in 愛知実行委員会
(有限会社オフィス・マッチング・モウル、
NPO法人パフォーミング・アーツ・フェスティ バルあいち)
[2006-07年度]
トヨタ・子どもとアーティストの出会い in 愛知実行委員会
(NPO法人アスクネット[愛知市民教育ネッ ト]、子どもとアーティストの出会い)
『トヨタ・子どもとアーティストの出会 いin 愛知』は、2004年度と2006-07 年度に展開しています。小学校での ワークショップのほか、文化祭(学芸 会)での演劇創作や、豊田市で開催さ れる「とよた子ども造形フェスティバ ル」でのワークショップなど、学校や地 域に密着したワークショップを開催し ました。
演劇やダンス、衣装デザインなどさま ざまな分野のアーティストが参加して
愛知
トヨタ・子どもとアーティストの出会いin 愛知
Program
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プログラム紹介
まずは身体をほぐすことから。身体を柔らかく して動きをたくさん発見していく。
ワークショップでは、アーティストが子どもたち にダンスを教えるのではなく、子どもたちとのコ ミュニケーションを大切にし、子どもたちの自由 な発想をアーティストがひきだしていった。
パジャマ姿でリラックス。夢の中のできごとを 想像し、自由な発想が飛び出す。
子どもたちがトカゲや馬など、動物をまねて動 きを作ってみる。なかには「未確認物体」をま ねる(?)という子どもも。
ペアになって、相手の身体の一部に触れ続け ながら動きをつくる、コンタクトインプロビ ゼーションにもチャレンジ。
1年生から6年生まで、全児童19人が支え合 い、助け合いながらつくったダンス。
ひとつひとつの動きを、子どもたちとアーティ ストが一緒になってつくり、5回のワークショッ プを通して20分の大作が完成した。
瀬戸市立掛川小学校 全校児童 19名
2006年10月25日[水]、11月8日[水]、
21日[火]、24日[金]、29日[水]、12月1 日[金]、12月6日[水]
「収穫祭」発表会 12月7日[木]
計7日間10時間分+学校行事 アーティスト:モノクロームサーカス
(コンテンポラリーダンス)
山間部にある瀬戸市立掛川小学校では、
お米など農作物を栽培し、収穫を祝う「収 穫祭」を毎年おこなっています。今回のプ ログラムでは、『収穫祭』で発表するダン ス公演を創作することになりました。京都 からコンテンポラリーダンスのアーティス ト「モノクロームサーカス(坂本公成氏、
森裕子氏)」を迎え、計5回のワークショッ プをおこないました。このワークショップ では、「夢と現実の間」をテーマに、子ども たちから湧き出てくる自由な発想をもと にアーティストとともに創作しました。
トヨタ・子どもとアーティストの出会い in 愛知(2006- 2007年度)では、教育NPOであるNPO法人アスクネット
(愛知市民教育ネット)と、子どもとアーティストの出会い が協働し、得意分野をいかしたパートナーづくりにチャレ ンジしました。
NPO法人アスクネット(愛知市民教育ネット)
〒456-0006 名古屋市熱田区沢下町8-5 愛知私学会館東館3F
TEL : 052-881- 4349 FAX: 052-881-5567 E-mail : [email protected] URL: http://ask-net.jp
プログラム紹介
瀬戸市立道泉小学校 6年生2クラス 44名
2007年11月27日[火]、12月5日[水]、
11日[火]、19日[水]、
2008年1月9日[水]、24日[木]、
29日[火]、2月6日[水]、13日[水]
公開発表会 2月14日[木]
アーティスト:山田珠実(コンテンポラリーダンス)
授業領域:総合的な学習の時間
ものづくりの伝統が残る街、瀬戸市の中 心部に位置する瀬戸市立道泉小学校。
ここに、愛知県で活動するコンテンポラ リーダンサー山田珠実氏を招いて、全10 回のワークショップをおこないました。
このワークショップでは、音楽に合わせて 踊ることに加えて、「骨や筋肉のしくみを 学ぶ」、「自分で振付を考えて表現する」、
「友達とペアになって踊る」など、さまざま な角度からダンスに取り組み、子どもの 創作したダンスに山田氏が振付を加えて 10分間の作品をつくりました。
卒業を控えた子どもたちは「絆〜かがや け44人の輪」というテーマを設定し、最 終日の保護者参観日にこれまでの取り組
を描いて、教室の天井から吊るしました。
ワークショップ最終日は授業参観を実 施。5年生の教室が<占い屋台>に大変 身!!保護者や他学年の児童をお客さん に招き、子どもたちが考え出したさまざま な占いを繰り広げました。
北山氏は、子どもたちに「心をふるわせる こと」がアーティストの仕事だと伝え、子 どもたちは「心をふるわせる」にはどうす ればいいかを考え、工夫しながら占いづく りに取り組みました。また、占い屋台を開 店するにあたって、お客さんの発想を引き 出すための質問シートをつくったり、オリ ジナルの看板制作や通訳係をつけるなど のさまざまな工夫を凝らしました。
ワークショップに参加した子どもたちは、
保護者や年少の子どもたちを占い屋台に 呼び込んだり、待っているお客さんへの 対応を考えたり、さらには占う時に相手 の言葉を引き出すための会話を心がける など、積極的にコミュニケーションをはか ることができるようになりました。
全校児童の約3分の1を外国籍の子ども たちが占める豊田市立東保見小学校。こ こでは、名古屋市を拠点に活動する現代 美術家の北山美那子氏による全5回の ワークショップを実施しました。
『コミュニケーション』をテーマに、「人生 占い」「魚占い」「ラッキーフード占い」「お 風呂占い」などのユニークな占いを子ども たちが発案。自分の心を表す吹き出し型 の白いぬいぐるみをつくり、占いの過程で 生まれたキーワードをモチーフにした絵
道泉小学校 6年生児童
感想
掛川小学校 教員
感想
道泉小学校 教員
感想
●ダンスのラストでわっかになる時、ふる えるくらい強い44人の絆を感じました。
その時あらためてこの機会があってよ かったと思いました。
●今日の発表では、自分の全てを出し切った と思います。(中略)このワークショップで 私は、劇的に成長しました。具体的にはわ からないけど、そんな気がします。
●全体の和を感じながらも個を尊重し、自分 を出せるようになった。友達とのつながりが 深くなった。一つのものを、学年でつくりあ げる過程の中で、協力しあおうという気持ち が生まれた。
●学校での指導は画一的になりがちで、創 造性を高めることは難しい面がある。その 点から考えると、アーティストの指導による アートを通した創造性の育成は子どもたち
の能力を幅広く高める上で有意義であると思 う。特に基礎基本の部分ではなく発展的な部 分として取り扱った方が効果は上ると思う。
●学校生活の中で、アートの部分はかなりあ ると思いますが、専門に学んだ教師は多くあ りません。子どもだけでなく、私自身も、貴重 な体験をさせていただきました。今後の教 員生活に生かしていきたいと考えています。
プログラム紹介
豊田市立東保見小学校 5年生2クラス 69名
2008年1月18日[金]、25日[金]、
30日[水]、2月13日[水]
公開発表会 2月19日[火]
アーティスト:北山美那子(現代アート)
授業領域:総合的な学習の時間
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教育支援NPOからみた
「トヨタ・子どもとアーティストの出会い」
毛受 芳高 (NPO法人アスクネット 代表理事)
NPO法人アスクネットは、地域の教育資源(人・もの・場所・イベント 等)を活かし、学校においてさまざまな教育プログラムの企画・実施を コーディネートするNPOです。キャリア教育をはじめ、環境教育、国際 理解、理科教育等々、さまざまなテーマの授業を小中高においてコー ディネートしてきました。そして、平成18年度に「トヨタ・子どもとアー ティストの出会い」に参画し、これまでに3校で授業を実施してきまし た。そこで、小学校における、他のテーマのプログラムと比較した本プ ログラムの3つの特徴について述べたいと思います。
最大の特徴は、なんといっても「アート」をテーマにしている点、それも 抽象度が高く、解りづらい「コンテンポラリーアート」である点が特徴 的です。小学校におけるアートは、図工もしくは音楽の中で扱われます が、どうしても教員が指導できる範囲のアートに限られてしまいます。
しかし、このプログラムにおけるアーティストのワークショップの中で は、「自分が感じる」、「自分が表現する」そして、「感じたことや自分の 表現を肯定する」、そんなメッセージに溢れていました。その一連の授 業の中で、子どもたちは「これなんだろう」から「こんな感じでいいのか な」、そして「表現するってことは自由で面白いんだ」と、当初にアーティ ストと出会ったときの「?(ハテナ)」から、自己表現への自信に子ども の心が変容している様が伺えます。とかく、「正解」を求めがちで、正解 のない問題に対しては途端に答えられなくなる傾向をもつ日本の子ど もたちの実情を考えたとき、こうしたコンテンポラリーアートを題材に した授業の意義は大きいと言えるでしょう。
二つ目の特徴は、一人の講師が複数回、継続的に関わる点を内在して いることです。アートであり、作品づくりとなると、完成までに授業回数 は必然的に多くなります。外部講師の授業は一般的に単発が多く、一 人の講師が複数回関わるものは希です。複数回の授業を行うことで、
子どもたちは、単なる「驚き」や「感動」の情動体験に留まらず、その刺 激をもとに、新たな気付きや考えの変容、そして、行動の変容へと効果 を深めていけます。
三つ目の特徴は、アーティストがもつ魅力的な「プレゼンス(存在感)」
です。アート、それもコンテンポラリーアートの担い手は、やはり考え方 や生き方にも独特な存在感をもっている場合が多く見受けられます。
彼らの口から発する言葉や、何気なく行う行動、アートを仕事にしてい ることなど、子どもたちは一様に驚き、人の生き方、考え方の多様さを 目の当たりにして、社会への興味関心を深めていきます。「生き方」や
「社会で働くこと」を学ぶキャリア教育の必要性が叫ばれる中、本プロ グラムの意義は大きいのではないでしょうか。
現在、学習指導要領の改訂が進められており、本プログラムが主に利 用している「総合的な学習の時間」は105時間から70時間へと削減さ れます。時間数としては残ってはいるものの、内容に関してはより効果 的なものに精選することが求められていくでしょう。そのため、上記の 3つのような特徴をもつ本プログラムは、教育改革の方向性にも添う 効果があると考えられるため、その効果をできるだけ見える化し、単な る「芸術教育」ではないことを打ち出していくべきではないでしょうか。