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つの基本方針と 10 の到達目標

ドキュメント内 Circulation Journal Vol. 69, Suppl. I (ページ 80-89)

禁煙宣言全文

禁煙推進 3 つの基本方針と 10 の到達目標

Ⅰ.我々は自らの足元から始める.

1.循環器学会会員の医師,循環器関連施設の看護師,

技師,薬剤師,事務職員を含めて循環器関連医療 関係者の喫煙率を 2007年までに現在の1/4 にす る.

2.循環器学会評議員,専門医,事務局職員は全員非 喫煙者であることを目指す.

3.循環器学会総会,地方会,教育講演会,市民公開 講座等ではロビーや事務局を含めて会場施設は完 全禁煙とする.

4.すべての循環器外来,病棟は全面禁煙とする.

5.禁煙指導の専門家を養成し,すべての循環器関連 施設において禁煙外来を設置する.

6.日本循環器学会会員が禁煙を推進するためのホー ムページをつくり,情報を発信すると共に,禁煙

を希望する会員にインターネットを利用した禁煙 支援をする.

Ⅱ.我々は病院,医学部全体に呼びかける.

7.病院の全館禁煙を達成し,かつ病院において売店 および自動販売機によるたばこの販売はしない.

8.学部学生に対する循環器教育において禁煙教育を 充実する.

¡医学部,歯学部,薬学部,看護学部など医療関 係の教育のカリキュラムに喫煙防止教育,禁煙 支援の項目を加えるように提言する.

¡全国医学部学生の喫煙率を調査し,2007 年には 0% とすることを目標とし,禁煙支援ができる 医師を育てる.

Ⅲ.我々は患者や一般市民,社会に対して呼びかける.

9.喫煙が心臓病および脳卒中の危険因子であること を知っている人の割合を2007年までに現在の2倍 にする.

¡平成10年度喫煙と健康問題に関する実態調査で は,以下の疾患が喫煙によりかかりやすくなる ことを知っている人の割合は,肺がん84.5% や 妊娠への影響79.6% と比較し,循環器疾患では 心臓病40.5%,脳卒中35.1% と低く,この割合 を2007年までに現在の2倍とするために以下の ことを行う.

¡一般市民を対象とした喫煙と健康に関するホー ムページならびに小冊子を作成し,患者,職員 を含め,一般市民に喫煙の害を周知させる.

¡インターネットなどを利用した禁煙支援を実施 する.

¡喫煙と健康に関するポスターを作成し日本循環 器学会会員施設の循環器内科および外科,各地 方会学会場に配布する.

¡禁煙啓発の講演会,市民公開講座などを開催す る.

10.他の禁煙推進グループと共同で以下の活動に積極 的に参加する.

¡喫煙防止教育の実施を行う.

¡国,県,市町村のすべての公的施設の完全な禁 煙を要請する.

¡JR などの公共交通機関の完全禁煙を要請する.

¡その他,たばこの増税,たばこ自動販売機の撤 廃,たばこ広告・販売促進活動の規制,テレビ 放送の喫煙場面の禁止等を国や地方行政,メデ

ィアに要請する.

2002年4月25日

日本口腔衛生学会 禁煙宣言「たばこのない世界」

を目指して(2002年)

日本口腔衛生学会 2002年9月13日 喫煙は喫煙者本人はもとより周囲の非喫煙者の全身の 健康に悪影響を及ぼすことが,数多くの科学的根拠によ り明示されている.口腔保健の面からも,喫煙は口腔が んや歯周病のリスク因子であることが証明されており,

歯の喪失との関連性も認められている.また,喫煙者の 多くは,歯周治療,インプラント処置や抜歯後の創傷治 癒などの予後が不良であることが指摘されている.さら に,無煙たばこの使用が,口腔にとって高い危険性があ ることが明らかにされている.しかし,喫煙問題に対す る本学会員や口腔保健医療従事者の認識は十分とは言え ず,口腔保健医療機関における喫煙対策も遅れており,

また,国民への情報提供も不足している.

一方,口腔保健医療従事者が喫煙対策に関わる利点と して,以下のことが挙げられる.

1.口腔疾患の有病率が高いため,あらゆる年齢層の 人々に接する機会が多い.

2.定期歯科健診等の際に繰り返し介入を行うことが できる.

3.歯科医師および歯科衛生士による口腔保健指導の 中に介入を組み入れやすい.

4.口腔は自分自身で直接見ることができるので,動 機付けが行いやすい.

5.喫煙による全身疾患の症状がまだ現われていない 段階で介入することができる.

一 般 社 会 で は 喫 煙 対 策 へ の 関 心 は 高 ま っ て お り , WHO は「たばこ対策」を最優先課題として取り組み,

また,わが国でも,健康日本 21の「たばこ」や「歯の 健康」,そして健康増進法等において,喫煙対策の重要 性が謳われている.

このような背景をもとに,日本口腔衛生学会は,「た ばこのない世界」を目指して,積極的に喫煙対策を推進 することを宣言する.

活動方針

1.喫煙対策に関連する研究を一層推進するとともに,

得られた知見を積極的に社会に還元する.

2.本学会員および国民に対して,喫煙の口腔への健 康影響についての知識の普及を図り,喫煙と健康

問題への認識の向上に取り組む.

3.口腔保健医療活動の場において,禁煙誘導や禁煙 支援の推進を図る.

4.口腔に関わる保健医療機関や医育機関におけるた ばこのない環境づくりを支援する.

5.口腔保健医療従事者の育成機関における禁煙教育 の推進を図る.

6.禁煙を推進する諸団体との協力・協調を通じて,

たばこのない社会づくりを推進する.

日本小児科学会 子どもの受動喫煙を減らすため の提言(

2002

年)

日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 1.受動喫煙とは

たばこの煙には,先端から立ち上がる副流煙,喫煙者 の吐き出す煙があります.こどもの喫煙のほとんどは,

これらを吸う受動喫煙です.こどもの受動喫煙で,気道 アレルギーが悪化して,ぜんそくが治りにくくなったり,

乳幼児突然死症候群(SIDS)が増えるなどの健康影響 が報告されています.

2.たばこの煙の性質

たばこの煙は直径1ミクロン以下の非常に小さな粒子 です.あまりに小さいため,気流とともに浮遊します.

粒子は活性炭や繊維製品,肺,など微小な空間を通る時 に多く吸着されますが,壁や天井など平坦な表面にはあ まり沈着しません.

閉鎖された室内では,たばこの煙は数分後には部屋全 体に広がって薄められ,見えなくなります.しかし,沈 着はごく一部だけで,粒子の大半は長時間にわたって空 気中に滞留しています.従って,短時間に室内空気を清 浄にするには,気流ごと,たばこの煙を室外に出す,つ まり窓を開けて換気するのが最も効果的です.

3.こどもの受動喫煙

こどもの受動喫煙といえば,家族が吸っているたばこ の煙を直接,吸い込むことだけを考えがちです.その結 果,こどもの前でたばこを吸わなければ受動喫煙を減ら せると誤解されています.しかし,受動喫煙の大半は,

室内空気中に滞留している,たばこの煙を知らず知らず,

長時間にわたって吸うことによって起きています.閉め 切った部屋では,目に見えず,煙たさを感じなくても,

たばこの煙は空気中に滞留しています.とくに今日の住 宅はエネルギーの節約のため気密性が高く,この状態が

長く続きます.こどもが家に帰ってきて,こうした部屋 で数時間過ごしたとすると,直接,喫煙者の側にいてた ばこの煙を吸ったのと同じ,場合によってはその何倍も の煙を吸うことになります.

こどもの受動喫煙への影響は,他の家族より母親の喫 煙が大きいとの調査結果があります.母親は家庭内にい る時間が長いため,と考えられます.また,こどもが不 在の時に吸うたばこの煙に注意が行かず,閉め切ったま までこどもを迎えることも,子どもの受動喫煙量を増や しています.

4.こどもの受動喫煙を減らすための提言

受動喫煙を減らすには家族の禁煙に越したことはあり ません.しかし,それができなくても,たばこの煙の性 質や家庭の喫煙状況から,こどもの受動喫煙を減らすこ とができます.私たちは,次の2点を国民の皆さんに提 言します.

(1)受動喫煙を避けるため,こどものいる家庭では,た ばこは室内で吸わず,屋外で吸うようにしましょ う.

(2)室内で吸った場合,必ず,窓を開けて換気しましょ う.とくに対面する2か所の窓を開けて自然換気す るのが効果的です.

橋本正史,片岡直樹,高橋香代,田中哲郎,田辺功,

冨田和巳,村田芳子,谷村雅子(副委員長),杉原茂孝

(委員長),安田正(担当理事),清野佳紀(同)

文献

1)Strachan DP, Cook DG: Health effects of passive smoking, 6.Parental smoking and childhood asthma: longitudinal and case-control studies, Thorax 53, 1998: 204-212.

2)Vinke JG, KleinJan A, Severijnen LW, Fokkens WJ: Passive smoking causes an allergic cell infiltrate in the nasal mucosa of non-atopic children, Int J Pediatr Otorhinolaryngol 51, 1999:

73-81

3)Kilian M, Husby S, Host A, Halken S: Increased proportions of bacteria capable of cleaving IgA1in the pharynx of infants with atopic disease, Pediatr Res 38, 1995: 182-186

4)田中哲郎: 乳幼児死亡の防止に関する研究,平成9年度厚生

省心身障害研究報告書,1998: 35-56

5)浅野牧茂,呂俊民,木村菊二,村松学,楢崎正也: 受動的喫 煙の環境,喫煙と健康に関する調査研究?昭和55年度健康 づくり等調査研究報告書,1980:55-121

6)大阪府立公衆衛生研究所: 平成5年度都市域における気管支 喘息予防対策事業疫学調査報告書?厚生省地域保健推進特別 事業,1995: 12

ドキュメント内 Circulation Journal Vol. 69, Suppl. I (ページ 80-89)