• 検索結果がありません。

フィールド評価

5.3. データの獲得方法

データを獲得する為に、調査対象に対して以下の2つの質的調査を行った。

1. 3週間の調査期間に複数回にわたってインタビュー[32]の実施 2. フィールド調査とVideo Cued-Recall Methodを用いたインタビュー

5.3.1 インタビュー

3週間に渡りインフォーマントにMyGlobeのアプリケーションを使用してもらい、

MyGlobeMapの変化についてと街の歩き方について、調査期間の間、複数回インタビ

ューを実施した。この調査では主にインフォーマントの都市での日々の行動を反映して、

MyGlobeMapが生成されるかを確認する。

手順

1. 初めにガイダンスとして、MyGlobeの機能と使い方を教えてMyGlobeアプリケー ションに慣れてもらう。

2. インフォーマントが日常生活のなかで屋外に出たときに、常にMyGlobeアプリケー ションを起動して、ロギング機能を利用する。

3. 毎日午後18:00から22:00の間に、MyGlobeMapの変化についてと街の歩き方につ いて、インタビューを行う。インタビューでは、生成された地図とその場所の地図

をインフォーマントとインタビュアーがともに閲覧しながら、MyGlobeMapをみ てどう感じるか、次の日はどのように街を移動しようと思うかを聞き取る。

4. 3週間後のMyGlobeMapがある程度生成された段階で、インフォーマント同士で 地図を見せ合いながら、お互いの地図について語ってもらう。

5.3.2 フィールド調査

MyGlobeの地図閲覧機能を使って、タスクが指示されているテストシナリオにした

がって渋谷を歩いてもらい[11][33][34] 、観察とVideo Cued-Recall Method[14]と呼ば れるビデオを参照してフォーマルインタビューを行う調査を行う。渋谷を選んだ理由は、

渋谷はインフォーマント全員が頻繁に遊びに行く街であるからである。登録されている ユーザーの地図の少なさを補うため、インフォーマントの共通の知人である奥野ひとみ (以下、ひとみ)に渋谷でよく行くお店や使う道を聞き取り、図5.3の左図を作成した。手 順の詳細は以下である。

手順

1. 3週間のロギングで生成されたユーザーの地図とあらかじめ生成されている地図を 閲覧しながら、渋谷を歩く。

2. テストシナリオに指定されたタスクをこなす。テストシナリオの例として、「あな たは、新しい洋服を探しに渋谷に来ました。」そこから導きだされるタスクは「他 のユーザーの地図を閲覧して、そこに記されている洋服屋のいずれかを目的地に設 定しその洋服屋に行く。」である。

目的地に行く途中で、どの道を通るかはインフォーマントに託されており、目的地 以外の場所に寄り道をしてもよい。

3. インフォーマントが街を移動する様子を観察して記述する。

4. 同時にハンディカムによって撮影する。

5. 街歩きが終わったあと、インフォーマントとともに録画した映像をみながら、街歩 きの際に何を思っていたかを思い出してもらい、インタビューを行う。

テストシナリオ

2人のインフォーマントにテストシナリオに従って渋谷を歩いてもらった。テストシ ナリオには、簡単な状況とタスクが示されている。インフォーマントにはテストシナリ オに示されている状況に置かれていると想定してもらい、指示されているタスクを実行 してもらった。1223日に梅沢に、鎌田には110日にフィールド調査を実施した。

テストシナリオの例は以下を参考にされたい。

梅沢のテストシナリオ

時間がちょっと空いていて渋谷に来ている。夜からはデートの予定がある ので渋谷に入れる時間は60分程度である。60分後には渋谷駅か原宿駅に 行かなければいけない。彼女にあげるプレゼントが見たい。おしゃれなカ フェなどのスポットを見つけたい。

鎌田のテストシナリオ

時間がちょっと空いていて渋谷に来ている。映画を見る予定があるので渋 谷に入れる時間は60分程度であるので、60分後には渋谷駅か原宿駅に行か なければいけない。カフェか軽食をとれるところを探す。ついでにおいし そうなレストランやおしゃれな服屋も探そうと思っている。

フィールド調査の概要

フィールド調査での内容を、フィールド調査の後に行ったVideo Cued-Recall Method とインタビューで得たコメントやインフォーマントの心情を織り交ぜ、再構成した。図 5.2の左図は梅沢の移動した場所である。図5.5の左図は梅沢の移動した場所である。各 図中の赤い線が移動した道で、数字は、各インフォーマントが滞在した店舗の場所であ る。右図は、フィールド調査の後の各インフォーマントのMyGlobeMapである。梅沢の フィールド調査では、システムの不具合でMyGlobeMap上の建物が生成されなかったた め、筆者が、図5.2の数字の場所に図5.3右図のように、梅沢の各店舗に滞在した時間を もとに建物を生成した。これは、鎌田のフィールド調査の際に梅沢のMyGlobeMapを利 用できるようにするためである。

図5.1 梅沢のフィールド調査

図 5.2 梅沢の移動した場所と生成された地図

図 5.3 ひとみの地図と修正した梅沢の地図 梅沢のフィールド調査 1223 1615分から1730

東急東横線の渋谷駅の改札前でiPhoneを取り出し、Safariを起動する。しかし、Web にアクセスできず再起動をする。友人のひとみのMyGlobeMapを閲覧して、渋谷駅のス クランブル交差点の方から宮益坂へ向かう。最初はMyGlobeMapを見ていたが、そのあ とはあまり見ずに国連大学前まで歩く。

「表参道まで、一本道だって分かっていたのでひとみさんの地図をみて、だからまああ まりもう見ずに歩いていっちゃえばいいかなと思いました。」とコメントしている。岡本 太郎の「こどもの樹」のオブジェの前で、地図を止まってみるが、建物をクリックしよ うとした時に地図が動いてしまいなかなか情報を見れない。

「アイコンがたくさんでてきたのはよかったんだけど、押せないアイコンがあって、い じっていたら落ちた。」と不満を漏らしていた。

スパイラルビルのアイコンをクリックして情報を閲覧しているが、道路の向かい側にあ るその建物には気づかなかった。青山通りをその後も進み、「おもしろそうな横道があっ たから」左に曲がって横道を入っていく。衣料品店やカフェを見てまわるが店内には入 らない。小道を歩いていると、Portofinoという複合商業施設に行き着く。小さい店舗が 並ぶ中で中型の複合商業施設を見つけたので、「これ発見だよね。」と感想を残している。

そして、Portofinoの通路を抜けて、セントグレース大聖堂へ歩いて行く。セントグレー

ス大聖堂の写真をiPhoneで撮影する。撮影した後、ひとみのMyGlobeMapにのってい るカフェを確認し、カフェを目指す。

「小道にいるぞってのがわかって、どうやら近くにおすすめの店(カフェ)があるらしい ということがわかって、じゃあとりあえず行ってみようということを思った。地図を見 ながら、地図にあるお店を探そうかなと思って歩いたと。」

カフェを探すが、見つからなかった。「この区画だろうということは分かったけど、入り 口がわからなかったんだ。カフェの裏側の壁はなんとなくわかったけど。」と感想を残し ている。その後、ガチャピン・ムックとふしぎなたまご展という展示イベントを開催し ているアーティファクトギャラリーというギャラリーを見つけ、中に入る。「ムックがい たから入ってみたと。」梅沢はムックというキャラクターの人形を見つけて興味を持ち、

ギャラリーに入場したと語っている。中に入って、地図を確認するとひとみの地図にこ のアーティファクトがあることに気づく。

「ギャラリーのなかで地図を見たら結果的にここだったんだってわかった。

ここに来るまでは、アーティファクトがあるってわからなかったけど、中にはいってみ たら、アーティファクトのアイコンがちょうどここにあったから、ここがアーティファク トなんだとわかったと。」と述べている。その後、道に迷いながらもおしゃれな革靴屋を 見つけて入る。10分程、店内で鞄を見て回っていた。

時間が迫ってきたので、地図を確認し表参道へ向かう。表参道は混んでいたため、青山通 りに引き返す。途中でスパイラルビルに寄って交際相手へのプレゼントを探すが見つか らない。再び、青山通りを渋谷駅に向かって歩く。途中で、ユニークなファサードを持っ た複合商業施設「Ao」を見つけて、iPhoneで写真を撮影する。その先で手作りのヘルツ という鞄屋を見つけて店内に入る。「もともと鞄に興味があったから。」と鞄屋に入った 理由を述べている。渋谷駅まで戻り、スクランブル交差点に面したビルにあるロクシタ ンカフェに行く。軽食をとりながら、ロギングしたデータをアップロードしたが、道と 島はレンダリングされているが、建物ができていないのでカスタマイズができなかった。

関連したドキュメント