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4.2 テスト方法

4.2.1 ファンクションジェネレーターから電荷を注入する場合

図4.1にファンクションジェネレーターから電荷を直接注入する場合のテスト回路を 示す。

ファンクションジェネレーターからのパルス波をコンデンサーでAC結合することで VME-EASIROCのMPPC入力ピンに対して電荷を注入する。パルス波の波高をV、コ ンデンサーの静電容量をC とすると注入される電荷Qinj は、

Qinj =CV

で あ る 。コ ン デ ン サ ー の 静 電 容 量 を 10 pF 100 pF で 切 り 替 え る こ と に よ っ て

EASIROC chip のダイナミックレンジ全体の相当する領域の電荷を注入することが

第4章 VME-EASIROC単体での性能評価 83

Function Generator

Capacitor 10 pF or 100 pF

TTL to NIM Delay

Sync VME-EASIROC

Delay

Delay

MPPC in

Hold CommonStop

L2Trigger

Receiver Module

VME-J0 Bus

Master Trigger Module

LAN Cable x 2

L1Trigger

Gate Ganerator

Busy VETO

4.1 ファンクションジェネレーターからのテスト電荷を用いたテスト回路。ファン クションジェネレーターからのテストパルスを用いてVME-EASIROCにテスト電荷 を入力する。

できる。

ま た 、型 番 S10362-11-050C MPPC を 用 い て 光 子 1 つ を 受 光 し た 際 に VME-EASIROCに注入される電荷量を1 p.e.と定義する。

ファンクションジェネレーターからのパルス波は時間幅、波高、周波数を調整すること ができる。表4.1に使用したファンクションジェネレーターであるKEITHLEY 3390の 仕様を示す。

4.1 KEITHLEY 3390の仕様。

項目 設定可能な値

周波数 500 µHz∼10 MHz 出力電圧 5 V5 V 最小パルス幅 20 ns 立ち上がり時間 5 ns 出力インピーダンス 1 Ω10 kΩ

パルス波の時間幅は EASIROCの SlowShaper時定数よりも十分に長い時間である 1 µsに設定した。これはパルス波の立ち上がりで正電荷が注入され、パルス波の立下り で負電荷が注入されるためである。パルス波の時間幅が短い場合は、これら2つの波が重 なってしまい、注入される電荷量が計算値からずれてしまう。また、パルス波の周波数は VME-EASIROCからPCへのデータ転送量を考慮して1 kHzに設定した。

第4章 VME-EASIROC単体での性能評価 84 ファンクションジェネレーターからはパルス波に同期したSync 信号が出力されてい る。この信号を利用してトリガー信号を生成する。Sync信号はTTL レベルで出力され ているため、先ず TTLから NIMへのレベルコンバーターで NIM レベルに変換する。

その後、その信号を適度に遅らせた信号をHold 信号、CommonStop信号、L1Trigger 信号、L2Trigger信号としている。Hold 信号の Delayは SlowShaperの出力をオシロ スコープで確認しながら SlowShaper 出力が最大値に達するタイミングで Hold 信号 が入力されるように設定した。Hold 信号から CommonStop信号を生成する Delayは 900 ns に設定した。CommonStop信号は L1Trigger 信号と同じ信号を使用している。

CommonStop 信号からL2Trigger 信号を生成するDelay は10 µs に設定した。また、

MasterTriggerModuleからのBusy信号はTTLレベルからNIMレベルへの信号変換器 の直後のゲートジェネレーターによって処理している。図4.2にこれらの信号のタイミン グチャートを示す。

Hold MPPC in

CommonStop L1Trigger L2Trigger

900 ns

10 μs

4.2 テスト環境に入力する信号のタイミングチャート。MPPC inputへの信号が 入力された900 ns後にCommonStop信号が入力され、その10µs後にL2Trigger 入力される。

4.2.2 LED からの微少光を MPPC に入射する場合

LEDからの微少光を MPPCに入力してそれをテストする場合の回路図を図4.3に示 す。基本的な回路は図4.1と同じであるが、VME-EASIROCへ信号を入射する部分が LEDとMPPCになっている。ファンクションジェネレーターからの信号によってLED が発光する。LEDからの微少光はMPPCに入射しVME-EASIROCへのアナログ信号 を生成する。LEDからの微少光は光子数個程度になるようにファンクションジェネレー ターの波形を調節した。

トリガー信号生成部は図4.1の回路と同じである。

第4章 VME-EASIROC単体での性能評価 85

Function Generator

TTL to NIM Delay

Sync

VME-EASIROC Delay

Delay

MPPC in

Hold CommonStop

L2Trigger

Receiver Module

VME-J0 Bus

Master Trigger Module

LAN Cable x 2

L1Trigger

Gate Ganerator

Busy VETO

LED MPPC

4.3 MPPCからの電荷を用いたテスト回路。MPPCに対してLEDの微少光を入 射することでテスト電荷の入力を行う。