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その他 領域

ドキュメント内 アニュアルレポート2014|中外製薬 (ページ 62-65)

その他 セルセプト

(ミコフェノール酸モフェチル)

(オセルタミビルリン酸塩)タミフル

(ペグインターフェロン アルファ-2a)ペガシス シグマート

(ニコランジル)

(リバビリン)コペガス

102 備蓄用備蓄用19 国内国内95 65 69 20 281 651

-8.3% -9.5% +10.8% -20.3% -35.0% -1.1%

+18.2% -25.6% -9.7% +27.3% +138.5% -5.8%

101 72 55 614

622 13

13 278

備蓄用 備蓄用 国内国内

99 86

129 備蓄用備蓄用 国内22 国内64 65 70 3131 262

うち移植・免疫・

(国内)感染症208

その他の領域

(国内)256 主要製品別売上高

(単位:億円)

移植・免疫・感染症、

その他の領域の概要

がん、骨・関節、腎領域を除く領域として、インフルエン ザや慢性肝炎領域などの移植・免疫・感染症領域と、その 他の領域があります。抗インフルエンザウイルス剤「タミ

フル」の販売企業として重要な役割を担うインフルエンザ 領域では、適正使用に関する積極的な情報提供を行うほ か、13年にわたって蓄積された臨床データを基盤に、安全 性および予防を含めた有効性に関する情報提供活動に注 力しています。慢性肝炎領域では、C型慢性肝炎の早期発 見・早期治療の重要性を啓発するとともに、ペグインター

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今後の取り組み データセクション 財務セクション

アニュアルレポート 2014 59

フェロン-α-2a製剤「ペガシス」では他社に先駆けてC型代 償性肝硬変やB型慢性肝炎での適応を取得しており、「ペ ガシス」が貢献できる患者さんの拡大に努めています。ま た、アンメットメディカルニーズが高い重症喘息や中枢神 経系領域への製品の開発も進めています。

2014年の概況

2014年の国内売上高は、移植・免疫・感染症領域では前 年比20億円(10.6%)増の208億円となり、その他の領域 では前年比30億円(10.5%)減の256億円となりました。

「タミフル」の売上高は、前年比20億円(18.2%)増の 130億円となりました。この内訳としては、通常用売上が前 年比28億円(27.7%)増の129億円、行政備蓄等用売上 は、前年比7億円(77.8%)減の2億円でした。2014年は、薬 剤の有効性や「タミフル」にしかないドライシロップ剤の優 位性について訴求を進めました。

免疫抑制剤「セルセプト」の売上高は、前年比7億円

(9.7%)減の65億円となりました。同製品は、腎移植後の 難治性拒絶反応の治療や、腎・心・肝・肺・膵移植における 拒絶反応の抑制に用いられます。移植技術の発展による 国内の移植医療のニーズも高まっています。

「ペガシス」の売上は前年比15億円(27.3%)増の70億 円、「コペガス」は前年比18億円(138.5%)増の31億円とな りました。C型慢性肝炎の患者さんは薬物治療の進展によ り減少傾向にありますが、特定のウイルスタイプ(ゲノタイ プ1)の患者さんに対する3剤併用療法(ペグインターフェ ロン製剤とリバビリン製剤、プロテアーゼ阻害剤)が急速に 浸透し、「ペガシス」および「コペガス」の使用も増加しました。

「ペガシス」は、C型代償性肝硬変における抗ウイルス剤「コ ペガス」との併用療法が確たる評価を獲得しているほか、B 型慢性肝炎においては、唯一適応を持つペグインターフェ ロン製剤として肝炎治療の一翼を担っています。

2015年の展望と戦略

抗インフルエンザ薬領域では、2015年も競合品の影 響が見込まれる中、引き続き、「タミフル」の耐性ウイルス に対する適正な理解獲得に努めるとともに、従来よりも早 い時期から積極的な情報提供活動を進めることで、豊富 な安全性・有効性データに対する確固たる認識を得る活 動を行う方針です。

C型慢性肝炎領域では、インターフェロンの併用を必 要としない治療薬の発売により、インターフェロン不要の 治療が浸透することが予想されます。しかし、インター フェロン不要の治療によって、インターフェロンと同程度 の発がん抑制効果が得られるかはエビデンスがありませ ん。したがって、特にがんが発生する可能性の高い患者さ んに対して、治療への貢献を図ります。

また、2010年代後半に承認取得が予定される重症喘 息や中枢神経系領域への製品導入を見据え、MRの研修 や営業体制の整備なども推進していきます。

行政備蓄用売上 通常用売上

「タミフル」の売上状況

0 200 400 800

600

(億円)

’11 33 54

’13 9 101

’14 2 129

’12 19 102

’10 166

16

’09 400 400

362

(オセルタミビルリンタミフル 酸塩)

マーケティング

移植・免疫・感染症、その他の領域

(オセルタミビルリン酸塩)タミフル 抗インフルエンザウイルス剤 上市時期(日本)2001.2 シグマート

(ニコランジル) 狭心症・急性心不全治療剤 上市時期(日本) 1984.4 セルセプト

(ミコフェノール酸 モフェチル)

免疫抑制剤

上市時期(日本)1999.11

(ペグインターフェロンペガシス アルファ-2a)

ペグインターフェロン-α-2a製剤 上市時期(日本)2003.12

(リバビリン)コペガス 抗ウイルス剤

上市時期(日本)2007.3

(ペグインターフェロンペガシス -α-2a)

(リバビリン)コペガス

中外製薬株式会社 60

疾患啓発活動

中外製薬は、がん患者さんやその家族を支援するさま ざまな活動に参加し、協賛しています。

その一例である、がんと闘うための絆を育む啓発サ ポートキャンペーン「リレー・フォー・ライフ」(RFL)は、が ん患者さんや家族・支援者たちがチームをつくり、交代で 24時間歩き続けるイベントで、2014年は全国43カ所で 行われました。2007年からボランティアで参加している 中外製薬は、各地で「チーム中外」を結成し、全国26カ所 で474名が参加しました。昨年同様に、iPadを利用した 肺がん啓発クイズを実施し、17会場で1,463名の方に参 加いただきました。来場者は「チーム中外」のメンバーか ら内容の説明を受けながらiPadで出題される肺がんに 関する質問に回答していき、肺がんについての理解を深 めていただきました。

医療活動への支援に関する取り組み

中外製薬では、「すべての革新は患者さんのために」と いう事業哲学のもと、医薬品の提供にとどまらず、医療活 動への支援を通じて医療水準の向上に貢献しています。

医療の多様化・高度化に伴い重要性が増してきている チーム医療については、多職種によるコミュニケーション を促進させるきっかけとなった「チーム医療ワークショッ プ」などの企画を率先して展開し、多くの医療従事者にお 役立ていただいています。

一方、「医療経営Webセミナー」や「地域医療を考える 会」の開催など、少子高齢化による社会構造が大きく変化

していく今後の医療提供体制の在り方について最新の情 報をお届けし、医療機関の経営層の方々から高い評価を いただきました。

また、医療活動の効率化に向け、さまざまな情報提供 施策と連動したeプロモーションを積極的に推進していま す。例えば、医療従事者の情報入手経路や所有デバイス の多様化に対応するため、タブレットPCやスマートフォン 向けの情報提供を開始し、添付文書や製品リリース情報 など、製品情報へのアクセシビリティを高めました。さら に、安全性情報を中心に患者さん向けの情報の充実を図 りました。

募金・基金活動

中外製薬では、救済を必要としている世界の子どもた ちや希少な難病に苦しむ患者さんを支援するための募 金・基金活動も実施しています。

中外製薬は、ロシュがグローバルに実施したチャリティ イベント「Roche Children’s Walk 2014」に参加し、

募金活動を行いました。募金者数は約2,900名で、従業 員から寄せられた募金に加え会社が同額を拠出しまし た。募金総額の半分を「NPO法人ふよう土2100」が行っ ている被災地の障がい児およびその家族への支援活動

「交流サロンひかり」に、半分はロシュを通じて、アフリカ・

マラウイ共和国の孤児支援活動に寄付しました。

また中外製薬では、「リンパ管腫」という難病に苦しむ 世界中の子どもたちのために「ピシバニール」(抗悪性腫 瘍剤・リンパ管腫治療剤)を20年以上にわたり「NPO法 人荻田修平基金」(http://www.fund-ogita.org/

japanese/jtop.htm)を通じて、海外の医療機関へ無償 提供しています。この基金は、同疾患に苦しむ世界中の子 どもたちが、現地の医療事情や経済的問題に左右される ことなく、平等に治療を受けられることを目的に活動して います。

リンパ管の異常により体の一部にリンパ液が溜まる疾患で、多くの場 合、出生時に見つかる。がんと異なり良性だが、小児の発育を障害し、

ときにはこのこぶが気道を圧迫して生命の危機をもたらすこともある まれな難病

患者さん支援と疾患啓発活動

従業員がボランティアとして参加した「リレー・フォー・ライフ」

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アニュアルレポート 2014 61

開発

中外製薬の開発体制

中外製薬では、「すべての革新は患者さんのために」とい う事業哲学のもと、革新的な医薬品を一日でも早く患者 さんに届けるべく、複数の機能が連携したライフサイクル マネジメント体制を整えています。例えば、臨床開発機能 は、最新の科学に基づいた臨床開発計画を立案し、医療機 関に依頼して臨床試験を実施します。製薬機能では、工業 生産化の検討や治験薬の製造を行い、医薬安全性機能で は、臨床試験の早期段階から安全性プロファイルの把握・評 価を開始することによって、治験実施に際してより高い安全 性を確保しています。製造販売承認の申請をはじめとした 規制当局との対応は、薬事機能が中心となって推進してい ます。開発プロジェクトごとに各機能から機能リーダーが任 命され、さらに人事権の一部を移譲されたプロジェクトの責 任者であるライフサイクルリーダーが部門横断的に構成さ れたライフサイクルチームを強力に統率することにより、迅 速なプロジェクトの推進と承認申請の実現を図っています。

グローバル開発の加速

中外製薬では、自社創製品の価値最大化を目指し、グ ローバル開発の迅速化に向けた、さまざまな変革を進め ています。

例えば、2014年9月に発売を開始した「アレセンサ」(開発 コード:AF802)では、成功確率の高い開発モデルを推進す ることで、着想からわずか7年というスピードで国内発売を果 たしました(詳細は、後述「がん領域」をご参照ください)。また、

第Ⅲ相国際共同治験に迅速に着手すべく、通常、健康成人を 対象に行う第Ⅰ相臨床試験に患者さんも含めて実施すること で、early PoC*1と呼ばれる、より早期の段階で有効性判断を 可能にするための取り組みも進めています。これにより、グ

ローバル開発の計画策定やパートナーとの交渉を早い時期 から行え、スムーズに第Ⅲ相国際共同治験まで移行すること が可能となります。こうした取り組みのもと「ACE910」では、

臨床開発に入ってから2年足らずでロシュに導出することが できました。2014年8月には、このような自社創製品のプロ セスの迅速化と効率的な資源活用に向け、すべての品目につ いてearly PoC段階でロシュに一括で海外開発のオファーを するなど、導出に関するロシュとの契約を一部変更しました。

これらに加えて、「SA237」や「CIM331」では、中外製薬 主導で国際共同治験を進めるという、新たな挑戦を始めて います。クリニカルサイエンス機能の強化や治験デザイン における競争力向上に努めており、2014年3月には最高 医学責任者(CMO)を外部から起用したほか、2015年4月 にはトランスレーショナルクリニカルリサーチ本部を設置 するなど、開発体制についても刷新を続けています。

*1研究段階で構想した薬効がヒトでも有効性を持つことを実証すること

(Proof of Concept)で、early PoCは「限られた例数で、安全性に加 え、有効性の兆候または薬理作用が確認されること」を意味する

がん領域

全体

2014年、がん領域では2製品の発売を行い、1製品につい て承認を取得しました。現在は、自社創製品3プロジェクト、ロ シュからの導入品13プロジェクトについて開発を進めてお り、うち1プロジェクトが申請中です。なお、これらのパイプラ インのうち10プロジェクトは、個別化医療に対応しています。

自社創製品

ALK阻害剤「アレセンサ」は、

ALK

融合遺伝子陽性の切 除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を対象として、2014 年7月に国内で承認され、9月に販売を開始しました。同剤 は、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受け、国内

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