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ドキュメント内 アニュアルレポート2014|中外製薬 (ページ 58-61)

1,253

(うち国内696

241国内 557海外 192 107 49 34 74

+25.5% +28.0% -10.1%

+17.5%

+580.0%

-23.4%

主要製品別売上高

(単位:億円)

アクテムラ

(トシリズマブ) ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体 上市時期(日本)2005.6(キャッスルマン病)

2008.4(関節リウマチ)

2013.5(新剤形:皮下注製剤)

スベニール

(ヒアルロン酸ナトリウム) 関節機能改善剤 上市時期(日本)2000.8 エディロール

(エルデカルシトール) 活性型ビタミンD3製剤 上市時期(日本)2011.4 アルファロール

(アルファカルシドール)Ca・骨代謝改善 1α-OH-D3製剤 上市時期(日本)1981.1

(イバンドロン酸ナトリウム水和物)ボンビバ ビスホスホネート系骨吸収抑制剤 上市時期(日本)2013.8 CEOレター・

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今後の取り組み データセクション 財務セクション

アニュアルレポート 2014 55

関節リウマチ(国内)

「アクテムラ」の2014年の国内売上高は、前年比37億円

(18.1%)増の241億円となりました。国内の生物学的製 剤市場は、相次ぐ新薬の登場や治療患者数の増加により 拡大傾向にあり、いくつもの治療薬の中から、治療の目的 やライフスタイルに合わせた薬剤を選択できるようになり つつあります。このような環境変化の中、「アクテムラ」は 生物学的製剤における治療の第一選択薬として選ばれる 割合が一層高まり、大きな成長を果たしました。

こうした浸透の背景には、「アクテムラ」の有効性への評 価が高まっていることがあげられます。臨床試験では、高 い寛解率を長期にわたって持続でき、関節破壊の抑制効 果も認められたほか、最近では、生物学的製剤を投与する 際、「アクテムラ」を最初に使用することで高い有効性を示 す研究結果が発表されています。関節リウマチ治療におけ るIL-6阻害の意義についても、国内外の学会で数多く報告 され、IL-6に着目した治療の意義が広く浸透してきていま す。また、約5,500例に及ぶ特定使用成績調査(全例調査)

のフォローアップを実施し、日本人における長期間の安全 性情報が蓄積されていることも特長となっています。

これらに加え、2013年に発売した2つのタイプの皮下 注製剤(プレフィルドシリンジとオートインジェクター)によ り、患者さんの治療の自由度や利便性の面での価値拡大 が図られ、飛躍的な成長につながりました。2014年6月に 長期処方が解禁となり、一度に処方可能な製剤が2週間 分から1カ月分以上に増えたことも大きく寄与していま す。皮下注製剤は、静注製剤と比較して大幅に投与時間を 短縮できるほか、患者さんによる自己注射が可能になった ことから通院回数の減少にもつながります。また、点滴に 必要なベッドなどの設備が不要になり、医療スタッフの負 担も軽減することから、開業医を中心に、患者さんが「アク テムラ」による治療を受けられる施設が増えています。さ らに、オートインジェクターは、関節リウマチの治療薬とし

て日本で初めて発売された、ボタンを押すだけで注射がで きる機能を備えた製剤です。関節リウマチの症状から指先 の不自由な患者さんでも安全かつ容易に、針に対する恐 怖心を抱くことなく投与できるように開発されました。

また、2014年は、さらなる患者さんの利便性向上を目 的に、注射針の内径を拡大し、投与時間を従来の約20秒か ら15秒程度に短縮する改良を施しました。

関節リウマチ(海外)

「アクテムラ」の海外売上高(日本、韓国、台湾を除く地域 におけるロシュへの輸出売上高)は、前年比125億円

(28.9%)増の557億円となりました。同剤は、2009年に 欧州(欧州製品名:RoACTEMRA)、2010年に米国(米国 製品名:ACTEMRA)で承認を取得しています。また、地理 的要因などで日本以上に皮下注製剤が使われることの多 い欧米の生物学的製剤市場においては、2013年に米国 で、2014年4月に欧州で皮下注製剤(プレフィルドシリン ジ)の承認を取得できたことにより、日本を上回る成長に貢 献しました。2014年9月には欧州で、早期の関節リウマチ に対する承認を取得しました。

薬剤の評価としても、欧米市場において、唯一のIL-6阻 害剤として有効性と安全性が広く認識されています。

2013年には欧州リウマチ学会から、先行する生物学的 製剤と「アクテムラ」を同じ推奨度に位置づける治療リコ メンデーションが、2014年には米国リウマチ学会におい ても治療ガイドラインの改定案が公表され、「アクテム ラ」などを含む生物学的製剤が抗TNFα製剤と同様に一 次治療として追加されました。

骨粗鬆症/変形性膝関節症

自社創製品である活性型ビタミンD3製剤「エディロー ル」の売上高は、前年比42億円(28.0%)増の192億円と なりました。既存薬を上回る骨量増加効果や骨折抑制効果

(イバンドロン酸ボンビバ ナトリウム水和物)

エディロール

(エルデカルシトール)

スベニール

(ヒアルロン酸ナトリウム)

アクテムラ

(トシリズマブ)

マーケティング 骨・関節領域

アルファロール

(アルファカルシドール)

中外製薬株式会社 56

などから、活性型ビタミンD3製剤の中では最も使用されて いる薬剤となっています。骨粗鬆症の予防と治療に関する ガイドラインにおいて活性型ビタミンD3製剤で初となる 薬剤推奨グレードAを獲得したことから、ベース治療薬とし ての「エディロール」の認識や理解が広まっており、医療機 関での採用が進むとともに新規症例を中心に処方が進ん でいます。これらに加え、最近では、同剤が骨折抑制だけで なく、転倒防止などほかの作用も持ち合わせている可能性 が研究されており、評価が一層高まりつつあります。中外 製薬は、引き続き患者さんのQOLの向上に向けて活性型 ビタミンD3製剤が貢献できる可能性を研究していきます。

2013年8月に発売した、静脈内注射のビスホスホネート 製剤「ボンビバ静注」の売上高は、前年比29億円(580.0%)

増の34億円と、発売から短期間で急速に浸透が進みまし た。同剤は、月1回の静脈内注射で効果を発揮するという 特長を持っており、特に経口剤の服用が困難な患者さんに 対して利便性が高いことから、治療の継続性を改善する製 品として期待されています。医療従事者に対する積極的な 情報提供活動を行ったことから、「ボンビバ静注」の有用性 に対する認知は非常に高まっています。

変形性膝関節症領域では、競合品やその後発品の影響を 受け、変形性膝関節症治療剤「スベニール」の売上高は前年 比12億円(10.1%)減の107億円となりました。同剤は最も分 子量の高い直鎖型ヒアルロン酸製剤として治療に貢献して おり、粘弾性のみならず、抗炎症作用や疼痛抑制作用など、

優れた効果も認められています。中外製薬では、その理解促 進に努めるとともに早期治療の啓発活動に注力しています。

2015年の展望と戦略

関節リウマチ領域では、「アクテムラ」のさらなる飛躍を図

り、引き続き世界の関節リウマチ治療に貢献していきます。

国内では、基礎・臨床で蓄積されたエビデンスに基づき、

「アクテムラ」の特長である高い寛解率とその継続性の理 解浸透を図り、関節リウマチにおけるIL-6阻害の意義を訴 求することで、「アクテムラ」の第一選択薬としての浸透を 一層進めていきます。同時に、「アクテムラ」の高い経済性 に対する認知を広めるとともに、「アクテムラ」での治療に よる患者さんの社会生活への経済的貢献度を評価する研 究なども行っていきます。また、皮下注製剤においては、患 者さんが自宅で安全かつ確実に自己注射できるよう、医療 機関に対する情報提供を充実させていく方針です。

海外においても、IL-6阻害の意義について浸透を加速 していきます。ロシュ・グループとの連携を強化し、特に生 物学的製剤の単剤療法における高い有効性を中心に、引 き続き製品特性についての理解促進を図り、第一選択薬 としての普及に努めます。

骨粗鬆症領域では、製品特性の異なる「エディロール」

や「ボンビバ」の使い分けや、これらの併用についてエビ デンスを構築し治療提案を行っていきます。さらに、骨粗 鬆症領域におけるリーディング・カンパニーとして、早期 発見、早期治療を促進するために骨密度測定の重要性を 啓発するなど、より多くの患者さんが早期から積極的に 治療を受けられる環境づくりに寄与していきます。

変形性膝関節症領域では、引き続き直鎖型の高分子ヒア ルロン酸製剤である「スベニール」の理解促進に尽力すると ともに、軟骨保護や早期治療の啓発にも取り組みます。

中外製薬は「ロコモティブシンドローム」の主要な原疾 患である、関節リウマチ、骨粗鬆症、変形性膝関節症と いった領域、および高齢の患者さんに貢献できる製品群 を数多く保有していることから、高齢者に対する総合的 な治療提案についても、注力していく方針です。

節リウマチの薬物治療の変遷

痛みをとる治療

関節破壊進行を止め 治療

抗炎

遅効性抗リウマチ薬

抗リウ チ薬

(DMARDs)

免疫抑制薬

1970年代 980 代 1 90年代 2000年 20 3年~

その他の抗リウマチ薬 生物学的製剤

非ステロイド系抗リウマチ薬

非ステロイ リウマチ薬

リウマチ治療薬市場推移

(億円)

’06 ’07 ’08

’05 ’09 ’10 ’11

0 1,000 4,000

3,000

2,000

’12

C h 1

出典:IMS医薬品市場統計 2 04~2013年12月MATをもとに作成 無断複製 複写 の範 は中外製薬定義による

( 円

0 2 00

1 000

ビスホ ホネート製剤

ゲン

カルシ ニン製剤 その他の骨粗鬆症治 薬

’14

’13

Copyright 2015 IMSヘルス

出典:IMS医薬品市場統計

2005~2014年12月MATをもとに作成 無断複製・複写禁止

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