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ノーマルパルスボルタンメトリー (NPV)

ドキュメント内 pdfマニュアル (ページ 55-61)

これらパルステクニックのポテンシャル波形は図4-12 示します。これはパルス間での初期値に戻る電位と振幅が増 加する一連のパルスから構成されます。もし初期電位が酸化 還元電位より十分正であるなら、小さい振幅パルスの印加で はファラディー反応を起こせず、電流応答がありません。パ ルスポテンシャルが酸化還元電位付近にくるくらい、パルス 振幅が十分に大きい時、パルスに対応したファラディー 反応

(適度に速い電子移動速度を仮定して)が起きます。そしてこ のファラディー電流の大きさは拡散速度と電子移動速度の両 方に依存します。パルスポテンシャルが酸化還元電位より十 分負になり電子移動が速く起こるとき、ファラディー電流は

拡散速度だけに依存するようになります。 即ち、限界電流に達します。この電流応答を図4-13に示し ます。シグモイド波形は古典的なポーラログラフィー実験で得られる波形曲線に類似しています。この 方法に対してノーマルパルス法と呼ぶのはそのためです。NPVの限界電流はSCVより大きく、より高 感度なテクニック(30μA/ mM)であり、低い検出下限(10-6 M)が得られます。

微分パルスボルタンメトリー (DPV)

DPV テクニックは先の2つのテクニックと異なり、電流 は各パルス間隔で二度サンプリングされます。ポテンシャル 波形は図4-14に示します。パルス振幅は一定であり、ベー スポテンシャルが小さなステップで増加します。即ち、階段 状波形に小さい振幅パルスを重畳しています。

電流はパルス前(i1)とパルスの終了時(i2)でサンプリ ングされます。差(i2-i1)がベースポテンシャルの関数とし て記録されます。還元を例にしますと、レドックスポテンシャ ルより十分正の電位では電極反応は起こらず、電流差はゼロ です。レドックスポテンシャル近傍では電流差は最大に達し、

拡散律速になると再び電流差はゼロに減少します。ピーク形

4-13. NPV /Pの典型的な電流応答

4-12. NPV /Pのポテンシャル波形

NPV では、初期電位はファラディー反応が起こらない値に設定します。

4-14. DPVのポテンシャル波形

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状の出力が得られます(図4-15参照)。DPVの感度はNPV SCVの中間です(20μA / mM)。しかし DPVの検出下限はバックグラウンド(容量性)は10-7 M以下になります。

4-13. DPV の典型的な電流応答

4.6.1 階段波 (SCV) ボルタンメトリーパラメータ

階段波ボルタンメトリーパラメータのダイアログボックスを示します。

実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り

:

1. 初期電位と最終電位は少なくとも0.01 V離して下さい。

2. サンプリング幅はステップ期間の1/2以下です、さもなければシステムは自動的にサンプリ ング幅を再調整します。

3. データサンプリングは各ステップの終了時に行います。

4. 第2電極をスキャンに設定した場合、電位は第一電極と同じになります。独立していません。

パラメータ 範囲 内容

初期電位 (V) -10 〜 +10 初期電位 最終電位 (V) -10 〜 +10 最終電位

電位増加分 (V) 1×10-3 〜 0.05 各ステップの増加分電位 セグメント 1 〜 10,000 スキャンセグメントの数

サンプリング幅 (Sec) 1×10-4 〜 50 各ポイントのデータサンプリング幅 ステップ期間 (Sec) 0.001 〜 50 ポテンシャルステップ期間または滴下時間 静止時間 (Sec) 0 〜 100,000 ポテンシャルスキャン開始前の静止時間 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.001 感度スケール

電極2:

電位 (V) -10 〜 +10 第2作用電極の電位 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.1 第2電極の感度スケール

ON チェックまたは未チェック セカンド作用電極を定電位にする Scan チェックまたは未チェック 第2電極をスキャンする

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4.6.2 微分パルスボルタンメトリー (DPV パラメータ

実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り:

:

1. 初期電位と最終電位は少なくとも 0.01 V離して下さい。

2. パルス幅はパルス期間の1/2以下にします。さもなければ、システムは自動的にパルス幅を再 調整します。

3. サンプリング幅はパルス幅の1/2以下にします。さもなければ、システムは自動的にサンプリ ング幅を再調整します。

4. パルス方向が電位スキャン方向と異なった場合、振幅がマイナスになります。

5. 第2電極をスキャンに設定した場合、電位は第一電極と同じになります。独立していません。

微分パルスボルタンメトリーパラメータダイアログボックスを示します。

パラメータ 範囲 内容

初期電位 (V) -10 〜 +10 初期電位 最終電位 (V) -10 〜 +10 最終電位

電位増加分 (V) 0.001 〜 0.05 各ポイントの電位増加分 振幅 (V) ±0.001 〜 ±0.5 ポテンシャルパルス振幅 パルス幅 (sec) 0.001 〜 10 ポテンシャルパルス幅 サンプリング幅 (sec) 1×10-4 〜 10 データサンプリング幅

パルス期間 (sec) 0.01 〜 50 ポテンシャルパルス期間または滴下時間 静止時間 (sec) 0 〜 100,000 ポテンシャルスキャン開始絵の静止時間 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.001 感度スケール

電極2:

電位 (V) -10 〜 +10 スキャンしない場合、第2作用電極の電位 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.001 第2電極の感度スケール

ON チェックまたは未チェック セカンド作用電極を定電位にする Scan チェックまたは未チェック 第電極をスキャンする

4.6.3 ノーマルパルスボルタンメトリー (NPV) パラメータ

ノーマルパルスボルタンメトリーダイアログボックスを示します。:

実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り:

:

1. 初期電位と最終電位は少なくとも 0.01 V離して下さい。

2. パルス幅はパルス期間の1/2以下にします。さもなければ、システムは自動的にパルス幅を再 調整します。

3. サンプリング幅はパルス幅の1/2以下にします。さもなければ、システムは自動的にサンプリ ング幅を再調整します。

4. 第2電極をスキャンに設定した場合、電位は第一電極と同じになります。独立していません。

パラメータ 範囲 内容

初期電位 (V) -10 〜 +10 初期電位 最終電位 (V) -10 〜 +10 最終電位

電位増加分 (V) 0.001 〜 0.05 各ポイントの電位増加分 パルス幅 (sec) 0.001 〜 10 ポテンシャルパルス幅 サンプリング幅 (sec) 1×10-4 〜 10 データサンプリング幅

パルス期間 (sec) 0.01 〜 50 ポテンシャルパルス期間または滴下時間 静止時間 (sec) 0 〜 100,000 ポテンシャルスキャン開始絵の静止時間 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.001 感度スケール

電極2:

電位 (V) -10 〜 +10 スキャンしない場合、第2作用電極の電位 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.001 第2電極の感度スケール

ON チェックまたは未チェック セカンド作用電極を定電位にする Scan チェックまたは未チェック 第電極をスキャンする

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4.6.4 微分ノーマルパルスボルタンメトリー (DNPV) パラメータ

システムは微分ノーマルパルスボルタンメトリーパラメータを表示します。

実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り:

パラメータ 範囲 内容

初期電位 (V) -10 〜 +10 初期電位 最終電位 (V) -10 〜 +10 最終電位

電位増加分 (V) 0.001 〜 0.05 各ポイントの電位増加分 振幅 (V) 0.001 〜 0.5 ポテンシャルパルス振幅 1次 パルス幅(Sec) 0.01 〜 10 第一次パルス幅

2次 パルス幅 (Sec) 0.01 〜 10 第ニ次パルス幅 サンプリング幅(Sec) 0.001 〜 5 データサンプリング幅

パルス期間 (Sec) 0.05 〜 50 ポテンシャルパルス期間または滴下時間 静止時間 (Sec) 0 〜 100,000 ポテンシャルスキャン開始前の静止時間

感度(A/V) 1×10-12 〜 0.001 感度スケール

初期電位でのオープン回路 チェックまたは未チェック ステップ1は一定電位または静止電位に保持

:

1. 初期電位と最終電位は少なくとも 0.01 V離して下さい。

2. 微分ノーマルパルスボルタンメトリーの場合、第一次ステップのパルスは電気化学反応が起こ らない、通常初期電位に保持します。第二次ステップがサイクル毎に増加されます。電流サン プルは期間の後半部分で行われます。三度目の電位が第二ステップのように増加されますが、

一定強度(振幅)による第二ポテンシャルよりさらにプラス(プラススキャンの場合)またはマ イナス(マイナススキャンの場合)になります。第二サンプルは期間の後半部分で行われます。

2つの電流サンプルの差は第二ポテンシャル関数として報告されます。

3. パルス幅はパルス期間の1/2以下にします。さもなければ、システムは自動的にパルス幅を再 調整します。

4. サンプリング幅はパルス幅の1/2以下にします。さもなければ、システムは自動的にサンプリ ング幅を再調整します。

ドキュメント内 pdfマニュアル (ページ 55-61)