学研究科分子工学専攻励起反応学講座に於 いて行なった研究をまとめたものです.終始御懇切な御指導,御鞭捷を賜りまし た竹下斉教授に厚く感謝申し上げます.

本論文の作成に当たり,有益な御教示を頂いた分子工学専攻西村a幸雄教授,金 政修司教授,熱エネルギーシステム工学専攻今石宣之教授に心より感謝の意を表

します.

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