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:テレビ放送中などの喫煙場面の禁止

ドキュメント内 Circulation Journal Vol. 69, Suppl. I (ページ 77-80)

禁煙宣言全文

提言 5 :テレビ放送中などの喫煙場面の禁止

ドラマ,スポーツ中継などのテレビ放映中に,しばし ば喫煙場面がみられる.

テレビの喫煙場面は喫煙を促すこととなり,子どもが 見るテレビ放送などのマスメディアでの喫煙画面を規制 する必要がある.

(平成11年12月)

日本肺癌学会 禁煙宣言(2000年)

1.はじめに

日本肺癌学会の活動目標は,肺癌およびこれに関する 領域の研究の進歩ならびに知識の普及をはかり,これら を通して肺癌の予防,早期診断,治療成績の向上に貢献 することである.

本会は,呼吸器外科医・内科医,放射線科医,病理医,

統計学者,基礎学者などから構成され会員数6800 名を 越える学会である.会員の長年の努力により肺癌の治療 成績は向上しつつあるものの,それでも治癒(5年生存)

する症例は全体の 20% 程度である.肺癌が急増してい る現在,治療法の進歩により肺癌の成績を向上させるこ とも大切ではあるが,同時に予防することも重要な研究 課題である.

肺癌の死亡数は,わが国の人口動態統計によると,

1998 年に男女合わせて5万1千人となり胃癌を抜いて 全悪性腫瘍の中の死亡数が第1位となった.統計学的推 計によると,今後益々増加し2015年には12万人を越え るであろうと予想されている.

わが国における肺癌増加の原因は,高齢者人口が著し く増加したこと,男性における喫煙率が依然高いことが あげられる.非喫煙者に比べて,喫煙者の肺癌リスクは,

男性で4〜5倍,女性で2〜3倍高いと報告されており,

喫煙本数,喫煙年数が増加すれば肺癌リスクも増加する.

喫煙は最も大きい肺癌の原因であり,喫煙に起因する肺 癌は男性で70%,女性で15% と推定されている.一方,

受動喫煙も肺癌リスクとなり,夫が喫煙者の場合,非喫 煙者の妻の肺癌リスクは1.3〜1.5倍に増加すると報告さ れている.また,喫煙は肺癌以外にも食道,膵臓,口 腔・中咽頭・下咽頭,喉頭,腎盂尿管,膀胱癌のリスク を高める.

喫煙が健康に悪影響を及ぼすことは,多くの研究報告 によって明らかにされている.癌以外に慢性気管支炎,

肺気腫などの呼吸器疾患,心筋梗塞などの虚血性心疾患,

脳血栓症などの生活習慣病においても喫煙は重要な危険 因子である.WHO(世界保健機関)の推定では,世界 で年間約300 万人,日本でも年間約11万人の多くが喫 煙が原因で死亡していることが報告されている.

以上述べてきたように,喫煙は,肺癌をはじめとして

種々の病気の原因となるが,また予防できる最大の単一 原因でもある.タバコを吸わないこと,またタバコを吸 っている人でも禁煙をすることで病気の危険性が少なく なる.「禁煙」こそ健康への第一歩である.

2.喫煙に関する勧告

「喫煙が肺癌リスクを大きくし,また肺癌患者の生存 を不良にする十分な証拠が蓄積されたことを踏まえて,

日本肺癌学会は,医療従事者はもとより広く国民全体に タバコのない社会づくりを強く勧告する.」

3.学会としての活動ならびに事業計画

本学会は,全国の医療機関のみならず都道府県及び市 町村の関係機関・関連団体と連携し,禁煙の推進に向け て医学的ならびに社会的な活動と事業を行う.

1)タバコと健康について正しい知識を普及する.

¡新聞,テレビ,ラジオ,広報誌,インターネッ トによる広報活動を行う.

¡小冊子,パンフレット,ポスターを作成し配布 する.

¡講演会,市民公開講座などを開催する.

2)タバコ広告,販売の規制を関係省庁,行政機関に 働きかけるとともに,反タバコキャンペーンを実 施する.

3)関連学会,医療機関,公共施設,職場などに禁煙 ポスターの掲示,パンフレットの配布を行い禁煙 を推進する.

4)子供,未成年者,妊婦,一般市民を対象にした禁 煙教育を行う.

5)禁煙を勧める医療従事者の指導要領の作成とトレ ーニングを行う.

6)子供,未成年者へのタバコ販売禁止と自動販売機 の禁止を関係省庁に働きかける.

7)受動喫煙の害を排除するために職場,公共の場所 に喫煙所の設置を働きかける.

8)タバコに対する増税を行政機関に働きかける.

9)WHO の「世界禁煙デー,5月31日」に併せ,一

般市民を対象に学会として「禁煙推進のためイベ ント」を実施する.

(文案は日本肺癌学会学術委員会による)

平成12年11月2日

日本公衆衛生学会 「たばこのない社会」の実現 に向けて(2000年)

1492 年,コロンブスの新大陸発見の後,欧州諸国に 持ち込まれた喫煙の風習は,急速に世界各地へ伝わり,

1570 年頃日本にも広まった.喫煙によって咳やたんが 出ること,激しい身体活動を妨げることなどが経験的に 知られていたが,英国の医師Doll とHill は1956年,約 4万人名の医師会員を4年5ヶ月間追跡調査して,喫煙 者の肺がん死亡率が非喫煙者に比べて約 10倍高いこと を発表した.

その後の研究において喫煙は,他の臓器の発がんや循 環器疾患,慢性気管支炎,肺気腫などの発病にも関与し ていることが明らかにされるとともに,自分の意志とは 無関係に他人のたばこの煙を吸うこと(受動喫煙)の害も 指摘されるようになった.また,妊婦の場合は,喫煙す ると死産のリスクが増すのみならず,低体重児の割合も 非喫煙妊婦に比べて明らかに高いことが知られている.

喫煙の健康影響は喫煙開始年齢が早いほど大きいの で,青少年向けに様々な喫煙防止教育プログラムが開発 され,小・中学校で実践されるようになった.しかし,

雑誌等にタバコ広告が氾濫し,公共施設や健康関連施設

(病院や体育館)にもタバコ自動販売機の設置がみられ るなど,喫煙防止や禁煙を支援する社会環境が未成熟な ため,期待するほど効果はあがっていない.若年者(特 に女性)の喫煙率は上昇しており,日本の男性の喫煙率

(1998年,55.2%)は,他の先進国(1994年米国28%,

1994年英国28%,1993年フランス40%,1992年ドイ

ツ37%)に比べ,著しく高いのが実状である.

喫煙は「個人の自由な嗜好」という主張がある一方で,

その強い習慣性は,ニコチン依存(薬物依存)そのもの である.依存症の治療という考え方で,禁煙補助薬(ニ コチン代替療法)などを併用した禁煙支援に取り組む医 療機関が増えてきたが,まだ十分とは言えない.禁煙は 個人の努力だけでは達成が難しいので,医師などによる 専門的な禁煙支援の強化とともに,禁煙しやすい社会環 境づくりを進めることが強く求められる.

WHO では,タバコは年間400万人の生命を奪ってい

ると報告している.そして,1970 年以来,子どものた ばこ依存の防止,たばこ税の増税,受動喫煙からの保護,

たばこ広告の排除,たばこ耕作の転作促進になどについ て勧告を行ってきた.また,1999 年の総会では国際的 観点から,条約法として加盟国における総合的たばこ対 策の実施を促進するため,「たばこ規制のための枠組み 条約(Framework Convention on Tobacco Control)」のも

とに,新しい法的な手続きを始めるための作業を呼びか ける決議を満場一致で採択している.ここではWHO お よび加盟各国は2003 年までに準備を完了し,その後,

条約の批准が行われるとされている.

以上のことから当学会は,次の3つを日本の喫煙対策 の柱と考え,これらを推進するための研究や実践活動の 質を高めなければならないと考えている.

1)喫煙防止のための教育と社会環境の見直し 2)喫煙者への専門的な禁煙支援の推進

3)受動喫煙の害をなくす環境づくり(分煙対策)の 推進

今後とも当学会は,「たばこのない社会」が実現する よう,あらゆる機会と関係団体をとおして,個人,集団,

および社会環境を対象とした喫煙対策の推進を支援する ことを宣言する.

2000年7月28日 日本公衆衛生学会

日本学校保健学会 青少年の喫煙防止に関する提言

2001

年)

2001年11月 日本学校保健学会は,喫煙と健康の問題に鑑み,これ までの研究活動を踏まえて学校関係者はもちろん社会全 体に対して,青少年の喫煙防止のために為すべき事柄と して以下のような提言を行う.

【提言】

学校をタバコのない場所に!

1.学校・教育行政機関に対して

¡「学校のヘルスプロモーション」の一環として,

学校全体を禁煙とする.

¡児童生徒および教職員が,現在から将来にわた って喫煙を始めないこと,または喫煙を止める ことを奨励し,それを手助けする.

¡児童生徒の喫煙防止に関する指針(ガイドライ ン)を策定する.そして,喫煙防止プログラム を作成・実施し,それを定期的に評価する.

2.教職員に対して

¡自らが,タバコを吸わないという望ましいモデ ルを児童生徒に示す.そして,親(保護者)や 地域の人々と共に,子どもを受動喫煙から守る ための環境整備を進め,また地域・社会におけ る受動喫煙防止対策の推進に積極的に協力する.

3.地方・国に対して

¡タバコ広告の禁止,テレビでの喫煙場面の規制,

パッケージ警告表示の強化,学校及び通学路付 近におけるタバコ自動販売機の禁止,タバコに 対する増税など,青少年の喫煙防止のために極 めて大きい影響力を持つ取組みを実施する.

【提言理由】

日本学校保健学会は,学校保健に関する研究とその普 及・発展を図ることを目的として,1954年に設立され た.2002年からは,これまで以上に健康教育を重視し た新教育課程が始まるとともに,新しい保健教育には,

教育的な働きかけと環境整備の両面から児童生徒の健康 的な生活行動を形成しようというヘルスプロモーション の考え方が取り入れられた.このように学校健康教育が 重視される現在,日本学校保健学会の果たす役割はます ます大きい.

1.喫煙問題の重要性

現在,タバコ及び喫煙は,世界全体が取り組むべき重 要な健康問題となっている.タバコは依存性薬物であり,

日本では喫煙者の半数以上がニコチン依存症と推測され ている.また,喫煙は各種のがんや心臓病,呼吸器疾患 など,多くの疾患の原因となっているにも関わらず,諸 外国と比較しても未だ日本の成人の喫煙者率は高く,ま た多くの喫煙者が未成年から喫煙を開始しているという 事実がある.したがって,喫煙の防止は健康教育におけ る極めて重要な課題の1つと考えられる.

2.喫煙対策の動向

WHO は,タバコ対策の地球規模の取組みを進めてお り,欧州連合はそれに答えて,すでに,タバコの販売規 制や広告禁止などに関する合意をしている.

日本では,文部科学省が「学校の原則禁煙」を指示す る通達(1995年)を出し,厚生労働省が「健康日本21」

(2000年)において,「未成年者の喫煙率 0%」,「公共 の場や職場における分煙100%」などの目標を示した.

また,日本肺癌学会など5つの医学系学会・研究会が,

タバコ対策に向けての提言などを行い,日本医師会も禁 煙キャンペーンを開始した.なお,2000年末には未成 年者喫煙禁止法が半世紀振りに改正され,未成年者にタ バコを販売した者への罰金が 50万円以下に引き上げら れた.

3.未成年者と教師の喫煙

厚生労働省の調査(1999年)では,15〜19歳の未成 年者の喫煙率は,男性19.0%,女性4.3% であった.別

ドキュメント内 Circulation Journal Vol. 69, Suppl. I (ページ 77-80)