新製品開発状況
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基本情報...100
用語解説...114 中外製薬が取り組む革新や目指す価値創造を、読 者の方々に、より深くご理解いただくため、このセ クションでは、中外製薬の新製品開発状況や基本 情報などに加え、医薬品業界や医療の動向、最新の 治療法など、総合的な情報を掲載しています。
アニュアルレポート 2014 97
2014年以降進展が見られたもの ◆個別化医療に基づく創薬
※ 中外製薬主導の国際共同治験
開発コード(*適応拡大) 予定適応症 第I相
開発ステージ
第II相 第III相 申請中 承認
(海外)
(国際共同治験)
(海外)
がん領域
骨・関節領域
中枢神経領域
(Ⅱ/Ⅲ)(国際共同治験)
(国際共同治験)
(国際共同治験)
◆ (国際共同治験)
(国際共同治験)
(国際共同治験)
(国際共同治験)
(国際共同治験)
◆
◆
◆非小細胞肺がん
◆
◆
◆ (国際共同治験)
(国際共同治験)
(海外)
(海外:欧州)’14/4
(海外)
(国際共同治験)※
RG340*
RG435*
RG1273*
AF802 (RG7853)
GC33 (RG7686) GA101 (RG7159)
CKI27 (RG7304)
MRA* (RG1569) RG484
RG1450 RG1577 SA237 RG3502*
◆
RG7321 RG7596
RG7604 ◆
RG7446 ◆
◆
RG7204 ◆
自己免疫疾患領域
RG1662
◆ RG7090
その他の領域
◆
◆
◆ RG3637
CIM331 URC102
(国際共同治験)
(国際共同治験)※
(国際共同治験)
(海外)
子宮頸がん
乳がん(アジュバント)
低悪性度非ホジキンリンパ腫 胃がん
胃がん(アジュバント)
乳がん(アジュバント)
肝がん
中高悪性度非ホジキンリンパ腫
関節リウマチ(新剤形:皮下注製剤)
大型血管炎 巨細胞性動脈炎 全身性強皮症 骨粗鬆症
視神経脊髄炎
アルツハイマー病 胃がん
固形がん
固形がん 非ホジキンリンパ腫 固形がん 非小細胞肺がん 膀胱がん 悪性黒色腫
ダウン症者における知的能力の改善 アルツハイマー病
大うつ病
気管支喘息 特発性肺線維症 アトピー性皮膚炎 痛風
血友病A
ACE910 (RG6013) (Ⅰ/Ⅱ)
’14/7
’14/12
新製品開発状況
(2015年1月28日現在)中外製薬株式会社 98
一般名/製品名 オリジン(共同開発) 作用機序など
̶
ベバシズマブ/アバスチン(海外製品名:Avastin)
(海外製品名:Kadcyla)
(海外製品名:Gazyva/Gazyvaro(EU))
(海外製品名:Perjeta)ペルツズマブ/パージェタ
カペシタビン/ゼローダ(海外製品名:Xeloda)
オビヌツズマブ/製品名未定
トシリズマブ/アクテムラ
(海外製品名:Actemra/RoACTEMRA(EU))
イバンドロン酸ナトリウム水和物/ボンビバ
(海外製品名:Bonviva/Boniva(US))
̶
gantenerumab/製品名未定 basimglurant/製品名未定
ロシュ ロシュ 自社(ロシュ)
自社 ロシュ
自社(ロシュ)
自社(ロシュ)
ロシュ(日本新薬株式会社)
ロシュ(株式会社ヤクルト本社)
ロシュ/MorphoSys ロシュ
ロシュ
ロシュ(大正製薬株式会社)
自社(ロシュ)
代謝拮抗剤、酵素活性化型5-FU誘導体(経口剤)
抗VEGF(血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体(注射剤)
HER2二量体化阻害ヒト化モノクローナル抗体(注射剤)
ALK阻害剤(経口剤)
アレクチニブ塩酸塩/アレセンサ
トラスツズマブ エムタンシン/カドサイラ 抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体(注射剤)
抗グリピカン3ヒト化モノクローナル抗体(注射剤)
糖鎖改変型タイプⅡ抗CD20モノクローナル抗体(注射剤)
̶
ロシュ
pictilisib/製品名未定 PI3K阻害剤(経口剤)
ロシュ
polatuzumab vedotin/製品名未定 抗CD79b抗体薬物複合体(注射剤)
ロシュ
taselisib/製品名未定 PI3K阻害剤(経口剤)
ロシュ
̶ 改変型抗PD-L1モノクローナル抗体(注射剤)
ロシュ BRAF阻害剤(経口剤)
ベムラフェニブ/ゼルボラフ(海外製品名:Zelboraf)
Raf/MEK阻害剤(経口剤)
ビスホスホネート系骨吸収抑制剤(経口剤)
ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体(注射剤)
抗IL-6レセプターヒト化モノクローナル抗体(注射剤)
抗アミロイドベータヒトモノクローナル抗体(注射剤)
MAO-B阻害剤(経口剤)
―
―
ロシュ GABAAα5レセプターアンタゴニスト(経口剤)
mGluR5アンタゴニスト(経口剤)
̶
ロシュ
自社
lebrikizumab/製品名未定 抗IL-13ヒト化モノクローナル抗体(注射剤)
抗IL-31レセプターヒト化モノクローナル抗体(注射剤)
̶ 自社/JW Pharmaceutical URAT1阻害剤(経口剤)
̶ 自社(ロシュ) 抗factor Ⅸa/Ⅹ バイスペシフィック抗体(注射剤)
アニュアルレポート 2014 99 CEOレター・
イントロダクション 戦略セクション 特集 活動報告と
今後の取り組み データセクション 財務セクション
に一度、医療用医薬品の一定期間の取引について価格と 量を調査し、薬価を見直します。2014年度は、医療費 ベースで0.58%、薬価ベースでは2.65%の引下率となり ました。
新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度
2010年度薬価制度改革において、革新的な医薬品の 創出促進と「ドラッグラグ」*3問題の解消を目的とした、
「新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出等加算)」
制度の試行的な導入が決定しました。同制度は、後発医 薬品が上市されていない新薬(ただし薬価収載後15年 を限度)のうち一定の要件*4を満たすものについて、「(全 既収載品加重平均乖離率-2%)×0.8」が薬価改定時に 加算されることとするものです。
2012年度、2014年度薬価制度改革において新薬創 出等加算は試行的に継続されることになりましたが、
2014年度薬価制度改革では、①有識者会議が要請する 未承認薬や適応外薬の研究開発を行っている企業、また は②「真に医療の質の向上に貢献する医薬品」*5の研究 開発を行っている企業のみ本加算の対象となる品目を有 する資格があるとの要件が追加されることになりました。
国内医薬品市場の 概観と薬価について
国民医療費の動向
日本の国民医療費は、制度改正などを行わなければ毎 年約3~4%程度ずつ伸びる傾向にあります。2012年度 の実績*1は39兆2,117億円(前年度比6,267億円、
1.6%増)でした。なかでも高齢者の医療費の伸びが著し く、今後、急速に高齢化が進む中で、効率的な管理が重要 な課題となっています。
*1出典:厚生労働省 平成24年度国民医療費の概況
後発医薬品使用促進
患者さんの費用負担の軽減と医療保険財政の改善を 主眼として、国は後発医薬品*2の普及を図っています。
2007年発表の「後発医薬品の安心使用促進アクション プログラム」をきっかけに各種の施策が進められ、2013 年4月には新たに「後発医薬品のさらなる使用促進のた めのロードマップ」が策定されました。ロードマップでは 2014年3月時点で、51.2%であった後発医薬品の数量 シェアを、2018年3月末までに60%以上とする目標が掲 げられています。
*2新薬の特許が切れた後に、有効成分や効果などが新薬と同じ医薬品と して承認されたもので、「ジェネリック医薬品」とも言う
薬価改定
医療保険制度を利用して処方される医薬品の基準価格
(薬価)を市場実勢価に近づけるために、厚生労働省は2年
国民医療費と老人医療費の動向
国民医療費の国民所得に対する割合(右軸)
出典: 厚生労働省「平成24年度医療費の動向(国民医療費、老人医療費の動向)」
注: 国民所得は、内閣府発表の国民経済計算(2012年12月発表) による 国民医療費(左軸)
0 20 30 40 50
’04 ’06 ’08
’02
’95 0
2 4 6 12 10 8
10
うち老人医療費(左軸)
(兆円) (%)
7.3
8.7 8.8 9.8
8.5
27.0
32.1 33.1 34.8 31.0
8.9 11.7 11.6 11.3 11.4
’10 10.6
37.4
12.7
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出典:IMS医薬品市場統計 2008~2014年12月MATをもとに作成 無断複製・複写禁止 市場の範囲は中外製薬定義による
医療用医薬品市場規模の推移
’08 ’09 ’10 ’11
(兆円)
’12 11.2
39.2
13.6
0
6 7 8 10 9
’12 ’13 ’14